出産・子育て・介護支援制度
-ライフイベント(出産・育児・介護)と研究開発の両立を支援-

1.目的及び趣旨

JSTでは男女共同参画推進の取り組みの一環として出産・子育て・介護支援制度を実施しています。本制度は研究者(項目4.を参照)が、ライフイベント(出産・育児・介護)に際し研究開発を継続できること、また研究を一時中断せざるを得ない場合は、研究開発に復帰した時点からのキャリア継続を図ることができることを目的としています。
この制度は、ライフイベントに際した研究者がJSTの研究開発を継続できる手段を講じることで、研究開発課題等の円滑な推進を図り、もって研究者のキャリア形成及び男女共同参画を推進するためのものです。

2.対象事業

  • 戦略的創造研究推進事業
  • 研究成果展開事業
    (研究成果最適展開支援プログラム実装支援 返済型、研究成果最適展開支援プログラム企業主体 返済型、研究成果最適展開支援プログラム企業主導フェーズ NexTEP-Aタイプ及び大学発新産業創出プログラムプロジェクト推進型 SBIRフェーズ1支援を除く。)
  • 大学発新産業創出基金事業
  • 未来社会創造事業
  • 低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業
  • 革新的GX技術創出事業(GteX)
  • 社会技術研究開発事業
  • 創発的研究支援事業
  • ムーンショット型研究開発事業
  • 先端国際共同研究推進事業
  • 日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業
  • 国際科学技術共同研究推進事業
  • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想先行国際共同研究事業
  • 経済安全保障重要技術育成プログラム
  • ライフサイエンスデータベース統合推進事業
  • ※JST事業の研究開発費(間接経費を除く)により研究員等として専従雇用されている研究者が対象です。
    JST内の複数事業を併せてエフォート100%となる場合も、本制度の適用対象となります。

3.内容

ライフイベントが発生した際に申請・審査を経て、当該研究員による研究開発の促進又は負担軽減に資する研究開発費を、研究開発課題等に支給します。

  • *支給額…基準額30万円に支援月数を乗じた額を上限とし、間接経費を加えて支給します
  • *使途…当該研究員が研究開発/キャリアを継続するにあたり必要なもの
    ※当該研究員の負担軽減に資することが不明瞭な消耗品などは除く。
  • *支援期間…本制度が適用になった日から2027年3月末日まで
    ※支援対象者の参加研究開発課題等の終了日・雇用契約期間終了日のいずれかが、上記期間より前の場合、最も早い日が支援終了日となります。
    ※ライフイベントの事由が喪失した場合、その時点をもって支援終了とします。
    ※支援期間終了後、引き続き支援が必要な場合は次年度募集の際に再申請可能です。

<使途の例>

下記使途は、ライフイベントに直面した研究者の研究継続に不可欠な支援と認められます。

  • - 研究開発継続のために必要な研究設備の導入
  • - 時短勤務のため実施できない業務の外注
  • - 研究機関での研究員や技術補佐員などの研究支援スタッフの雇用
  • - 学会・研究会等へ参加するため臨時的に要する託児費用(研究開発機関が研究遂行上の必要性を認める場合)
  • - 学会・研究会等出張の際の子の帯同旅費(研究開発機関が研究遂行上の必要性を認める場合)

<認められない使途の例>

下記使途は、誰もが日常生活の中で予測し当然に準備すべき生活費や、研究代表者がライフイベントに直面した研究者の有無にかかわらず研究計画の段階で予め計上しておくべき費用であるため、ライフイベントに直面した研究者の研究継続に不可欠な支援と認められません。

  • - 定常的に利用する託児所の費用
  • - 子供の養育や介護の負担を軽減するための家電や家財の購入
  • - 研究に元来必要で、本予算に計上すべきと思われる費用

ライフイベントに直面した人がそれによって生じる様々な困難を克服するための支援には、様々な創意工夫が必要です。上記使途に限定するものではありません。ご判断に迷われた場合は事業担当窓口にご相談下さい。

4.支援対象者の要件

次の要件①②両方を満たす方

  • ①支援対象期間内にJST事業の研究開発費(間接経費を除く)により、研究員等として専従雇用されている、もしくは申請時に支援対象期間の専従雇用が確定している研究者。
  • ② 育児または介護(※1)に従事するため、これまでどおりの研究開発活動を継続することが困難になった者(育児の期間は妊娠中を含め、子が9歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで)。
    ※1介護とは、対象家族(配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母)が、負傷・疾病・障害等により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある場合に、その家族を支援することを指します。この「常時介護を必要とする状態」には、障害児・者や医療的ケア児・者を介護・支援する場合も含まれます。具体的な判断基準は、厚生労働省「常時介護を必要とする状態に関する判断基準(R7.4月~)」pdfをご参照ください。
    - 妊娠中の場合、出産後も引き続き研究開発課題等に復帰、研究開発活動を継続することが前提です。
    - 育児・介護休業または休職期間中は「研究開発活動の継続」から外れるため対象外となります。
    - 研究代表者・主たる共同研究者については、本支援の対象外となります。研究代表者・主たる共同研究者に向けたライフイベント支援については、ウェブサイト「研究代表者・主たる共同研究者のライフイベント支援」をご確認ください。

5.申請手続

  • 提出書類(下記①②③全て)
    • 申請書
    • ライフイベントに関する証明書
      • 妊娠・出産…母子手帳の写し(表紙)もしくは医師の診断書など妊娠が確認できるもの
      • 育児…母子手帳の写し(表紙と「子の保護者」・「出生届出済証明」ページ)または出生証明書(生年月日が証明できるもの)等
      • 在宅介護…要介護状態の事実を示すもの
      • 入院介護…診断書※病状と治療期間が記載されたもの
    • 雇用契約書の写し等、研究開発機関と支援対象者との雇用関係が証明できる書類
      ※本制度の支援期間中の雇用を証明するものであること。
      ※新規雇用で申請時に雇用証明の準備が整わない場合は予めご相談ください。

6.審査

申請内容をJSTにて審査し決定します。審査にあたり、必要に応じて追加情報の提供をお願いする場合があります。

7.支援決定以降

  • 当該支援制度による研究開発費の支給は各研究開発機関との契約手続きが整い次第とします。
  • 当該支援制度による研究開発費は、委託研究開発費の中でガイドラインに沿って適正な執行をお願いします。
  • ライフイベントの喪失等、申請時の情報に変更が生じた場合は、判明し次第、事情の変更の報告のための様式にて、速やかにご連絡をお願いします。
  • 研究開発代表者や支援対象者に対し、アンケートをお願いする場合があります。
  • 支援終了日において当該支援制度による研究開発費に残額がある場合の取り扱いについては、別紙「出産・子育て・介護支援制度による研究開発費に残額がある場合の取扱いについて」を参照ください。

8.その他

  • 審査結果は研究開発代表者に通知します。
  • 申請書類に含まれる個人情報についてはJSTの「個人情報保護規則」に基づき厳重に管理し、業務遂行のために利用します。
  • 申請書や事情変更等に虚偽がある又は必要事項を申告若しくは報告していないと認められた場合は、必要に応じて返還等を求めます。また、虚偽の申請を行った者は、「競争的研究費の適正な執行に関する指針(令和3年12月17日改正 競争的研究費に関する関係府省連絡会申し合わせ。以降の改正を含む。)」および「国立研究開発法人 科学技術振興機構「研究活動における不正行為等への対応に関する規則」(平成27年規則第12号)」に基づき公的研究費の申請資格を一定期間喪失します。
  • 当該支援制度は各事業の予算で賄われているため、事業予算の状況等により、ご希望に添えない場合があります。予めご了承ください。

9.問い合わせ先

本件についてご質問等がございましたら各事業担当までご連絡ください。