プログラムについて

研究推進委員:黒河 昭雄

プロフィール

研究推進委員:黒河 昭雄
所属・役職
神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科 講師

経歴等
東京大学公共政策大学院修了。東京大学政策ビジョン研究センター、明治大学国際総合研究所等にて医療政策、医療イノベーション政策に関する調査研究に従事したのち、2016年8月からJST-RISTEXにてアソシエイト・フェローとして科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」プログラムを担当。その後2019年4月からは、神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センターにて研究員(シニアマネージャー)を務める。
そのほか、JST-RISTEX研究推進員や政策研究大学院大学客員研究員等を務めるほか、神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科、成城大学社会イノベーション学部、早稲田大学ビジネススクールなどで非常勤講師も務める。

プログラムへの期待

本プログラムが取り組む「社会実装」は政策形成への実装、すなわち「政策実装」ということになります。実装の対象が主として行政組織をはじめとする公的な営みであり、その活動のあり方の一部に何らかの変更を加えようとするものともなれば、こうした試みが極めて難易度の高い挑戦であることは想像に難くありません。

では、我々はどのようにすれば現実の政策形成に成果を展開していくことができるのでしょうか。実際のところ、これまでに本プログラムで採択されてきた様々な研究開発プロジェクトが悪戦苦闘を重ねてきたその歴史と実績が示しているように、その問いに対する明確な解法は存在していません。明確な基準やプロセス、モデルなどが存在していないなかで、研究開発プロジェクトがそれぞれの創造力と工夫の限りを凝らし、何とか政策形成の実践に結びつけていこうとする、その過程で生まれる成功および失敗に関する様々な知見こそが本プログラムにおける重大な財産であると考えます。

COVID-19をめぐる政策形成過程においては、政策と科学、政治と科学の関係性をめぐり様々な課題が浮き彫りになりました。学術的に優れた評価が得られていることや科学者・専門家の間でコンセンサスが得られていることが、すなわち現実の政策形成に結びつくわけではないということを我々は目の当たりにしました。創出された研究開発成果や科学的知見がどのように伝達されれば、その意義や重要性が政策担当者に的確に認知され、組織的に受容されうるのか、政策形成過程において科学的知見が活用される条件について我々は今こそ解き明かしていく必要があります。

研究開発プロジェクトの皆さんと伴走させていただきながら、その答えを一緒に探していければ幸いです。

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