[マルチセンシング] 2021年度採択課題

佐々木 拓哉

多様な迷走神経情報から創発する内受容感覚の脳統合

研究代表者
佐々木 拓哉

東北大学
大学院薬学研究科
教授

主たる共同研究者
岩﨑 有作 京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 教授
大平 英樹 名古屋大学 大学院情報学研究科 教授
研究概要

脳は、内臓など身体内部の生理状態の感覚(内受容感覚)を統合します。求心性迷走神経は、各臓器からの局所情報を脳へ伝達する重要な末梢神経です。本研究では、マウス・ヒトを対象として、複数臓器の生理活動が、どのように求心性迷走神経の内受容感覚情報に局所変換され、どのように迷走神経-脳神経回路によって伝達、統合されて、脳機能の創発に至るのかを体系的に理解できるような統合的理論の導出を目指します。

染谷 隆夫

電子皮膚による生体シグナルのゆらぎ機構の解明

研究代表者
染谷 隆夫

東京大学
大学院工学系研究科
教授

主たる共同研究者
天谷 雅行 慶應義塾大学 医学部 教授・常任理事
研究概要

本研究では、複数の生体シグナルを同時に全身で計測するため、電子皮膚システムの製造技術を確立し、日常生活における高精度かつ長期間連続計測を実現します。次に皮膚を通じて連続的に計測できる生体シグナルを生体オータナティブデータとして活用し、AIアルゴリズムで解析し医科学的な意義付けを行います。また、正常なゆらぎから病的なゆらぎへの移行を早期に発見することにより、予防医療へ応用するための基盤を構築します。

樽野 陽幸

体液恒常性をめぐる電解質/水の多感覚ネットワークの解明と制御

研究代表者
樽野 陽幸

京都府立医科大学
大学院医学研究科
教授

主たる共同研究者
岡崎 康司 理化学研究所 生命医科学研究センター チームリーダー
加藤 英明 東京大学 先端科学技術研究センター 教授
研究概要

塩はそのおいしさから過剰摂取する傾向にあります。減塩という健康課題に対し、本研究では基礎研究を通じて技術革新の科学的基盤を創出し、健康長寿社会の実現を目指します。塩や水の嗜好性は体液バランスの変動で対照的に変容します。大規模単一細胞多階層オミクス解析と活動計測に基づくデータ駆動型研究、及び開発するマルチカラー光遺伝学技術を通じて、塩と水のおいしさを決定する味覚-体液感覚の連携システムを究明します。

長井 志江

知覚と感情を媒介する認知フィーリングの原理解明

研究代表者
長井 志江

東京大学
ニューロインテリジェンス国際研究機構
特任教授

主たる共同研究者
熊谷 晋一郎 東京大学 先端科学技術研究センター 教授
鈴木 啓介 北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター 准教授
山下 祐一 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 室長
研究概要

本研究では,知覚と感情を媒介する認知フィーリングの動作原理を,脳の一般原理である「予測情報処理」理論に基づいて解明することを目的とします.認知フィーリングとは,知覚に対する熟知感や確信感,現実感,処理可能感などを指し,それらを介して快/不快などの感情が生じると考えられます.認知フィーリングの機序を構成的・解析的に明らかにすることで,知覚と感情を含むマルチセンシングの原理を包括的に理解します.

花川 隆

ハプティクスメッシュと脳脊髄活動計測によるヒト触覚統合システムの究明

研究代表者
花川 隆

京都大学
大学院医学研究科
教授

主たる共同研究者
阿部 十也 国立精神・神経医療研究センター 脳病態統合イメージングセンター 部長
竹井 裕介 産業技術総合研究所 センシングシステム研究センター 研究チーム長
山本 洋紀 京都大学 大学院人間・環境学研究科 助教
研究概要

多チャンネル極薄圧電振動素子を用いて自然な触感を与えられるハプティクスメッシュを開発し、定量と触感評価の心理実験を行います。触覚のみ、もしくは痛覚や視覚と共に刺激を与え、脳脊髄同時fMRIにて脊髄から体性感覚皮質を計測します。ヒト死後脳MRIを用いて、脳幹構造確率マップを作成し、体性感覚皮質については、ヒトでの皮質層別の測定を行います。多感覚拡張現実システムを開発し、錯覚研究に革新をもたらす成果を目指します。

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