1. ホーム
  2. プロジェクト紹介
  3. トラウマへの気づきを高める“人‐地域‐社会”によるケアシステムの構築

研究開発成果の定着に向けた取り組み トラウマへの気づきを高める
“人‐地域‐社会”によるケアシステムの構築

大岡 由佳 武庫川女子大学短期大学部 心理・人間関係学科 准教授

概要

これまで、虐待や暴力などの被害者が持つ心身の影響について知識に基づいた援助(トラウマ・インフォームド・ケア TIC)をどう地域・社会が認識し、連携していくかをテーマに研究開発を行ってきました。この成果をもとに、人材育成と、その育成された者たちが活躍できる地域実践(被害者支援連携事業)の展開を行ってきました。人材育成ではオンライン講座の開設にて全国の様々な市民を集約し、地域実践では実際にトラウマやトラウマインフォームドな被害者支援を学ぶシンポジウムを複数開催する中で、被害者支援への関心が高まりました。それらの成果を学んだ受講生らが、今、日本の各地で支援組織として産声をあげようとしています。

事業の目的

トラウマ(こころのケガ)やトラウマインフォームドケア(TIC)の考えは、誰にとっても優しい社会であり、希望が持てる社会になると考えている。そのトラウマインフォームドな発想を社会に広めることをその目的とする。

事業内容

社会で定着することを目指すべく、研究開発後も実践を行える受け皿として一般社団法人TICC“こころのケガを癒やすコミュニティ事業”を立ち上げ、その事業体を母体として、オンライン講座を提供し、その講座を受けた者達の実践の場として、被害者支援連携事業を実施する。

実施体制

成果定着は武庫川女子大学(研究代表者)と兵庫県立尼崎総合医療センター(協働実施者)が担ってきたが、今後は一般社団法人TICCを母体とし、様々な関係者と協働して事業を実施する。

目指す社会の姿/今後の課題

トラウマ(こころのケガ)を負った人がいたとき、こころのケガについて十分な知識を持って支援/関与できる人・地域・社会の中で、当事者が人と人のつながりの中で回復できる社会を目指して、トラウマインフォームドケア(TIC)の実践と普及に多職種・他領域と協働しながら取り組んできました。この研究開発によって、安全・安心で信頼感のある暮らしが保証され、人の尊厳が守られるトラウマインフォームドな社会づくりの一助になったと確信しています。今後もトラウマインフォームドなケアとコミュニティを育むことで、人々が躊躇わずに“助けて”とSOSを出せて、当事者のそのSOSに支援者が気づき、受け止め、適切に対応ができる社会を目指します。

問い合わせ先

一般社団法人TICC
jtraumainformed[at]gmail.com ※[at]は@に置き換えてください。