事業成果

ダイバーシティ推進

イノベーション創出の活性化に必要なダイバーシティの推進2024年度更新

科学技術イノベーションの創出に向けた経営戦略の重要な施策のひとつとして、ダイバーシティを推進している。その一環として、女性研究者やその活躍を推進する機関を表彰する輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)や、国際的に活躍が期待される若手女性研究者を表彰する羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)を創設し実施する他、ライフイベント(出産・育児・介護)と研究開発の両立を支援する目的で、出産・子育て・介護支援制度などを実施している。

ここでは主な取り組みをご紹介する。

若手女性研究者の活躍推進

輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞・女性研究者)・輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞・機関)

世界トップレベルの研究開発を行うネットワーク型研究所として未来共創イノベーションを先導することをミッションとしているJSTでは経営戦略のひとつとしてダイバーシティを推進し、その一環として女性研究者の活躍を推進している。

2019年度には、持続的な社会と未来に貢献する優れた研究等を行っている女性研究者およびその活躍を推進している機関を表彰する制度として「輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)」および「輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)」を創設した。2023年度でこれまでに5回の表彰を数え、11名の女性研究者と4機関が受賞している。

2023年度の第5回の受賞者発表・表彰式はサイエンスアゴラ2023の企画として開催した。表彰式に続いて「こんな未来が待っていた-女性研究者の日常」と題した受賞者と高校生によるトークセッションも行った。

図1

第5回輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)表彰式&トークセッション (2023年11月)

羽ばたく女性研究者賞 (マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)

2021年度、JSTと駐日ポーランド共和国大使館は、日本の女性研究者のより一層の活躍推進に貢献することを目的に、国際的に活躍が期待される博士学位取得後5年程度までの女性研究者を表彰する「羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)」を創設した。

JSTは、特にライフイベントが想定されると同時に研究者としての活躍が最も期待される期間においても支援の取り組みが必要だと考えている。マリア・スクウォドフスカ=キュリーは、31歳でポロニウム、32歳でラジウムを発見した功績が認められ、後に女性で初めてノーベル賞を受賞、しかも、男女通じて唯一「化学賞」「物理学賞」の2分野で受賞した。本表彰では、彼女のように世界に羽ばたく若手女性研究者を応援する。

2023年5月には第2回の授賞式が高円宮妃ご列席のもと、東京の駐日ポーランド共和国大使館にておこなわれた。

図2

第2回羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)授賞式(2023年5月)
※写真:駐日ポーランド大使館提供

ライフイベント支援

出産・子育て・介護支援制度

JSTでは男女共同参画推進の取り組みの一環として出産・子育て・介護支援制度を実施している。本制度は研究者が、ライフイベント(出産・育児・介護)に際し研究開発を継続できること、また研究を一時中断せざるを得ない場合は、研究開発に復帰した時点からのキャリア継続を図ることができることを目的としている。2006年度から本制度を開始し、女性研究者だけでなく、男性研究者への支援も増加している。

次世代に向けた取り組み

進路で人生どう変わる?理系で広がる私の未来 2023 動画公開セミナー
理工チャレンジ

内閣府男女共同参画局「理工チャレンジ」の関連イベントとして、内閣府、文部科学省、経済産業省との共催で、女子中高生とその保護者・教員の皆さんに「理系選択の未来」を知っていただく動画公開セミナーを毎年夏に開催している。2023年度は、山形大学(当時)の河野先生による基調講演、米子工業高等専門学校の粳間先生による講演、理系分野で活躍する先輩による経験談として4名の女性ロールモデルからのメッセージを公開した。