デジタルフェノタイピングで予測する植物の未来

大規模画像データに基づくゲノムと環境の相互作用を考慮した成長予測モデルの構築

(紹介動画)

紹介動画

研究代表者

明石 良(宮崎大学 理事・副学長)

キーワード

ダイズ、ゲノム、環境、フェノタイプ、画像データ、フェノタイピングシステム、成長予測モデル


近年、気候変動に伴い様々な異常気象が世界規模で発生しており、それらがもたらす作物への被害が大きな問題となっています。そこで、気候変動に強い(頑健な)作物(品種)の育成や、事前に収量を予測することで安定的に食料を供給することができると考えられ、世界中で研究が進められております。私たちが観察できる生物の姿、形が「表現型(フェノタイプ)」です。作物はいろいろなフェノタイプをもっています。例えば、ダイズは莢をつくりますし、トマトは赤い実をつけます。このような違いはゲノム(遺伝子)が原因です。一方、同じダイズであっても栽培環境が変われば収量が落ちてしまいます。これは環境要因(例えば気温や降水量、肥料成分、土壌微生物)が作物の収量に大きく影響している結果です。そこで、東北、九州向きといったように環境に適応した品種が経験的に選抜されてきました。私たちはフェノタイプを予測する技術を開発することによって、環境の変化に左右されずに収量を安定的に確保したり、環境の変化に強い作物品種を育成しすることを目的として研究を進めてきました。宮崎大学構内に設置したフェノタイピングセンターでは、植物体の全周囲画像を取得し、得られた画像データを3Dモデルにすることで植物の成長の変化量(P値)を抽出することができます。これに、ゲノムの情報(G値)、栽培環境(E値)のデータと併せることで成長予測モデルを構築します。将来的には、ダイズだけでなく、イネなどの他の作物や芝などの飼料作物のフェノタイプを網羅的に解析し、今後益々大きく変わると考えられる気象条件に適応した品種の育成や栽培時の収量予測をサポートすることで、気候変動時代の安定した食糧生産に貢献していきます。

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参考URL

Kazusa Lab.
https://www.kazusa.or.jp/kazusalab/

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