事業成果

ジェンダー平等が研究とイノベーションの質を上げる

ダイバーシティ推進2022年度更新

輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)

輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)ポスター

第3回の募集ポスター

JSTは、経営戦略のひとつとしてダイバーシティを推進し、その一環として女性研究者の活躍を推進する取り組みを行っている。

これまでも、研究開発プログラムへの女性研究者の参画を増やすために、女性の応募者を増加させるキャンペーンを実施したり、男女研究者がライフイベントの際にも研究を継続できるよう支援する「出産・子育て・介護支援制度」を実施してきた。しかし、日本における研究者に占める女性の割合は毎年増加しているものの、2021年3月31日現在17.5%で世界と比較するとまだ低く、研究開発プログラム等への女性研究者の参画も少ない状況にある。

そこで2019年度に、女性研究者の活躍を推進する取り組みの一環として、持続的な社会と未来に貢献する優れた研究等を行っている女性研究者及びその活躍を推進している機関を表彰する制度を創設し、2021年度は第3回の受賞者発表と表彰式、受賞者によるプレゼンテーションをライブ配信した。なお、芦田基金の協力により、副賞100万円の提供をいただいている。

第4回は2022年4月1日から6月30日に募集を行う。

<第3回 受賞者>
佐々田 槙子氏
輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)
佐々田 槙子氏
東京大学大学院 数理科学研究科 准教授
東海国立大学機構名古屋大学
輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)
東海国立大学機構名古屋大学(総長 松尾 清一)
飯間 麻美氏(左)、神谷 真子氏(右)
輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)
飯間 麻美氏(写真左)
京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構・放射線診断科 助教
神谷 真子氏(写真右)
東京大学大学院 医学系研究科 准教授
図3
第1回から第3回で、7名、3機関が受賞しています。
羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)ポスター

羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)

2021年度、JSTと駐日ポーランド共和国大使館は、日本の女性研究者のより一層の活躍推進に貢献することを目的に、輝く女性研究者賞よりさらに若く、国際的に活躍が期待される女性研究者を表彰する「羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)」を創設した。

JSTは、特に20歳台後半から30歳台前半のライフイベントが想定されると同時に研究者としての活躍が最も期待される期間においても支援の取り組みが必要だと考えている。マリア・スクウォドフスカ=キュリーは、31歳でポロニウム、32歳でラジウムを発見した功績が認められ、後に女性で初めてノーベル賞を受賞、しかも、男女通じて唯一「化学賞」「物理学賞」の2分野で受賞した。本表彰では特にこの年代を対象に、彼女のように世界に羽ばたく若手女性研究者を応援する。

最優秀賞の受賞者には、駐日ポーランド共和国大使館およびポーランド科学アカデミーより、マリアが生まれ育ったポーランドの研究機関等の訪問機会を提供する。ポーランドを入口として欧州の研究開発に触れて多彩な研究者と議論し、今後のキャリア形成や研究者としての国際的な活躍の端緒を開くことを期待する。なお、日本電子(株)の協力により、副賞100万円を提供いただいている。

第1回の受賞者の発表と授賞式は2022年5月に行った。

ジェンダーサミット10で「東京宣言:架け橋(BRIDGE)」を発表

2017年5月25日、26日、一橋講堂にて「ジェンダーサミット10(GS10)」を開催した。

「ジェンダーサミット(Gender Summit(GS))」はジェンダーの視点を取り入れて研究やイノベーションの質の向上を図ることを目的に、2011年に欧州で発足し、世界各国で開催されている国際会議である。わが国では初めての開催であり、10回目の今回は、JSTの主催、日本学術会議とPortia社の共催で開催された。

「ジェンダーとダイバーシティ推進を通じた科学とイノベーションの向上-Better Research and Innovation through Diversity and Gender Equality-」をテーマとし、日本IBMの浅川智恵子IBMフェロー、香港大学のアンジェラ・リャン教授、京都大学の山極壽一総長による基調講演や、インドの地下鉄工事現場の総監督として活躍する、オリエンタルコンサルタンツインド現地法人の阿部玲子社長の講演など、アジアを中心とした構成で開催。障がいを活かしたイノベーション、儒教と男女の役割の歴史、動物の進化における男女の役割、アジアにおける深刻な問題への女性の貢献、スポーツにおけるジェンダー、男子にとってのジェンダー平等など、多彩なセッションが行われた。

  • GS10の最後に、「東京宣言:架け橋(BRIDGE)」を発表。国連の持続的な開発目標(SDGs)への取り組みとともに今後も力強く科学技術イノベーションを推進することを宣言した。

Gender Summit Tokyo Recommendation: BRIDGE
-Better Research and Innovation through Diversity and Gender Equality-

1.ジェンダー平等は持続可能な社会と人々の幸福に不可欠な要素であり、科学、技術及びイノベーションが人々の生活をどれくらい良いものにできるか、その質を左右する。それは、男女間の機会均等に加え、ジェンダーの科学的理解とジェンダーの差違が科学技術の主要因と捉えられ分析されてこそ社会にイノベーションをもたらし得る。

<ジェンダーと科学技術イノベーションをつなぐ>

2.ジェンダー平等は17あるSDGsすべての実践に組み込まれることが必要であり、科学技術イノベーションと共に歩むジェンダー平等は、SDGsのそれぞれと結びつき、17すべての目標の実現を促す架け橋となる。

<SDGsをつなぐ>

3.SDGsに掲げるジェンダー平等は、社会における多様性、とりわけ、女性や女子、男性や男子、民族や人種、文化等が果たす意味や役割を社会がどのように認識して定義しているか、その関係性を考慮して進める必要がある。それはジェンダー平等2.0として、産業界を含むすべての関係者にとって自らが取り組む持続的課題のひとつとすべきである。

<すべての人をつなぐ>