創発POメッセージ(榊原パネル)

創発PO: 榊原 均(名古屋大学 大学院生命農学研究科 教授)


【専門分野】 植物栄養学・土壌学、植物分子・生理科学

名古屋大学農学部卒業後、名古屋大学・助手、理化学研究所・チームリーダー、同グループディレクターを経て、2015年より名古屋大学大学院生命農学研究科・教授。同年より名古屋大学高等研究院・副院長。2023年より名古屋大学生物機能開発利用研究センター・センター長。
この間、日本植物生理学会の編集長等を歴任。2014年から2022年まで9年連続でClarivate Analytics(旧Thomson Reuter) Highly Cited Researchers、日本植物生理学会賞などを受賞。博士(農学)。専門は、植物栄養学・土壌学および植物分子・生理科学で、植物の栄養環境変化に応答して働く植物ホルモンなど様々な情報分子の役割について研究を行っている。特に、植物成長の促進制御に働き、植物の生産性向上において重要な植物ホルモンであるサイトカイニンの生合成や輸送制御のメカニズムの解明に取り組む。

POメッセージ

 農学は食料・生物資源の生産から生物資源の利用、生物機能の活用、そして生物共生環境にいたるまで人類の生命活動を支える重要な学問領域です。さらに、食・環境・健康に関する諸課題の解決を通じて、生活の向上と充実を追求します。過去において、育種や発酵技術などの発明、多様な生物資源の利活用により人類は繁栄の道を歩んできました。しかし、人口増加や産業発展に伴い、生命個体のレベルから地球全体にわたる様々な問題が顕在化しています。未来の持続可能な社会を築き、次世代に豊かな社会と環境を引き継ぐために、農学系分野からの新たなイノベーション創出の期待は非常に高いといえます。そして、未来を変えるイノベーション創出につながる挑戦的な研究を支援するのが創発的研究支援事業です。
 本パネルでは、農学関連領域の研究に新たな潮流を生み出す研究提案を歓迎します。短期的な目標設定にとらわれることなく、失敗を恐れずに大胆なアイデアを提案していただきたいと考えています。ただし、提案は研究者自身の研究の強みに基づいていることが重要です。
 今回新たにパネルを立ち上げるにあたり、植物、微生物、動物、食品、マテリアル、環境、情報など多岐にわたる関連分野の第一線で活躍されている研究者の方々にアドバイザーとして参加いただくことになりました。POとアドバイザーが連携し、採択者の研究に対するアドバイスや、パネル内外での研究者同士の交流などを支援していく予定です。幅広い分野からの意欲的な提案を心より期待しています。