科学とジャーナリズム

科学とジャーナリズム

一般の社会に科学技術を伝えることのむずかしさは、以前から指摘されていました。科学者はジャーナリストに対して「わかりやすく伝えることだけを優先して、厳密さを重視する科学技術をないがしろにしている」と、ジャーナリストは科学者に対して「どうしてもっとわかりやすく話してくれないか」と、お互いに不満を感じているという現状があります。これは、すっきり解決するのがむずかしい問題です。
また科学技術の安全性に関して社会で議論がおこなわれる時、反対か賛成か、安全か危険かという単純な分類におちいり、視野の狭い、感情的な対立になってしまうことがしばしばあります。新聞や本やネットなどには、科学に関する正確で質の高い情報が豊富にあるものの、それを整理し、社会に役立つ議論へと発展させていく仕組みが不足しているということが言えそうです。
ジャーナリストが社会に対してどのような情報を提供していくのかは、議論に大きな影響を与えます。しかし、限られた時間の中でジャーナリストが、すべての科学者の主張を正確に理解し、どういう点で意見が分かれているかをつかむのは、とても大変な作業です。この手助けをするのが、このプロジェクトで設立・運営する「サイエンス・メディア・センター」なのです。

2012年9月30日をもちまして、領域の活動は終了致しました。