プロジェクト紹介

イノベーションを支えるデータ倫理規範の形成

研究代表者

プログラムアドバイザー:横野 恵
横野 恵
早稲田大学 社会科学部 准教授

プロジェクトの目標

本プロジェクトでは、データ利用を通じたイノベーションの創出を支えるためのデータ倫理規範およびそれに基づくガバナンスのあり方を検討・提案する。それにより以下のことを目指す。

プロジェクト終了時の目標
① 今後のデータ利活用に関わる政策形成において必要とされるデータ倫理の基礎の提供
② データを利用する事業者やその団体等がデータ倫理に関する行動指針の策定やガバナンス体制整備等の自主的取り組みを行うための学術的基盤の整備
③ データ倫理の国内における学問的基礎の形成と若手研究者の育成

10年程度の長期的な目標
① 実効性のあるデータガバナンス体制の構築による社会環境整備、ひいては責任あるイノベーションの促進に学術的に寄与すること
② 応用倫理学の一分野としてのデータ倫理とその担い手の確立

プロジェクトの概要

現在、あらゆる分野で大量のデジタルでデータを流通させ、利活用してイノベーションを創出することが期待されている。一方で、データ利用の拡大に伴い、データ利用における倫理的・社会的問題も顕在化しつつある。データを利用する側には、単なるコンプライアンス(法令遵守)にとどまらない倫理的・社会的配慮と責任あるデータ利用が求められている。諸外国ではすでにこうした課題への政策的・実務的な取り組みが実施されつつある。

本プロジェクトでは、1)データ倫理に関する学問的基礎の形成、すなわち体系的な倫理理論の構築と関連する情報の集約、人材の育成を行う。実際には国内の現状及び課題の把握と分析をするため、質問紙調査、ワークショップ、インタビューを実施する。国際的な議論状況や諸外国での取り組みについては、文献調査やインタビューにより実施する予定である。これらの結果を基に、2)倫理のフレームワーク、すなわち倫理規範とデータガバナンスモデルの提案を主な目的としている。

これまでの経験から、倫理に関わるルールや規範が時代にあわせて発展しつつ機能していくためには、学問的基盤に基づくフレームワークと担い手となる人が必要であると考えている。
今後データの利活用が飛躍的に増加し、新たな倫理的課題が絶えず生み出されるであろうこと、また現状では国内での取り組みが乏しいことを考えると、これからの数年間はその点に集中的に取り組むべき時機であり、その機会を逃してしまうと、国内での議論の基盤をつくることは難しいであろうという危機感をもって本計画を立てた。
「倫理はその欠如態においていっそうあらわになる」と言われている。それは倫理が無い時こそ、倫理が必要とされる。
データのもつ意味が大きく変わりつつあり、私たちはこれまでに経験していない、それゆえにいまだ指針のない倫理的問題に直面している。倫理理論や原則を探求することが有益と考える。


プロジェクトイメージ

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