JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2013年度>2013年12月号
JSTnewsは、独立行政法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03時空間コミュニケーション支援システムでサービスの質の向上を目指す
「つぶやき」を生かして医療・介護サービスを革新
「サービス科学」という言葉を耳にする機会が増えてきた。第3次産業のサービスを学問として体系化し、情報通信工学などの新技術との融合によって新しい価値を創出する研究開発が、世界的に盛り上がりつつある。医療や介護の現場に注目した北陸先端科学技術大学院大学、岡山大学、東芝、清水建設による産学連携プロジェクトもその1つだ。医療・介護従事者の日常的な声の「つぶやき」を自動的に分類・配信・記録する革新的なコミュニケーションシステムを開発し、サービスの向上や業務改善に役立てることを目指している。
P.08新たな熱処理技術によって生まれた優れた銅系合金の実用化に挑む
形状記憶合金がひらく新技術
メガネのフレームからロボットの人工筋肉まで、幅広い実用化が進む形状記憶合金。東北大学大学院工学研究科の貝沼亮介教授らのグループは、建築部材にも利用できるような大型の形状記憶合金の開発に成功し、今年9月に発表した。地震で大きな揺れを受けても変形しにくい強靭な建物も、もはや遠い夢ではない。
P.12送電ロスなくし省エネに貢献
超伝導ケーブルシステムで電車を走らせる
通常の電線には電気抵抗があるため、長い距離を送電しようとすると電圧が下がってしまう。そこで電圧降下がなく、大容量の送電が可能な「高温超伝導ケーブル」の実用化研究が進められている。鉄道総合技術研究所・超電導応用研究室長で、超電導き電担当部長の富田優さんらは、" 夢の技術"と言われてきた超伝導ケーブルを使って実際に電車を走らせることに成功した。。
P.14JSTの最近のニュースから… TOPICS
P.16戦略的創造研究推進事業 社会技術研究開発センター(RISTEX)「問題解決型サービス科学研究開発プログラム」 研究開発プロジェクト(横断型研究)「顧客経験と設計生産活動の解明による顧客参加型のサービス構成支援法~観光サービスにおけるツアー設計プロセスの高度化を例として~」
モノづくりの考え方をサービスづくりに生かす
東京大学人工物工学研究センター准教授 原 辰徳
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まるで染物のような背景は、結晶の方位の異なりを赤や黄色などに色分けした銅系形状記憶合金のEBSD像。加熱と冷却の繰り返しによる結晶粒の異常成長を発見した東北大学の貝沼亮介教授らは、できた結晶内のモヤモヤ模様に気づいた。近隣との方位のずれを青や緑に際立たせるGROD像(手前)で見ると大きな結晶粒(白線)内に小さな結晶の集合体ができていた。 熱処理中に900℃から500℃に下げると微妙に方位の異なる小さな結晶に分かれ、再加熱すると方位を揃えながら隣の結晶を侵食するように異常成長する(赤矢印)と考えている。わずかな方位のずれが成長の駆動力になるのだという。(特集2より)