「公共コミュニケーション」をする議論の場をプロデュース

「公共コミュニケーション」をする議論の場をプロデュース

このプロジェクトでテーマの1つとしたのは再生医療です。これまで治らなかった病気を治したり症状を軽減できる可能性があるとして、注目を集めている研究分野です。一方で、医療という目的を超えて、生命に対する考え方そのものに影響を及ぼす可能性もあるため、研究が進みすぎることに対して懸念を表明する人もいます。このような、大きなメリットをもたらす一方で何らかのリスクがありそうな科学技術をどのように使っていくか、意見の対立を乗り越えて社会全体で決めるための議論を、公共コミュニケーションといいます。
公共コミュニケーションの場では、できるかぎりかたよりのない情報に基づいて、多くの立場の人が参加することが大切です。また、主催者や一部の参加者によって誘導されることなく、すべての参加者の意見が誠実に検討されることが望まれます。そのために、開催する場所や日時、プログラムの組み方、参加者の人選など、気をつけなくてはならないことが多くあります。
このプロジェクトでは、メンバーが経験してきた実践例を活かしながら、主催者や参加者と一緒に議論の場を作るプロデューサー的な役割を担ってきました。そして「議論に必要な専門情報は、どのくらいの分量、どのくらいの詳しさが適切か」「議論の結果をどのようにとりまとめ、発信するのか」「結果をどのように政策づくりにつなげるか」などについて、研究を進めました。

2012年9月30日をもちまして、領域の活動は終了致しました。