[多細胞] 令和元年度採択課題

今吉 格

力学場と生化学場の相互作用の計測・操作と予測

研究代表者
今吉 格

京都大学
大学院生命科学研究科
教授

主たる共同研究者
磯部 圭佑 理化学研究所 光量子工学研究センター 上級研究員
奥田 覚 金沢大学 ナノ生命科学研究所 准教授
武宮 孝嗣 浜松ホトニクス(株) 電子管事業部企画部 主任部員
研究概要

多細胞組織の発生過程において、個々の細胞の増殖、分化、移動や形態変化、そして機能発現が協調的に進行するためには、どのような生化学的・細胞生物学的・力学的要素がダイナミックに変動し、そして時空間的に相互作用するのかについて、国際単位系で出力できるパラメーターで定量化を行い、それらを用いた統合モデリングと、光操作による検証実験から、多細胞システムの作動原理と機能発現過程を明らかにします。

永樂 元次

遺伝子制御ネットワークの理解に基づく臓器創出技術の開発

研究代表者
永樂 元次

京都大学
医生物学研究所
教授

主たる共同研究者
望月 敦史 京都大学 医生物学研究所 教授
遊佐 宏介 京都大学 医生物学研究所 教授
研究概要

本研究では、「胚全体」で起こっている現象を試験管内で再現し、三胚葉由来組織から成る複雑な臓器を誘導するための新規の方法論を確立するために、以下の3項目の技術開発を行います。1)ヒト発生システムの遺伝子制御ネットワークの網羅的・定量的記述 2)ネットワーク構造を予測し有効な制御点を決定するための理論展開 3)時空間的に自由度の高い遺伝子発現制御および環境制御技術の開発。

澤井 哲

細胞動態スペクトラムから紐解く多細胞秩序の創発規則

研究代表者
澤井 哲

東京大学
大学院総合文化研究科
教授

主たる共同研究者
石原 秀至 東京大学 大学院総合文化研究科 准教授
研究概要

細胞の形態と運動は、上皮から間葉系、アメーバ様へと、主に3つの類型を中心に分布し、それらが一つの組織の中に共存することも多々あります。これらの動的パターンに着目し、多細胞組織の構築と再生の背後にある細胞の変形と運動を、統一的な数理的表現「細胞動態スペクトル」を通じて特徴づけ、理解するための定量的計測手法と理論モデルを開発します。

土屋 雄一朗

植物ホルモンフローアトラスの構築

研究代表者
土屋 雄一朗

名古屋大学
トランスフォーマティブ生命分子研究所
特任教授

主たる共同研究者
佐藤 良勝 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授
南保 正和 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授
土方 優 名古屋大学 未来社会創造機構 特任准教授
研究概要

植物ホルモンの能動輸送を介した組織間・細胞間コミュニケーションは、植物が多細胞生物として生きる根幹的な機能の一つです。本研究では、「ホルモンが細胞間を動く様子を実際に見る」低分子操作技術を開発し、組織レベルでのホルモンの流れを1細胞の解像度で再現する数理モデルを構築することで、環境変化を察知して機敏に生理成長を変化させる植物の動的な情報制御システムの理解に資する技術と理論の創出を目指します。

藤田 克昌

多細胞の包括的分子イメージング技術基盤の構築

研究代表者
藤田 克昌

大阪大学
大学院工学研究科
教授

主たる共同研究者
袖岡 幹子 理化学研究所 環境資源科学研究センター 副センター長・グループディレクター
田中 秀央 京都府立医科大学 大学院医学研究科 教授
研究概要

多細胞からなる生命現象は、細胞内の分子間、および細胞間の相互作用により生み出されるため、それを理解するには、分子から細胞組織までの広いレンジで形態、物質、化学状態の情報を取得する必要があります。本研究では、様々な光学効果を駆使した光学顕微鏡技術を新たに開発し、生命現象に関わる多種の分子とその化学環境、およびそれらの相互作用を、時空間的に高精度に計測するための技術基盤を構築します。

藤原 裕展

体表多様性を創発する上皮―間充織相互作用の動的制御機構の解明

研究代表者
藤原 裕展

理化学研究所
生命機能科学研究センター
チームリーダー

主たる共同研究者
大浪 修一 理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー
長山 雅晴 北海道大学 電子科学研究所 教授
二階堂 愛 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 教授
研究概要

生物は、多様な体外環境に適応して体内環境を一定に保つために、体表の構造と機能の著しい多様性を生み出しました。しかし、体表が多様な形態と機能を自在に生むしくみや理論はよく分かっていません。本研究では、上皮と間充織というヘテロな組織の間の細胞間相互作用と、その相互作用の変化が多様な体表機能を創発するという新しい視点に立ち、そのしくみを、細胞間相互作用の時空間的発展の1細胞解析を通して明らかにします。

若本 祐一

ライブセルオミクスと細胞系譜解析によるパーシスタンスの理解と制御

研究代表者
若本 祐一

東京大学
大学院総合文化研究科
教授

主たる共同研究者
小林 徹也 東京大学 生産技術研究所 教授
宮本 崇史 筑波大学 医学医療系 助教
研究概要

クローン細胞集団に薬剤などによる致死的なストレスを与えても一部の細胞が遺伝子変異なしで生き残る「パーシスタンス」という現象が知られています。本研究では、ラマン分光を利用したライブセルオミクス技術、1細胞系譜計測技術、細胞系譜の統計数理、細胞集団制御技術を包括的に開発し、がん細胞のパーシスタンス現象を対象に、分子発現動態から数理構造まで含めた現象の背景原理の理解とその制御手法の確立を目指します。

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