ケア理論を抜本的に刷新し、新たな「惑星的ケア」論を世界に発信する。人間中心主義的な単一世界(=グローバル)から、人間と他種が異なったまま共存できる共異体の多元世界(=プラネタリー)への移行を促し、人新世の課題を乗り越える視座を提示する。各地にリビングラボを設置し、ボトムアップで課題に取り組む中、実験的な試みを続ける。実践結果をモデル化し、再現・模倣可能性を提示する。
人新世と言われる現代においては、人間の過剰な利己的行為によって大規模災害や気候変動が引き起こされている。いま重要なのは、自然環境と人がともに生き抜くためのケアの倫理であり実践である。
本研究では、従来のケア論が人間(生者)中心主義に陥っている点を乗り越え、「惑星的ケア」の論理を可視化する。ケア関係を人間だけに閉じず、動植物や微生物を含む「ビオス」や山や川などの「ジオス」との相互ケア・利他関係を構築する。また、対象を生者のコミュニティに限定せず、死者や未来の他者を含むコミュニティへと拡大する。
「世界観の再構築」および「ケアのインフラストラクチャリング」の考え方を採用し、社会システムのモデルづくりを実践する。「思いがけずケアが触発される環境」としてのインフラストラクチャリングを「余白のある装置」「偶発的出会いを促す媒介物」「人間以上のケアワーカー」「応答的な共異体的実践」として具体的に展開する。
