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研究領域の概要


<チーム型研究(CRESTタイプ)>

○戦略目標「新たな手法の開発等を通じた先端的な計測・分析機器の実現に向けた基盤技術の創出」の下の研究領域
「物質現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」
研究総括:田中 通義(東北大学 名誉教授、東北大学多元物質科学研究所 研究顧問)
研究領域の概要
 本研究領域は、物質や材料に関する科学技術の発展の原動力である新原理の探索、新現象の発見と解明に資する新たな計測・分析に関する基盤的な技術の創出を目指す研究を対象とするものです。
 具体的には、新材料や新規なデバイスの創出、新規な微細加工技術の創出等に資する計測・分析技術、環境中等に含まれる極微量物質の化学的存在形態に関する新規な計測・分析技術等を対象とします。また、ナノスケールでの物質の形態に応じた物性や、表面、界面の化学組成や物性に関する新規な計測・分析技術も対象とします。
 さらに、既存の基本原理に基づく技術であっても、計測・分析の速度、感度、精度を飛躍的に向上させる技術あるいはその限界に挑む技術等、新原理の探索や新現象の発見と解明に資する研究や物質科学技術にブレークスルーをもたらすことが期待できる研究を含めます。
「生命現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」
研究総括:柳田 敏雄(大阪大学大学院生命機能研究科 教授)
研究領域の概要
 本研究領域は、生命系科学技術の発展の原動力である未解明の生命現象の解析に資する新たな計測・分析に関する基盤的な技術の創出を目指す研究を対象とするものです。
 具体的には、生命現象を司る生体分子の作用機構の本質に迫る解析技術や、生体または細胞中での生体分子のその場観察技術、単一細胞レベルでの分析技術、個体から生態系にわたる多様なスケールでの新規な計測・観測技術などを対象とします。また、環境試料中に含まれる極微量物質が生体に与える影響を計測・分析するための新規な技術も対象とします。
 さらに、既存の基本原理に基づく技術であっても、計測・分析の速度、感度、精度を飛躍的に向上させる技術あるいはその限界に挑む技術等、新原理の探索や新現象の発見と解明に資する研究や生命系科学技術にブレークスルーをもたらすことが期待できる研究を含みます。


○戦略目標「メディア芸術の創造の高度化を支える先進的科学技術の創出」の下の研究領域
「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」
研究総括:原島 博(東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授)
研究領域の概要
 本研究領域は、情報科学技術の発展により急速な進歩を遂げたメディア芸術という新しい文化に係る作品の制作を支える先進的・革新的な表現手法、これを実現するための新しい基盤技術を創出する研究を対象とします。
 具体的には、コンピュータ等の電子技術を駆使した映画、アニメーション、ゲームソフト、さらにはその基礎となるCGアート、ネットワークアート作品等の高品質化(多次元化も含む)を目的とした映像や画像の入力・処理・編集・表示技術、インターフェイス技術、ネットワーク技術等に関する研究を行います。視覚や聴覚以外の感覚の表現をも可能とする人工現実感技術、現実空間と人工空間を重畳させる複合現実感技術等も含みます。また、デジタルメディアとしての特徴を生かした斬新な表現手法の研究、快適性や安全性の観点から人間の感性を踏まえた表現手法の研究、物語性に優れた作品の制作を可能にする高度なコンテンツ制作手法の研究、誰もが自由にデジタルメディア作品の制作を効率的に行うことが出来るソフトウェア・ハードウェアに関する研究なども対象とします。


○戦略目標「情報通信技術に革新をもたらす量子情報処理の実現に向けた技術基盤の構築」の下の研究領域
「量子情報処理システムの実現を目指した新技術の創出」
研究総括:山本 喜久(スタンフォード大学 応用物理・電気工学科 教授/国立情報学研究所 量子コンピューティング部門 教授)
研究領域の概要
 本研究領域は、ミクロの世界で観測される量子力学的現象を制御し、記憶、演算などの情報処理を行うシステムへ展開していくための基盤となる新しい技術の創出を目指す研究を対象とするものです。
 具体的には、光・電子・原子・原子核など様々な系を対象として、量子効果に基づく基本的なデバイスや多量子ビット化の技術、量子情報の伝送技術や中継技術、さらにそれらの基盤となる要素研究、例えば量子もつれ現象の制御・観測に関する研究等に関して、シミュレーションを含めた実証的な研究を対象とします。

○戦略目標「教育における課題を踏まえた、人の生涯に亘る学習メカニズムの脳科学等による解明」の下の研究領域
「脳の機能発達と学習メカニズムの解明」
研究総括:津本 忠治(大阪大学大学院医学系研究科 教授)
研究領域の概要
 本研究領域は、脳を育み、ヒトの一生を通しての学習を促進するという視点に、社会的な観点も融合した新たな視点から、健康で活力にあふれた脳を発達、成長させ、さらに維持するメカニズムの解明をめざす研究を対象とするものです。
 具体的には、感覚・運動・認知・行動系を含めた学習に関与する脳機能や言語などヒトに特有な高次脳機能の発達メカニズムの解明、及びそれらの臨界期(感受性期)の有無や時期の解明、発達脳における神経回路網可塑性に関する研究、高次脳機能発達における遺伝因子と環境因子の相互作用の解明、健やかな脳機能の保持を目指した研究、精神・神経の障害の機序解明と機能回復方法の研究、社会的な環境の変化が脳機能に及ぼす影響に関する研究等が含まれます。


○戦略目標「がんやウィルス感染症に対して有効な革新的医薬品開発の実現のための糖鎖機能の解明と利用技術の確立」の下の研究領域
「糖鎖の生物機能の解明と利用技術」
研究総括:谷口 直之(大阪大学大学院医学系研究科 教授)
研究領域の概要
 本研究領域は、糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカンといった生体分子群の有する糖鎖の新たな生物機能を解明し、その利用技術を探索するための研究を対象とするものです。
 具体的には、脳神経機能、形態形成、分化における糖鎖の役割と制御のメカニズム等の新しい機能の解明や応用の可能性を開拓する研究、糖鎖の改変によるガンの浸潤転移の制御や感染防止、免疫機能制御の手法探索等の診断、治療、予防への応用を指向する研究、あるいは、糖鎖研究に広く用いられることが期待される糖鎖の超微量解析技術、情報伝達のダイナミックな状況を可視化する技術の実現を目指す研究等が含まれます。


○戦略目標「個人の遺伝情報に基づく副作用のないテーラーメイド医療実現のためのゲノム情報活用基盤技術の確立」の下の研究領域
「テーラーメイド医療を目指したゲノム情報活用基盤技術」
研究総括:笹月 健彦(国立国際医療センター 総長)
研究領域の概要
 本研究領域は、ゲノム情報を活用した創薬、個々人の体質に合った疾病の予防と治療-テーラーメイド医療-の実現に向けて、新たなゲノム情報解析システムの創製を目指した研究や多因子疾患の解明と創薬をはじめとした革新的な治療・予防法の基盤となる技術等を対象とします。
 具体的には、遺伝力の強い疾病や感染症に対する感受性や抵抗性のゲノム情報からの解明と創薬、我が国に特徴的な生活習慣病の遺伝・環境要因の探索とゲノム情報に基づいた予防法の開発、さらにゲノム情報に基づく薬剤感受性(有効性と副作用)の個人差を迅速かつ確実に解明することを目指す技術に関する研究、およびそれらの基盤となる新たな高効率ゲノム情報(SNPs)解析技術の実現を目指した研究等が含まれます。


○戦略目標「医療・情報産業における原子・分子レベルの現象に基づく精密製品設計・高度治療実現のための次世代統合シミュレーション技術の確立」の下の研究領域
「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」
研究総括:土居 範久(中央大学理工学部 教授)
研究領域の概要
 この研究領域は、計算機科学と計算科学が連携することにより、シミュレーション技術を革新し、信頼性や使い易さも視野に入れて、実用化の基盤を築く研究を対象とするものです。
 具体的には、物質、材料、生体などのミクロからマクロに至るさまざまな現象をシームレスに扱える新たなシミュレーション技術、分散したデータベースやソフトウェアをシステム化する技術、また、計算手法の飛躍的な発展の源となる革新的なアルゴリズムの研究や、基本ソフト、情報資源を取り扱いやすくするためのプラットフォームあるいは分野を越えて共通に利用できる標準パッケージの開発などが含まれます。

*今回の募集において、"ナノテクノロジーに特化したシミュレーション"に関する研究は、「ナノテクノロジー分野別バーチャルラボ」で扱います。

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This page updated on September 21, 2004

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