第6回 輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞) 受賞者

輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)

写真:長谷川 恵美さん
長谷川 恵美

京都大学 大学院薬学研究科 准教授

専門分野

生理学、神経科学一般

経歴
・2015年
日本学術振興会特別研究員(PD)
金沢大学 医薬保健研究域 医学系 助教
・2016年
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 助教
・2020年
筑波大学 医学医療系 助教
・2022年
JST さきがけ研究者
・2023年
京都大学 大学院薬学研究科 准教授
受賞歴
・2015年
第13回高安賞最優秀論文賞
・2019年
World Sleep 2019 Young Investigator Award
・2022年
令和4年度筑波大学若手教員奨励賞
・2023年
文部科学大臣表彰(科学技術分野)「若手科学者賞」
・2023年
2023年度日本神経科学学会奨励賞
・2023年
第28回日本睡眠学会睡眠研究奨励賞
受賞理由

 長谷川氏は、睡眠・覚醒を制御する神経細胞や神経回路に関する顕著な研究成果を挙げている。特に、レム睡眠の開始のメカニズムの解明に関する研究業績の独創性と世界的な注目度は非常に高く、情動脱力発作(カタプレキシー)の発症機序の理解にも大きく貢献した。今後の活躍が大変楽しみな若手研究者である。国際共同研究プロジェクトや国際学会に積極的に参加し、異なる文化や学問的背景を持つ研究者との協働の意義を幅広い交流の中で体現している。睡眠障害という人類共通の課題に対して、グローバルな研究を牽引するリーダーとしての役割も今後期待したい。
 研究活動と並行して、一般の方や大学生を対象に、睡眠に関する研究の普及や、理系人材の裾野拡大を目指したアウトリーチ活動や、理系分野のキャリア教育を行っている。学内では、研究現場における女性活躍の推進にも貢献している。

URL

輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン アシダ賞)

画像:日本ロレアル株式会社
日本ロレアル株式会社

(代表取締役社長 ジャン‐ピエール・シャリトン)

受賞理由

 ロレアル財団が掲げる「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている」という信念のもと、日本ロレアル株式会社は約20年の長きにわたり、「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の運営を通じて女性研究者の活躍支援を行っている。また近年においては産学官連携プロジェクトや次世代人材育成など、女性活躍支援活動の拡大・強化が図られている。

 多様性を企業文化に掲げ、女性研究者のキャリア支援や多様な働き方の支援によって、自社の研究所において女性研究者比率59パーセント、管理職比率47パーセントを実現している。また、研究者以外の一般社員も含めて、科学界におけるジェンダーの課題について啓発・学習の機会を提供している。自社の本業を磨き上げるために努力することが、結果として女性の登用やキャリア・働き方の多様化につながる、という取り組みの思想は、ダイバーシティ推進の最も理想的な形の1つであり、他機関のモデルとなる。

URL

輝く女性研究者賞(科学技術振興機構理事長賞)

写真:永塚 尚子さん
永塚 尚子

海洋研究開発機構 地球環境部門 地球表層システム研究センター
海洋生態系研究グループ 副主任研究員

専門分野

地球科学、雪氷学

経歴
・2013年
国立極地研究所 日本学術振興会特別研究員(PD)
・2014年
国立極地研究所 北極観測センター/気水圏研究グループ 特任研究員
・2016年
国立極地研究所 日本学術振興会特別研究員(PD)
・2019年
国立極地研究所 気水圏研究グループ 特任研究員
・2022年
国立極地研究所 日本学術振興会特別研究員(RPD)
・2024年
海洋研究開発機構 地球環境部門 地球表層システム研究センター 海洋生態系研究グループ 副主任研究員
受賞歴
・2008年
日本雪氷学会 雪氷研究大会 Very Impressive Presentation 最優秀発表賞
・2012年
日本雪氷学会 雪氷研究大会 学生奨励賞 優秀賞
・2012年
日本雪氷学会 学会賞(論文賞)
・2015年
平成26年度中谷宇吉郎科学奨励賞
・2018年
日本雪氷学会 学会賞(平田賞)
受賞理由

 永塚氏は、北極や南極などの極域や高山域における氷河・氷床の融解を引き起こす要因として、鉱物や微生物というミクロな不純物の動態に着目し、近年の地球規模での気候・環境変動の解明に果敢に挑戦している。さまざまなスケールで地球全体をとらえる視野はユニークである。国際共同研究では、金属元素の同位体比分析を始めとする高度な分析技術を基に挑戦的な研究を主導し、当該分野をけん引する研究者として活躍している。

 ユニークな研究活動に加えて、雪氷・地球科学研究に関する知見の共有やアウトリーチ活動も行い、また、高度な分析技術をもって後進研究者の育成にも力を注いでいる。社会的な役割を積極的に果たそうとする次世代リーダーのロールモデルである。

URL

賞の概要はこちらをご覧ください