成果概要

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Child Care Commons 2.0:“Co-育ち”のための子どもの社会関係資本の構築と社会価値創出[4] 子どもとつながる社会的価値づけとインセンティブデザイン

2025年度までの進捗状況

1. 概要

本研究開発項目では、実際に親、子、第三者を結びつけ、コミュニティやチームを構築することを通じて、どのようなことが起こるのかを慎重に検証し、こうした取り組みを通じてCCCの運用マニュアルを作成することを目指します。
主な調査フィールドは大きく分けて二つあります。ひとつは東京都世田谷区にある坂倉PIが運営するリビングラボです。もうひとつは宮城県仙台市の東北大学内に作られたウェルコミュニティ©です。
その他にも、地域を超えた取り組みなども実施し、親、子、第三者を効果的につなげるためにはどのようにすればよいか、つなげることでどのような効果があるのかを明らかにします。

2. これまでの主な成果

課題41:リビングラボアプローチによる体験のデザイン

東京都世田谷区では、親、子、2~3名程度の第三者から構成される「チーム家族」を構築し、1年以上の長い期間試験的に運用することで、関係性にどのような変化が生じるのか、どのような問題が生じるのか、そこに対してどのような働きかけが有用なのかを記録し続けています。
その活動のなかで第三者がどのように子どもと接したらよいのかなど、いくつかの戸惑いを観察することができました。これらの戸惑いに対する対処法案は、マンガにしてわかりやすく伝えています(Instagramから閲覧可能です。「チーム家族のとまどい日記」、https://www.instagram.com/ccc_manga/)。
さらに、CCCで構築される新たな家族のような関係性を実感をこもった形で想像してもらえるように、ワークショップ開発を行いました。このワークショップでは、数人でグループになり、親役の人物を配置し、その人との関係のなかで自分だったらどのような行動がしてみたいかを語ったり、AIでチーム家族で起こりそうな出来事の画像をAIで生成し、それを思い出として紹介してもらうといった取り組みを導入することで、CCCで構築される新たな家族のような関係を実感してもらうためのワークショップの基本形を構想しました(下図)。

図
(生成AIも活用したワークショップの様子)

誰もが安心してCCCに参加できるようにするための取り組みの一環として、渡邊PIと協力しながら、CCCの手続きを国際規格ISO25554のモデル(下図)に沿って検討を行いました。これを用いて実際に新しく親、子、第三者から構成されるチーム家族を構築し、検証を行っています。

図
(ISO25554のモデル[佐藤, 2025より引用])
図はふるえ編集部作成。引用元は、佐藤 洋. (2025).
ウェルビーイングのISO標準と促進のためのフレームワーク. ふるえ, vol. 56.

その他、相互ケアを個人の関係性や意思のもと拡大させ、促すための方法論を、国際的な会議で議論を始めました。

課題42:小規模社会実験による社会的価値醸成フレームワーク

宮城県仙台市では、東北大学内に設置したウェルコミュニティ©でコミュニティ型で親、子、第三者が集まる場を構築し、1年以上の活動のなかで、それぞれに対してどのような効果があったのかを検証しました。活動を行うことで、当初バラバラであった社会的ネットワークが徐々に中心的な人物をハブとしてまとまりを持つようになり、集団の凝集性が増していくことがわかりました(下図A)。情報へのアクセスは社会関係資本の重要な側面のひとつですが、上記の結果は活動を経てコミュニティ内の情報伝達効率が良くなることを意味しています。さらに、コミュニティ内に信頼できるメンバーができるにつれて、徐々にコミュニティメンバーのウェルビーイングや生活の質に変化が生じました(下図B、C)。これらの活動の結果に基づいて、コミュニティをどのように運営し、どのように評価し、改善していくのがよいかについて議論しました。

ウェルコミュニティ©を1年実施してわかったこと

その他、極端に社会的つながりの少ない子どもを企業とつなぎ、一緒に商品開発を行って販売することで、社会との接点を作るといった活動も実施し、心理への影響を検討しました。

3. 今後の展開

引き続きISO25554に沿ったプロトコルの効果の検証を進めるとともに、現在進行中の活動の評価についても分析を進め、どのような活動を設計することでCCCとして親、子、第三者のそれぞれに大きな効果をもたらすことができるのかを明らかにしていきます。