内閣府 文部科学省 経済産業省 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
「理系で広がる私の未来」は、理系選択の先にどんな未来があるのか、女子中高生とその保護者・教員の皆さんに「理系選択の未来」を知っていただく企画です。様々な分野で活躍する理系出身者からメッセージをいただき、多様で豊かな理工系女子の未来を動画公開セミナーとしてご紹介します。
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行木 陽子
中央大学 特任教授
NPO法人 日本女性技術者フォーラム 理事長
栃木県出身。大学では社会学を専攻し日本IBMに入社後研修を受けてITエンジニアになりました。そんな私が同社で技術理事に就任し、グローバルのメンバーと共に最先端のテクノロジーを活用したDX(デジタル・トランスフォーメーション)分野を牽引。大学では、AI/データサイエンス講座や産学連携のビジネスプロジェクト講座を担当しています。社会人になってから情報工学の修士、大学に移ってから高齢化社会における情報格差の研究を進め博士の学位を取得しました。
音声認識技術を使ったコールセンター構築プロジェクトに参画し、「この技術を使えばコンピュータに画期的なユーザーインタフェースを実装できる!」と確信し、会社の制度を利用して働きながら大学院で情報工学を学び音声認識・話者照合の研究を行う決断をしました。
自分の夢や目標を叶えるためには、時には自分が心地よいと感じる「コンフォート・ゾーン」から一歩踏み出すことも必要です。岐路に立った時、迷ったときには ”Step out of your comfort zone” この言葉を思い出してください。
砂川 玄志郎
国立研究開発法人 理化学研究所
生命機能科学研究センター
冬眠生物学研究チーム チームリーダー
1976年福岡生まれ。2001年から小児科医として勤務。冬眠するサルの存在を知り、ヒトを冬眠させれば多くの命が助かることに気づき、2006年から研究者の道へ。大学院と研究員時代を含めて約10年間、哺乳類の睡眠研究を行う。2015年から網膜再生医療研究開発プロジェクトにて冬眠研究を始める。2022年から生命機能科学研究センター 冬眠生物学研究チームを主宰。人間を冬眠させるための研究開発を行っている。
高校時代に理系を選んだのは、将来の仕事を考えたときに、理系のほうが選択肢が多いと思ったからです。今、思うと、別に文系を選んでいても、必要になったら理系の勉強をしたと思いますが。
自分が何に興味があるかを判断することが重要です。面白いと感じる分野に理系の技能が必要であれば、理系の勉強をしたら良いです。現時点で面白いものがなければ、まずは理系を選んでおけば損はないと思います。
木邑 真理子
金沢大学 理工研究域
先端宇宙理工学研究センター 助教
2015年、京都大学理学部卒。同大学院理学研究科に進学し、修士課程および博士課程を修了。専門は宇宙物理学・天文学で、ある日突然明るく輝く突発天体の研究を行っている。学生時代は主に可視光観測を行っていたが、2020年、理化学研究所の基礎科学特別研究員に着任してからは、X線観測にも注力する。2023年、金沢大学にテニュアトラック助教として着任。これまでの研究を活かし、多波長観測による研究を推進している。
中学生の時から物理が好きでしたが、高校生の時、小林先生、益川先生、南部先生のノーベル物理学賞受賞のニュースをテレビで見て、物理への興味がより深まりました。色々調べていくうちに、宇宙物理学が面白そうだと思い、現在の分野を選びました。
理系と一口に言っても、様々な分野があり、その進学先や就職先も広いものです。理系・文系といったカテゴリに捉われすぎず、興味のある分野へ進学し、好きなことを仕事にしてほしいなと思います。
田中 亜実
立命館大学
理工学部 電子情報工学科 准教授
立命館高校(スーパーサイエンスプログラム1期生)を卒業。立命館大学理工学部を卒業後、同大学大学院で博士前期課程を修了。その後、同大学大学院の博士後期課程に進学し、博士(工学)を取得。立命館大学理工学部電子情報工学科の特任助教、講師を経て、2023年より立命館大学理工学部電子情報工学科の准教授。身の回りのわずかなエネルギーを電力に変換して活用するセンサシステムの構築に関する研究に従事。
幼少期から「モノづくり」が好きで、小中学生の頃の好きな科目は算数・数学、理科、技術など。何か難しいものにチャレンジしたい、人とは違った工夫を取り入れたいというこだわりから、将来は何か新しくて面白いモノを生み出したいと考えていました。
自分の好きなことや興味があることなど、自分が感じたことを大切にしてください。そして、話を聴いたり体験したりする機会があれば、挑戦してみてください。また、本を探して読んでみてください。様々な人や本に出会うことで、自分の世界が広がります。
武島 侑里
南海電気鉄道株式会社
公共交通グループ 鉄道事業本部
えきまち計画推進部
1996年生まれ奈良育ち。大阪市立大学工学部都市学科で、まちづくりを中心に建築や土木を学び、よりまちづくりへの理解を深めるため、同大学の大学院(都市計画研究室)へ進学。趣味のカメラを活かしながら、まちづくりに関する研究論文やプロジェクト活動に取り組む。
まちづくりと強い繋がりがある鉄道会社で、沿線をより魅力的にデザインする仕事がしたいと南海電鉄に入社し、建築担当として駅のリニューアルなどを担当している。
得意な理系科目と苦手な文系科目の差が大きく、高校では自然と理系の道へ進みました。高校3年生の頃、小さい頃から興味があった【まちや建築をデザインする】勉強が理系でできると知り、今に繋がっています。
好きなことや何にやりがいを感じるか、自分自身の中にある純粋な興味に目を向けることが将来を決めるきっかけになるかもしれません。私の研究や仕事の話が、少しでも参考になれば嬉しいです!
金子 明香里
BIPROGY株式会社 市場開発本部
データ&AIサービス部 Rinzaサービス室
大学は法学部で、卒業後は営業・事務職を3年程度経験し、その後IT業界へ移りました。IT業界では10年程度仕事を続けていますが、ずっとモバイル通信の無線部分を担当しています。モバイル通信は3GPPと呼ばれる国際的な規格に則って動いていますので、それをしっかり理解して正常に端末が動く様にする事、異なった動きをしていないかを判断する事が私の仕事です。
営業・事務職の時に業務を効率化したくてエクセルのVBAにふれた事がきっかけです。何もわからない状況でしたが、制作の過程を楽しめた事、また成果をあげられた事が大きく影響し、IT業界へ転身しました。
動画をご覧いただき、ありがとうございます。私は文系出身でIT業界に進みましたが、やりたいという気持ちがあれば、どのタイミングからでも遅くはないと思っています。これからの参考にしていただければ幸いです。