事業成果

ジェンダー平等が研究とイノベーションの質を上げる

ダイバーシティ推進2021年度更新

輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)

輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)ポスター

第2回の募集ポスター

<女性研究者表彰制度創設>

JSTは、経営戦略のひとつとしてダイバーシティを推進し、その一環として女性研究者の活躍を推進する取り組みを行っている。
 これまでも、研究開発プログラムへの女性研究者の参画を増やすために、女性の応募者を増加させるキャンペーンを実施したり、男女研究者がライフイベントの際にも研究を継続できるよう支援する「出産・子育て・介護支援制度」を実施してきた。しかし、日本における研究者に占める女性の割合は2020年3月31日現在16.9%で世界と比較すると低く、研究開発プログラム等への女性研究者の参画も少ない状況にある。
 そこで2019年度に、女性研究者の活躍を推進する取り組みの一環として、持続的な社会と未来に貢献する優れた研究等を行っている女性研究者及びその活躍を推進している機関を表彰する制度を創設し、2020年度は第2回の表彰を実施した。なお、芦田基金の協力により、副賞100万円の提供をいただいた。
 第2回となる2020年度は4月1日から6月30日までの期間に募集を行った。

<第2回 受賞者>
坂井 南美氏
輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)
坂井 南美氏
理化学研究所 開拓研究本部 坂井星・惑星形成研究室 主任研究員
国立大学法人九州大学
輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)
国立大学法人 群馬大学(学長 平塚 浩士)
深澤 愛子氏
輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)
星野 歩子氏
東京工業大学 生命理工学院 准教授
輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)集合写真
<表彰式&トークセッション>

第2回の表彰式とトークセッションを、2020年11月15日、日本科学未来館にてサイエンスアゴラ2020の一プログラムとして開催し、ライブ配信により多数の方にご視聴いただいた。

表彰式は、特別来賓として山東昭子参議院議長、来賓として大野敬太郎衆議院議員、板倉康洋文部科学省科学技術・学術政策局長を迎えて、また来賓の上川陽子法務大臣からはご祝辞をいただき、副賞等の贈呈及びお祝いのメッセージのためにファッションデザイナーの芦田多恵氏を迎えて執り行われた。JSTから各受賞者に賞状と賞牌を授与し、輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)受賞者の坂井南美氏には副賞として芦田基金から賞金100万円が贈られた。

続くトークセッションは、坂井南美氏、星野歩子氏と群馬大学学長 平塚浩士氏に、高校生2名(東京都立立川高等学校2年 大磯佳苗さんと、豊島岡女子学園高等学校2年 伊藤史織さん)を加えて行われ、質問・意見交換・議論が活発に行われた。

  • 輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞) 坂井南美さん
  • 輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞) 平塚浩士学長
  • 輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞) 星野歩子さん

賞牌には故芦田淳氏が残した言葉を刻んだ。

『信じる道を一筋に進む。たとえそれが「人通りの少ない道」であろうとも。』

受賞者と受賞機関におかれては、賞の名の通り輝きながら信念をもってそれぞれの道を貫いて行かれるよう、更なる活躍が期待される。

ジェンダーサミット10で「東京宣言:架け橋(BRIDGE)」を発表

2017年5月25日、26日、一橋講堂にて「ジェンダーサミット10(GS10)」を開催した。

「ジェンダーサミット(Gender Summit(GS))」はジェンダーの視点を取り入れて研究やイノベーションの質の向上を図ることを目的に、2011年に欧州で発足し、世界各国で開催されている国際会議である。わが国では初めての開催であり、10回目の今回は、JSTの主催、日本学術会議とPortia社の共催で開催された。

「ジェンダーとダイバーシティ推進を通じた科学とイノベーションの向上-Better Research and Innovation through Diversity and Gender Equality-」をテーマとし、日本IBMの浅川智恵子IBMフェロー、香港大学のアンジェラ・リャン教授、京都大学の山極壽一総長による基調講演や、インドの地下鉄工事現場の総監督として活躍する、オリエンタルコンサルタンツインド現地法人の阿部玲子社長の講演など、アジアを中心とした構成で開催。障がいを活かしたイノベーション、儒教と男女の役割の歴史、動物の進化における男女の役割、アジアにおける深刻な問題への女性の貢献、スポーツにおけるジェンダー、男子にとってのジェンダー平等など、多彩なセッションが行われた。

  • GS10の最後に、「東京宣言:架け橋(BRIDGE)」を発表。国連の持続的な開発目標(SDGs)への取り組みとともに今後も力強く科学技術イノベーションを推進することを宣言した。

Gender Summit Tokyo Recommendation: BRIDGE
-Better Research and Innovation through Diversity and Gender Equality-

1.ジェンダー平等は持続可能な社会と人々の幸福に不可欠な要素であり、科学、技術及びイノベーションが人々の生活をどれくらい良いものにできるか、その質を左右する。それは、男女間の機会均等に加え、ジェンダーの科学的理解とジェンダーの差違が科学技術の主要因と捉えられ分析されてこそ社会にイノベーションをもたらし得る。

<ジェンダーと科学技術イノベーションをつなぐ>

2.ジェンダー平等は17あるSDGsすべての実践に組み込まれることが必要であり、科学技術イノベーションと共に歩むジェンダー平等は、SDGsのそれぞれと結びつき、17すべての目標の実現を促す架け橋となる。

<SDGsをつなぐ>

3.SDGsに掲げるジェンダー平等は、社会における多様性、とりわけ、女性や女子、男性や男子、民族や人種、文化等が果たす意味や役割を社会がどのように認識して定義しているか、その関係性を考慮して進める必要がある。それはジェンダー平等2.0として、産業界を含むすべての関係者にとって自らが取り組む持続的課題のひとつとすべきである。

<すべての人をつなぐ>