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プロジェクト現場から

「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」 第1回国際ワークショップ
~科学技術イノベーション政策に寄与する研究開発プログラムをめざして~(2012年12月12日)
開催報告

 「科学技術イノベーション政策のための科学」では、研究開発活動の成果が政策のためにいかに寄与するかがポイントです。公募プログラムの採択においても、その点が採択基準になるばかりでなく、採択された後の研究開発活動においても、さらに政策のために資する成果になっていくように意図されています。 今回は、プログラム全体が「科学技術イノベーション政策のための科学」という意味でより良い方向へ向かうように、海外からのアドバイスを受ける目的で、国際ワークショップを開催しました。(当日のプログラム

 Prof. Andrew Stirling(SPRU, University of Sussex)とDr. Martha Russell(Executive Director, Media X, Stanford University)に参加いただき、プロジェクトやプログラム全体の成果、今後取り組むべき課題などについて議論を行いました。



Prof. Andrew Stirling

Dr. Martha Russell


プロジェクト実施者、関係機関など40名余りの方に議論に参加いただきました


 議論に先立ち、森田総括からプログラムの取り組みを紹介するとともに、話題提供として、長岡教授(一橋大学)松浦准教授(東京大学) からそれぞれのプロジェクトの構想や途中成果について発表頂きました。

 長岡教授からの発表に対しては、制度やイノベーションのエコシステム全体を視野に入れた検討、そして経済的なインパクトの分析が今後の研究において進展することへの期待が示されました。また、松浦准教授の取り組みに対しては、構想や関与する人材の今後の活躍について期待が示されるとともに、政策決定のpower dynamicsとの関係や政策プロセスの中にどのように埋め込んでいくのか、といった観点での課題が投げかけられました。

 その後の本プログラム全体に関する議論では、多様なステークホルダーとの連携を図りながら、プログラム全体として社会の中で担おうとする役割を明確にして発信していく必要性、そして“政策のためのエビデンス”という枠や目標の内に縛られすぎず、より大きなシステムとそのダイナミクスについても視野に入れることによって、成果の可能性をひろげられるのではないか、といったコメントが示されました。また、異分野の協働については、新しい評価軸の必要性や学生の交流を起点とした協働の促進など、参加者の経験に基づく具体的な助言がなされました。

 最後に、今後期待されるプロジェクトについて、参加者からの提案や議論が行われ、海外アドバイザーからも新たな視点を提供いただきました。今後、本ワークショップでの議論を踏まえて、プログラムの運営や新規のプロジェクト募集の準備を進めていきます。また、プロジェクトあるいはプログラム全体が、より有効な成果を創出していけるよう、海外からの助言や講評を受ける機会を設けていきたいと考えています。

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