1. ホーム
  2. プロジェクト紹介
  3. アプリを活用した発達障害青年成人の生活支援モデルの確立

研究開発成果の定着に向けた取り組み アプリを活用した発達障害青年成人の
生活支援モデルの確立

辻井 正次 中京大学 現代社会学部 教授

概要

これまで、アプリ『ライフログクリエーター』を開発し、発達障害などの成人当事者の地域での日常生活や余暇を支える仕組みの構築に取り組んできました。この成果をもとに、当事者と支援者のためのマニュアルを整備するとともに、普及と人材育成のための研修会、データを利活用する仕組みづくりなどを行ってきました。アスペ・エルデの会を中心に、定着支援のなかで築かれた全国での実装体制や支援ユーザー会を活用しながら、全国でアプリを周知し、より多くの事業者に参加してもらって事業を行っていく予定です。

事業の目的

発達障害成人当事者が仕事をしながら、地域のなかで仲間たちと余暇を楽しみ、必要な支援を利用することができるようにすることが求められる。特に軽度の知的障害や発達障害者は見てわからない障害であるために、十分な支援に結びにくく、社会的な不適応状況に至ることが稀ではない。そうしたことを予防し、仲間との楽しい地域生活を創出することが目的となる。

事業内容

1)アプリを継続的に運用し、成人障害当事者たちが、仲間と共通の興味や趣味でつながり、楽しい地域生活を送れるように、イベントへの参加や企画の仕方などをアプリの利用を通して教えていく。自分たちで主体的に地域生活を構築できるスキルと必要な支援を利用するスキルを身に着けてもらう。

2)支援者が、支援者評価として成人障害当事者の状態像を把握し、本人評価と比較していく中で、支援者が支援計画を立案し、課題を障害当事者と共有しながら支援を行える仕組みを提供する。支援情報について蓄積されたものは、データベースとして、必要な知見や支援手法を自動的に提示できる仕組みの開発を想定している。

3)上記の2)の仕組みは、成人障害当事者の支援に慣れていない初心の支援者にとっては、アプリを活用していくことで支援手法を学ぶ機会となり、虐待などの不適切な対応を予防し、適切な支援を身に着けることにつながる。

実施体制

今後、アスペ・エルデの会のなかにICT部門を立ち上げ、他の開発中のアプリとともに、運用を行っていく。また、今回の社会実装のための定着支援のなかで開発できた全国での実装体制や支援ユーザー会を活用しながら、全国でアプリを周知し、より多くの事業者に参加してもらって事業を行っていく予定である。

目指す社会の姿/今後の課題

支援が必要な成人障害当事者が、従来型の福祉制度では支援しきれず、支援ニーズが把握されにくい状況にあるものを、当事者自身がアプリを利用することで、個人の支援ニーズという個人情報を安全に活用し、支援につながっていく仕組みを作るということは、公と私の狭間を埋める意義を持ったものと考えられます。
全国どこであっても、発達障害などのある成人当事者が、アプリを通して緩やかに支援者や仲間とつながって、地域で安心して暮らしていけるようになることを目指します。

問い合わせ先

特定非営利活動法人アスペ・エルデの会
lifelogkanri[at]as-japan.jp
chukyo.tj.lab[at]gmail.com
※[at]は@に置き換えてください。