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JSTnews最新号

JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。

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2025年12月号

特集
超臨界流体クロマトの機能を拡張して自動化
幅広い分野の基礎・応用研究の発展へ貢献
高機能の乳化剤「ガティガム」を製品化
食品企業と深海研究者、異色の組み合わせ

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P.03特集― 井上春成賞 産学連携を見つめ続け50年、独創的な研究成果の社会実装を後押し

大学や研究機関などで創出した研究成果を、具体的な製品やサービスとして世の中に送り出す「社会実装」は極めて重要だ。今回の特集では、実用化につながった独創的な研究成果を表彰する「第50回井上春成(はるしげ)賞」を受賞した取り組みを紹介。1つは「超臨界流体クロマトグラフィー」の適用範囲を大幅に拡大した装置の開発と製品化、もう1つは深海環境に着想を得た新しい乳化剤生産法の開発と高機能食品添加物への応用である。産学間で連携したそれぞれの研究開発チームが、課題にどのように挑み、社会実装を成し遂げたか、その道のりを探る。

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P.04特集1― 超臨界流体クロマトの機能を拡張して自動化 幅広い分野の基礎・応用研究の発展へ貢献

超臨界流体クロマトの機能を拡張して自動化 幅広い分野の基礎・応用研究の発展へ貢献

二酸化炭素(CO₂)に一定以上の温度・圧力を加えると、液体と気体の両方の性質を併せ持つ超臨界流体の状態になる。島津製作所(京都府京都市)と九州大学の馬場健史教授らは、この超臨界CO₂を溶媒として試料中の成分を分析する超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)の機能を拡張したシステムを世界に先駆けて開発・製品化した。多様な化合物を対象に成分の抽出から分離・分析までを自動化することで、幅広い分野の基礎研究や応用研究における新たな分析技術の提供と発展に貢献している。

P.04-07をPDFで読む(PDF:1.5MB)

P.08特集2― 高機能の乳化剤「ガティガム」を製品化 食品企業と深海研究者、異色の組み合わせ

高機能の乳化剤「ガティガム」を製品化 食品企業と深海研究者、異色の組み合わせ

水と油を混ぜて口当たりを良くする乳化剤は食品製造に欠かせない原材料だが、主に使われているアラビアガムは、安定供給に不安がある。代替品開発を進めていた食品添加物メーカーである三栄源エフ・エフ・アイ(大阪府豊中市)と海洋研究開発機構の出口茂センター長らは、深海の極限環境を応用した新たな乳化剤「高機能化ガティガム」の実用化に成功。産学連携で食品業界の課題を克服し、第50回井上春成賞の受賞に至った。乳化剤と深海という意外なコラボレーションの舞台裏に迫る。

P.08-11をPDFで読む(PDF:1.7MB)

P.12連載― イノベ見て歩き 第26回

高度空気潤滑システムで摩擦抵抗低減 IoTも活用して船舶の運航を省エネ化
連載 イノベ見て歩き

社会実装につながる研究開発現場を紹介する「イノベ見て歩き」。第26回は、船舶と水との摩擦抵抗を低減する高度な空気潤滑システムをIoTと組み合わせて省エネ効果を向上させる研究開発に取り組む国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所の川島英幹上席研究員を訪ねた。この技術は社会実装され、1番船は2025年1月に就航している。

P.12-13をPDFで読む(PDF:842KB)

P.14NEWS & TOPICS

NEWS&TOPICS
研究成果
体内で精子が卵と出会う仕組みを発見
研究成果
流れの力を使う無給電の電気化学発光法
研究成果
植物は外部刺激をどう感知するのか
研究成果
コロナワクチンの抗体価動態で3集団を特定

P.14-15をPDFで読む(PDF:678KB)

P.16さきがける科学人― 先史時代のアマゾンに学ぶ、自然と共生する知恵 考古学と古気候・古環境学の視点で解き明かす

頭蓋骨をナノ薄膜に置換し、脳の活動を可視化 世界一広く、深く、細かい光計測技術の開発へ

東京大学 総合研究博物館 助教

金崎 由布子

P.16をPDFで読む(PDF:694KB)

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ISSN 1349-6085

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