成果概要

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Child Care Commons 2.0:“Co-育ち”のための子どもの社会関係資本の構築と社会価値創出[1] CCCの機能要件と社会受容可能性の明確化

2025年度までの進捗状況

1. 概要

本研究開発項目では、社会関係資本(SC)を構築するうえでの要件・原則・社会受容可能性の明確化に取り組みます。これまでの研究で社会関係資本がウェルビーイングと関連する可能性は示されてきましたが、あらゆる個人に対して有効であるとは限りません。そこで本研究開発項目では、このような個人差を明らかにするため、同一個人を追跡する大規模データセットを用いて、どのような個人にどのようなつながりが必要であるかを明らかにし、CCC2.0の要件・原則を構築します。

2. これまでの主な成果

課題11:地域特性と家族特性に基づくCCC2.0要件の抽出

CCCの要件を実証的に明らかにするため、CCCへの関与意欲が、地域レベルと家族レベルの社会関係資本とどのように関連するのかを検証しました。9歳以下の子を持つ3,200名の男女を対象としてアンケート調査を行い、CCCのような仕組みに子どもを預けたいという意欲は、地域のSCが高いほど高まり、その傾向は家族のSC(親と子の良好な関係に相当)が高い場合により強く見られました(下図)。

地域SCと家族SCの相互作用
課題12:子どもの心身の状態に影響する社会関係資本の要件抽出

環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の大規模コホートデータの二次利用および追加調査研究を行いました。ウェアラブルデバイスや多角的な生体センシングを組み合わせ、「ハイブリッド型研究」に取り組みました。
これらの研究では、妊娠期から2.5歳までの社会関係資本に基づいて群分けを行い、その違いと5.5歳時点の発達や行動・情緒との関連を解析しました。その結果、サポートの質と持続性が発達に影響する可能性が示唆されました。

課題13:子どもの社会関係資本を補助するロボットの要件抽出と実装

寺田PIとの連携のもと、子どものネットワークを計測するための基本技術の開発を行うとともに、ターゲットの子どもにアプローチするUFO型ロボットならびに子どもの社会的つながりを促す同期ロボットの開発に取り組みました。
UFO型ロボットを設計するうえで、平均経験年数17年の保育士22名へのアンケート調査を実施し、ターゲットとなる子どもの特徴や、アプローチ方法についての基礎調査を行いました(下図)。そのうえで、筐体設計を行い、実機製作フェーズへ移行しました。また、同期ロボットについては文献調査が完了し、調査デザインも確定したことから、保育所での効果検証を進める段階となりました。

実施した質問例と放生氏による回答の集計
課題14a:社会適応を可能にする社会関係資本の要件抽出

幼少期から10年以上の追跡が可能な縦断データを用いて、青年期におけるQoLおよびウェルビーイングには、幼少期の発達特性よりも、現時点での社会関係資本がより強く関連することがわかりました。さらに、社会関係資本とウェルビーイングとの関連は、特別なニーズを有する子どもにも同様に見られることがわかりました(下図)。

実施した研究の概要

特別な状況下における社会関係資本の重要性を調査するため、被災地における社会関係資本と精神的健康との関連を調べ、構造方程式モデルによってモデル化を行いました。
さらに、小学生を対象とした調査では、友人同士でリズム同調活動を行うとオキシトシンと呼ばれるホルモンが増加することを確認し、児童期における社会関係資本の形成メカニズムを提案しました。

課題14b:社会適応を可能にするCCC2.0的介入法

アートワークショップの開発と試行を重ね、実験計測を行いました。社会関係資本を含む質問紙と唾液中ホルモン測定を組み合わせた評価枠組みを整備し、芸術介入に伴う生理的変動の把握を行いました。
さらに、移動型アウトリーチ(アート出前カー:右図)を考案・実装し、文化施設や仮設住宅などで展開することで、地域との継続的な接点形成を進めました。

写真

3. 今後の展開

引き続きどのような個人特性を有する方に、どのような社会関係資本が必要であるのかを明らかにしながら、CCC2.0の要件・原則をガイドラインという形でまとめていきます。