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No.6-4Ma1011月6日(日) 10:30~12:00

ステージ企画

科学コミュニケーションどうしてる!?~SC20年目のしゃべり場~ ①
How do you communicate about scientific topics?
-interactive presentation about 20 years of Science Communication-

日本科学未来館 科学コミュニケーターOB・OG
Former Science Communicators at Miraikan

場所:テレコムセンタービル 4Fミニステージ

企画概要

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様々な場(科学館・大学博物館・水族館)で活動する元日本科学未来館SC(科学コミュニケーター)が現場の様子を紹介し、参加される皆さんと一緒に科学コミュニケーションの今を語り合います。

【しゃべり場テーマ】

・各現場でどのような科学コミュニケーションの活動を行なってきたか。

・科学コミュニケーションの認知度があがってきた?世の中とのギャップはまだある?現場でどのように感じている?

・20年で科学コミュニケーションに関する考え方がどう変わってきた?

・科学コミュニケーションの理想と現実を踏まえ、その先に目指すもの。

皆さんの意見も伺いながら、科学コミュニケーションについて深堀りします。

Former Miraikan SCs (Science Communicators) who are currently working at various different places (science museums, a university museum, and an aquarium) will talk about what it is like to introduce guests to scientific topics and discuss with the audience the current situation of science communication.

[Topics]

・What kinds of science communication activities have been carried out at each site?

・Is public awareness and understanding of science communication on the rise? Is there still a large gap between us and the public?

・How have your thinking about science communication changed in the last 20 years?

・The ideal form and the reality of science communication and what to aim for in the future

etc.

We will dig deeper into science communication while listening to insightful opinions from you all.

登壇者プロフィール

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笠松 舞 Kasamatsu Mai

新江ノ島水族館・なぎさの体験学習館 チーフキュレーター/ファシリテーター

幼少から天文、宇宙好き。大学で思いがけず火山にはまり、火山学を専攻。2003年より日本科学未来館にて主に宇宙、地球科学、ロボット分野の展示解説、プログラムの企画・実施を通して“多くの人と科学の奥深さを共有する”ことにやりがいを感じる。現職場ではプログラムや展示の企画・実施を行う。サイエンスアゴラ2008では事務局担当。

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大石 和江 Oishi Kazue

東京理科大学なるほど科学体験館 副館長/学芸員/科学コミュニケーター

東京理科大学理工学部工業化学科卒業。子育てを経て、2003年から日本科学未来館非常勤科学コミュニケーターとして勤務。2009年からつくばエキスポセンターで実験教室やサイエンスショーを担当し、2011年から東京理科大学近代科学資料館へ。科学コミュニケーションに興味のある学生たちが、経験を積める大学博物館の運営に取り組んでいる。

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近田 梨絵 Konta Rie

新潟県立自然科学館 事業課企画グループ 学芸員

幼少時から訪れていた科学館で科学の面白さを知り「将来は科学館で仕事をする」と決める。

新潟大学教育人間科学部卒業。2003年から日本科学未来館科学コミュニケーターとして展示解説業務に従事。

2007年より新潟県立自然科学館にて、館内の学芸業務および科学普及業務全般に携わる。主に常設展示改修や企画展・特別展の立案、科学教室の企画・運営などを担当。

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代島 慶一 Daishima Keiichi

静岡科学館事業担当長/主査

琉球大学理学部卒業、筑波大学大学院環境科学研究科修了。宇宙と鳥と石と植物が好き。2006年より日本科学未来館で展示解説、実演、企画展、友の会等に従事。2011年から静岡科学館に転職し、各種教室、連携事業、科学コミュニケーター育成講座、企画展等に従事。2021年より事業担当長。2019年に日本サイエンスコミュニケーション協会認定サイエンスコミュニケーター。

出展レポート

企画概要の補足

様々な場(科学館・大学博物館・水族館)で活動する元日本科学未来館SC(科学コミュニケーター)が現場の様子を紹介し、参加される皆さんと一緒に科学コミュニケーションの今を語り合います。

【しゃべり場テーマ】

・各現場でどのような科学コミュニケーションの活動を行なってきたか。

・科学コミュニケーションの認知度があがってきた?世の中とのギャップはまだある?現場でどのように感じている?

・20年で科学コミュニケーションに関する考え方がどう変わってきた?

・科学コミュニケーションの理想と現実を踏まえ、その先に目指すもの。

皆さんの意見も伺いながら、科学コミュニケーションについて深堀りします。

セッションでの意見・論点

◆「科学コミュニケーター」の認知度は上がってきたと思う?

登壇者の意見

認知度上がっている:新聞やテレビで取材を受けるとき6~7年前には名称が長いので学芸員にして欲しいと言われたが、去年取材を受けた時には科学コミュニケーターでと記者さん側から言っていただいた。
桝太一さんが科学コミュニケーションやるというところで普通に使われるようになった驚きがあった。
科学コミュニケーターになりたいという学生が来てくれている。JASC資格認定制度がスタートした。
科博認定講座の受講生で未来館来館して科学コミュニケーターに興味を持ったという人がいて、未来館の科学コミュニケーション活動も裾野を広げていることを実感した。

認知度半々:コロナ禍で科学のことを話す人が増えたので知らないところで科学コミュニケーションの行動が増えている気がする、無意識でやっているので、そこからの広がりが生まれてないのかも。
会場からは、会場の人数の半分くらいは認知度が上がっているという意見で挙手があったが、まだまだという挙手の方もいた。

◆「科学コミュニケーター」とはなに?肩書きがいろいろ・・・

◆20年間どう変わってきた?

ウェビナー質問:認知度はあがってきたが職域が不明瞭。→職業なのか職能なのか?

代島: 静岡では科学コミュニケーター講座を実施して、卒業生だけで400回の活動報告があがってきている。静岡は草の根で広がってきている。

笠松: 学芸員と科学コミュニケーターは違うが、学芸員資格を持っている方もいる。研究やるやらないか。

大石: 学芸員は雑芸員といわれて研究をやれない方もいる。資料の普及活動をすることは同じ。展示物対象が違う。展示が科学のものもあるから科学を伝えることをできる人もいる。研究者ではないが、研究と同じように見極めていないと伝えられないという要素はある。

会場: 科学コミュニケーションの能力を持った人を輩出されたいのか、科学コミュニケーターを輩出したいのか。入る時の募集と出るときのビジョンにギャップがあるのではないか?

代島: 科学館採用者数が少ない、学芸員も少ない、科学館で働ける数が学芸員有資格者やSC講座受講者に対して極端に少ない。

会場: 就活中。科学コミュニケーションは興味があり、職業としては科学コミュニケーターに興味がある。
職業としてできるところを探そうとすると少ないため学芸員をみている現状。自分の専門にかかわってくるので合致しないことも多い。

近田: 学芸員として就職したその場で科学コミュニケーションを実践して研究することもありかと思った。

会場: 未来館で9月まで科学コミュニケーターをやってきた。輩出時には社会でそれぞれに活かしてとなるのでギャップを感じた。社会にはまだ枠がない。フリーランスとして仕事をするか、職能とするか悩んだ。自分はスタートアップで科学コミュニケーション含めた広報をしている。職能としての科学コミュニケーションとなっているが、名乗って活動している。認知されるように言い続けようと思っている。職能として募集要項にかいてくれているところも少ないし、職業としても少ない。そこも考えて社会と接点について考えていかないとならないかな。

近田: 科学コミュニケーターの定義がなにか?がないと、採用する側もむずかしいのかもしれない。

代島: 静岡科学館に講座を立ち上げた時にも、各先生や各地で定義がバラバラだったので静岡科学館がめざす科学コミュニケーターを定義づけした。

大石: プラネタリアンなど科学コミュニケーションをずっとやっている方がいる。新しいもののようにして未来館で職種として始まったけれど、新しい分野では無いということもある。その中で、多様な科学コミュニケーションがあることも認知されてきているのかなと思った。職業の募集がないということ、やってきた人が採用側に入っていないからかもしれないかも。

笠松: 募集のときに少し定義されないと分からないが、まずは科学コミュニケーターを募集すること。

近田: どんどん増えてきてはいて、それぞれの方が能力を活躍に活かせていることは感じている。

代島: なくてはならない存在になっているというところでは、未来館だとノーベル賞予測があり未来館出身者もNHKで解説しているので場面場面で社会にアピールしているのではないかなと思う。

話し合った未来像

ありたい未来像

笠松: ちゃんと職業となって、科学コミュニケーターになりたい、といってもらいたい。

近田: 科学情報は検索すれば行き着くが、検索しないと行き着かないので、行けない人について何か工夫出来ること、巻き込めることが理想。職業として認知されるといいなと思う。科学コミュニケーターを検索すると未来館ばかりと言うことなので、全国的にもと思う。

代島: 科学を文化にする時に科学コミュニケーションが一助になる。ニーズはあると思うが、現状で枠が少なく不安定性があるところがある。持続可能な科学コミュニケーションを色んな人と追求していきたい。

笠松: アゴラで、いろんな立ち位置の方と対話していきたい。

科学コミュニケーターになって良かったこと

代島: 沖縄の鳥の保護がスタート、科学コミュニケーターをやって、社会と科学とを少しは繋げられたと思っている。

近田: 科学を楽しめる職業に就けた。企業・研究者などから話を聞けて、来館者と共有出来るところが有り難いし楽しいし、それを経験できることが科学コミュニケーターの醍醐味。

大石: ノーベル賞大村先生と話せる、卒業生がSC活動をしている、好きな科学を職業にできる。

笠松: 「出会い」(お客さま、研究されている方、スタッフなどなどみなさま)

参加者への質問『科学コミュニケーションで大事なことは?』に対するコメント及びご意見(抜粋)

・科学コミュニケーションが活かせる定年制のポストが少ないのでは無いか。

・認知度の向上、職業としての細分化、社会で科学コミュニケーションを活かせる。

・便利屋にならない、無視できない存在になること。

・科学コミュニケーターの活躍で、研究者のなりたい職業ランキングがあがるといいなと思います。

セッションで出たキーワード

科学コミュニケーション、科学コミュニケーター

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