ケアが根づく社会システム
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RISTEX
レポート
Report

「ケアが根づく社会システム」研究開発領域 公開シンポジウム開催報告

2026. 4. 3

令和8年2月8日(日)、 東京、日本橋にある野村コンファレンスプラザ日本橋において、領域としてはじめての公開シンポジウムを開催しました。都心でも数センチの積雪となる悪天候となりましたが、オンラインを中心に、約200名の方にご参加いただきました。

シンポジウム当日の様子

シンポジウムでは、領域総括の西村ユミ先生による領域紹介、各研究代表者による令和7年度採択プロジェクトの紹介のほか、本領域でキーワードとなっている「実践」と「社会実装」の関係について、領域アドバイザーの木村篤信先生による話題提供がありました。
約1時間をかけたパネルディスカッションでは、大きく2つの柱で議論が行われました。一つ目の柱は、ケアは一方通行ではなく「双方向」に生まれるものだという考え方です。例えば、介護者が利用者を支えているように見えても、実は利用者の反応や存在が介護者の動きを導き、支えている。そんな“お互いさま”の関係の中でケアは成り立っています。これは当事者自身が気づきにくいこともあり、可視化されることで意味が深まると指摘されました。
もう一つの柱が、この双方向のケアをどう社会に根づかせるか、ということです。これには、制度や政策、技術などシステムだけでも、人の感情や経験、語りに基づいたものだけでもうまくいかず、両者を接続し往還することが重要だと指摘されました。また、当事者が中心になってつくる「共創(コ・プロダクション)」や、学び合う環境づくり、余白や対話を制度の中に組み込む工夫も重要だとされました。

西村総括による「研究開発領域のご紹介」および「領域の今後のビジョンと令和8年度公募への期待」の内容は、令和8年度(2026年度)の提案募集ページに掲載予定の資料、および「領域総括からの動画メッセージ」とほぼ同様のものとなります。ご関心のある方は、以下のリンクより、ご確認ください。
https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2026.html
(資料および動画は、公募開始の4月8日以降に順次掲載予定です。)

開催概要

日時:2026年2月8日(日)13:00~16:00

会場:野村コンファレンスプラザ日本橋 6F 大ホール
※オンラインとのハイブリッド形式

主催:国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(RISTEX)

プログラム

13:00–13:05 開会挨拶 RISTEX企画運営室 室長 大矢克
13:05–13:20 研究開発領域のご紹介 領域総括 西村ユミ
13:20–14:05 令和7年度採択プロジェクトのご紹介
人間と非人間の惑星的ケア 東京科学大学 中島岳志
相互期待感に基づくケア省察支援プログラムの創出 東京科学大学 中谷桃子
科学技術と社会をつなぐためのケア概念に基づく対話実践の再構築 大阪大学 八木絵香
14:05–14:20 領域の今後のビジョンと令和 8 年度公募への期待 領域総括 西村ユミ
14:20–14:40 話題提供「社会システムの研究開発について」 領域アドバイザー 木村篤信
14:40–14:50 休憩
14:50–15:45 パネルディスカッション「ケアの再定義と実践に向けて」
モデレーター:領域総括 西村ユミ
パネリスト:領域アドバイザー 臼井恵美子、岡田美智男、岡部美香、木村篤信、桐山伸也、熊谷晋一郎、榊原哲也、千村浩、二瓶美里、細馬宏通
15:45–15:55 全体 Q&A
15:55–16:00 閉会挨拶 領域総括 西村ユミ