氏名 |
機関名 |
所属部署名 |
役職名 |
研究課題名 |
木下 タロウ |
大阪大学 |
微生物病研究所 |
教授 |
糖鎖の動態-機能相関への統合的アプローチ |
鍔田(ツバタ) 武志 |
東京医科歯科大学 |
大学院疾患生命科学研究部 |
研究部長、教授 |
糖鎖シグナルによる獲得免疫応答制御の解明と疾患制御への応用 |
平林 義雄 |
(独)理化学研究所 |
脳科学総合研究センター |
ユニットリーダー |
糖修飾システムによる神経機能の発現・制御 |
本家 孝一 |
高知大学 |
医学部 |
教授 |
病態における膜マイクロドメイン糖鎖機能の解明 |
五十音順に掲載
総評 : 研究総括 谷口 直之(大阪大学大学院医学系研究科 教授)
『糖鎖生物学の基礎的研究から研究成果の社会への還元をめざして』
ヒトのゲノム構造がほぼ明らかになり、いわゆるポストゲノム研究が21世紀のライフサイエンスの中心的課題のひとつです。そのなかでもタンパク質の糖鎖による修飾反応は、翻訳後修飾のなかで最も多く、タンパク質の機能や構造に大きな影響を与えることがわかってきました。最近の総合科学技術会議でも"ライフサイエンス分野研究の新展開:ヒト全ゲノム解読を受けて"のなかで、特にポストゲノム研究で重視すべき研究分野として糖鎖研究の推進が報告されております。わが国は伝統的に糖鎖科学の研究で世界のトップランナーであり、事実、糖鎖を合成する糖鎖遺伝子では、本年5月現在で、60%がわが国の研究者によってクローニングされております。
本研究テーマには41件の提案があり、今年度は優れたものが多くありました。提案された研究計画の第1次審査は6名の領域アドバイザーの方々にお願いし、厳正な審査の結果、12件につき第2次審査を行いました。研究の独創性、とくに欧米追従型でない研究かどうか、国際的な位置づけはどうか、研究体制の妥当性、優れた糖鎖研究としてのポテンシャルの上に、融合的研究を加味しているかかどうか、さらに将来の社会への還元につながる基礎的研究かどうかを多面的に審査し、その結果4名の提案を採用しました。いずれもこれまでの優れた実績の上に今後の成果が期待される提案であり、今後の糖鎖科学の発展にも多大な貢献が期待される研究です。一方で、採択には至りませんでしたが、多くの優れた提案も数多くみられました。審査にあたっては、いわゆるConflict of Interest(利害関係)を排除し、厳正におこなわれたことを申し添えます。本年度は異分野との融合研究を中心に提案したものも見受けられ、今後このような提案が益々重要になるかと思われます。
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