アメリカの政治と科学
ゆがめられる「真実」
マイケル・ガフ/編著
菅原努/監訳
昭和堂 2007年
現代における政治と科学の密接な関係を、如実に示す書。実際に、主にアメリカ政府の施策について、研究者が自らの経験をさらけ出しつつ、科学に対する政治的介入の実例が、がんや原子力、ダイオキシンなどのケースで示されている。科学が日本語副題にあるようにどのように"ゆがめられる「真実」"へなっていくか、政治的判断が科学的事実を左右してしまいうる社会構造を知り、科学と政治の望ましい関係を考える上で貴重な書。
(渡部潤一:国立天文台天文情報センター 教授)