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  3. アプリを活用した発達障害青年成人の生活支援モデルの確立
写真:辻井 正次

辻井 正次中京大学
現代社会学部 教授

発達障害成人をサポートするアプリ開発

発達障害等の成人当事者が支援を受けながら地域社会の中で暮らせる仕組みが求められています。彼らの日常生活や余暇に仲間とつながることをサポートするアプリを開発しました。

概要

発達障害や軽度の知的障害のある成人の場合、地域社会の中で必要な支援を受けながら暮らそうとしても、支援が途切れて、結果的に精神疾患を併存して仕事が続けられることが少なくありません。「親亡き後」の支援体制構築に向けて、アプリを通じたちょっとしたつながりを維持できる仕組みが求められています。 このプロジェクトでは、アプリ『ライフログクリエーター』を開発し、彼らの地域生活をサポートしていきます。自分の状態を把握し、支援者と状態を把握しあっていく生活チェック機能と、アプリを通して余暇に仲間とつながっていくイベント機能をもっており、支援機関ごとで利用することができます。アプリを通して発達障害等の成人当事者の支援手法に関しても支援者が学べる仕組みを含んでいます。

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研究開発の成果

アプリ『ライフログクリエーター』を開発し、発達障害等の成人当事者の地域での日常生活や余暇を支える仕組みの構築に取り組んできました。全国の当事者団体等の協力のもとで、実際にアプリを利用してもらい、当事者自身が自己評定をしていくのと同時に、支援者(家族も含む)が評定とのずれを利用して支援をしながら、より安定した暮らしに向けた取り組みを進めています。アプリの中でビデオチャットを活用した相談も可能です。また、仲間との余暇のつながりをアプリのイベント機能を使って作ることができ、共通の関心のある仲間と支援者のサポートを受けつつ楽しむことができます。現在、50ヶ所ほどの事業所で利用され、利用している事業所の勉強会等を構築して、その人に応じた地域での暮らしの支援を支えようとしています。

研究開発のアピールポイント

発達障害等の成人当事者の地域での暮らしを支えるアプリを開発

発達障害等の成人当事者の地域での生活をチェックし、安定した暮らしを創ることを支援します。メンタルヘルスを把握したり、妥当性のある支援者評価も同時に実施することで、気を付けるポイントがわかり、一人暮らし等の日常生活を緩やかに支えます。アプリを通したオンラインや実際の取り組みを行っていくことで、地域の中での余暇を楽しめるようになります。アプリで把握した支援ニーズをさらにとりまとめ、想定される課題への対応手法の参考例を支援者がアプリ上で把握できるよう、社会実装を進めています。

成果の活用場面

一人暮らしを目指していた発達障害のある成人です。片付けがものすごく苦手だったのですが、アプリ『ライフログクリエーター』の生活チェックを定期的にやる中で、支援者と片付け方について話し合いをすることができ、ゴミ出し等を意識するようになり、そうした中で、一人暮らしに向けて進むことができました。
また、別の方で、コロナ禍で余暇のスケジュールがなくなってしまった中、アプリのイベント機能を使うと、定例のオンライン・イベントがあることで安心し、日常の仕事にもリズムを持って取り組めました。

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成果の担い手・受益者の声

担い手
生活支援を行っている障害者福祉事業所では、生活支援を密に行っている期間で安定して、一人暮らしに出てしまうと、その後、地域の支援等も安定しているということで支援が途切れてしまって、次の相談に来た時には失職し経済的に困っていることがありました。このアプリを活用していくことで、その後の様子について、うっすらつながりつつ取り組めることができているのが助かっています。(障害者福祉事務所の職員)
受益者
アスペ・エルデの会でアプリ『ライフログクリエーター』を使っています。生活チェックで自分の状態を時々確認できるのは安心できるし、余暇の遊びの予定を確認して、自分が行きたいものに参加したり、イベントについてチャットで相談したりできるのは楽しいです。また、イベントに参加できない日も、他のメンバーがアプリの写真で様子をUPしてくれているので、楽しめます。(アプリの利用者)

目指す社会の姿/今後の課題

発達障害等の成人当事者の場合、「見てわからない」ために、ほんのちょっとの理解と配慮(合理的配慮)があれば地域の中で仕事を持ち、暮らしていくことができますが、現状ではそれが難しい状況にあります。アプリ『ライフログクリエーター』が活用されることで、当事者自身が自分の状態を把握したり、安定した生活を創る手がかりを得たりしながら、支援者と緩やかにつながることができ、また、余暇の中で孤立せずに共通の興味のある仲間とつながることが可能になります。そのためにも、支援者が発達障害等の成人当事者の具体的な手法が理解できる仕組みと、実際にそうした余暇支援までを含めた障害福祉サービスの報酬化等が課題となっています。

研究開発の関与者

  • 中京大学
  • 特定非営利活動法人アスペ・エルデの会
  • 宮城県子ども総合センター
  • 鳥取大学

内容に関する問い合わせ先

中京大学現代社会学部辻井正次研究室
[連絡先]
lifelogkanri[at]as-japan.jp
chukyo.tj.lab[at]gmail.com
※[at]は@に置き換えてください。

事業に関する問い合わせ先

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)
[連絡先] pp-info[at]jst.go.jp ※[at]は@に置き換えてください。