[強靱化ハードウェア] 2023年度採択課題

相川 洋平

線形光演算に基づく再構成可能なディジタル論理回路

研究者
相川 洋平

東京工業大学
科学技術創成研究院
助教

研究概要

本研究は低遅延・低電力なディジタル論理回路を光領域にて創出するものである。とくに光ベクトル行列積演算(PVMM)に着目し本検討に取り組んでいく。PVMMはアナログ信号を対象とした識別問題に利用されていることから、論理回路の入出力関係を識別問題として捉えることで任意の回路を光領域で実現できるのではないかと考えた。当年度は、PVMMを論理回路として用いた場合の動作要求条件について明らかにしていく。

飯谷 健太

経皮ガス用蛍光式バイオセンサモジュールの開発

研究者
飯谷 健太

東京医科歯科大学
生体材料工学研究所
講師

研究概要

経皮的に定常放出されるガスには健康状態の把握に資する様々な気相分子が含まれます。本研究では酵素の基質特異性に着目し、経皮ガス成分用蛍光式バイオセンサモジュールを開発します。小型化しても感度を担保できる光学素子を設計し、フローセルなどの周辺機器不要な連続計測法を開発することで小型デバイスへの組み込みを容易とし、『健康予報社会』を実現するマルチセンサ融合ウェアラブルデバイスの開発を促進します。

宇佐美 潤

マイクロ共振式焦電発電デバイスの開発

研究者
宇佐美 潤

産業技術総合研究所
電子光基礎技術研究部門
研究員

研究概要

IT機器で排出される微小熱は再利用が困難である一方、排出量は増大しています。微小熱でも高発電密度な、小型でIT機器に組み込み可能な発電技術が求められます。強誘電薄膜の焦電効果とMEMS共振器を掛け合わせることで、微小熱でも常時高効率に発電できる技術を提案します。本研究ではマイクロサイズで100度以下の熱源でも発電可能であることの原理実証を実施し、高い発電密度をもつ実用化技術への道筋を示します。

樗木 悠亮

微小光エネルギー利用に向けた導波路型太陽電池の創成

研究者
樗木 悠亮

東京大学
先端科学技術研究センター
助教

研究概要

我が国は高効率、大面積の太陽電池の開発をリードしてきたが、住宅用太陽電池市場は飽和しつつあり、新規市場開拓のためにも微小な光エネルギーの有効活用する小型太陽電池の研究開発を世界に先駆けて推進することが重要となる。そこで本研究では光を側面から照射する導波路型太陽電池を提案し、プロセスの簡略化・小型化、光導波路構造モードによる高効率化、出力のスケーラビリティの3つの課題に取り組む。

岡本 尚之

マイクロCTが拓く術中迅速病理診断における3次元構造解析

研究者
岡本 尚之

千葉大学
フロンティア医工学センター
助教(テニュアトラック)

研究概要

術中迅速病理診断とは、手術中に提出された組織を迅速に評価し、術者に即時フィードバックをする診断方式です。術中診断はこれまで、顕微鏡観察によるミクロな2次元情報に限定されてきましたが、微細な空間分解能を持つマイクロCTによるマクロな3次元情報を加えることで、総合的な診断を実現できる可能性があります。本研究では高速かつ高画質に生体組織を撮影可能なマイクロCTを開発し、術中診断での実用化を目指します。

金田 礼人

任意の体幹位置を能動的に屈曲可能なヘビ型ロボット

研究者
金田 礼人

九州大学
大学院工学研究院
助教

研究概要

本申請では、ヘビ型ロボットの任意の体幹位置を能動的に屈曲させるために、モータがロボットの体幹に沿って移動する機構を考案する。提案機構を試作し、能動屈曲可能な体幹の利点を明らかにする。次に、ロボットと環境との接触状態の把握するために、ポテンショメータを用いた外力推定の手法を確立する。最後に試作ロボットの非構造化環境における自律的な推進について調査する。

神垣 貴晶

強力空中超音波を送出するシート状透明デバイスの開発

研究者
神垣 貴晶

東京大学
大学院新領域創成科学研究科
特任助教

研究概要

強力な空中超音波は、何も装着していない皮膚表面に触覚を提示できます。この技術は空中タッチパネルなどで一部実用化されていますが、日常生活に浸透するほど普及していません。これは現行の空中超音波デバイスが高コストであることや、厚く嵩張り不透明な形態であることが要因となっています。本研究では、これらの問題を解決する低コストのシート状透明デバイスの実現を目指します。

木村 大海

次世代デバイスの品質保証のためのX線イメージングデバイスの開発

研究者
木村 大海

産業技術総合研究所
計量標準総合センター
研究員

研究概要

現在、デジタル社会を支える半導体デバイスは高機能化に伴う素子の微細化および三次元化が進んでいます。今後さらに複雑化する素子の品質管理を行うためには、検査技術の高度化が必要不可欠です。本研究では透明セラミックシンチレータの合成技術を適応した高感度かつ高空間分解能のX線イメージングデバイスを開発することで、高精度かつ高効率な非破壊検査の実現を目指します。

古志 知也

空気圧ソフトロボットのための電気化学式圧力源スタックの開発

研究者
古志 知也

産業技術総合研究所
エレクトロニクス・製造領域
主任研究員

研究概要

空気圧ソフトロボットは空気の圧縮性で柔軟に動作できる一方で、駆動系が複数要素で構成され小型軽量化が困難です。本研究では、単一要素での駆動を実現すべく、水の分解と合成を利用した電気化学式圧力源を開発します。電極の含水分布制御技術やセルの大変形封止技術等の開発に取り組み、圧力源そのものを直線・曲げ・回転の繰り返し大出力動作が可能なアクチュエータとして機能させることを目指します。

徐 自聡

誘導ハイパーラマン散乱顕微分光法の開発

研究者
徐 自聡

東京大学
大学院工学系研究科
大学院生

研究概要

ハイパーラマン散乱分光法は化学的特異性を持つため、分子センシング手法として大いに期待されています。しかし、自発ハイパーラマン散乱分光法の感度が弱いため、応用が制限されています。本研究では、この課題に取り組み、誘導ハイパーラマン散乱分光法を提案し、感度の改善を目指しています。さらに、高い空間分解能と高速な誘導ハイパーラマン散乱顕微鏡を開発することで、生体分子のハイパーラマン計測を目指しています。

荘司 成熙

マルチエレメント超音波センサを用いた混相流モニタリングデバイス

研究者
荘司 成熙

室蘭工業大学
もの創造系領域
助教

研究概要

エネルギー資源輸送パイプラインや化学プラントなど、液体・気体・固体が混在して流れる混相流があらゆる分野の生産業で現れます。形成される流動構造を見える化することで、流動場設計の最適化や運用期間中における異常検知が可能となります。本研究では、流体と非接触で計測可能な超音波を駆使し、センサ系、制御系、信号処理系の開発を通じて、流動構造を三次元的にモニタリングする新たな計測デバイスの実現を目指します。

甚野 裕明

宇宙用電源に向けた放射線安定な超薄型ペロブスカイト太陽電池

研究者
甚野 裕明

宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究所
助教

研究概要

近年、宇宙用の軽量・大電力な電源として、1 μm厚のプラスチック基板を用いた超薄型太陽電池が注目されています。本研究では、放射線安定な超薄型ハイブリッドポリイミド基板上へ、ペロブスカイト太陽電池を開発することで、基板・太陽電池ともに放射線劣化フリーの超薄型太陽電池を開発します。開発する放射線安定な超薄型太陽電池を通じて、宇宙機の超軽量化・低コスト化に繋がる革新的ハードウェア技術を開拓していきます。

孫 榮君

大型培養ステーキ肉の形成を可能とするデバイス開発

研究者
孫 榮君

東京大学
大学院情報理工学系研究科
大学院生

研究概要

体外で培養した筋細胞で構成される培養肉は食肉産業における有望な代替タンパク質として注目を集めています。筋繊維が単一方向に形成される培養ステーキ肉は食文化の多様化につながるため、その形成手法は重要な課題だと考えられています。本研究は「紐状ウシ骨格筋組織の作製デバイス」および「紐状組織を大型組織に一体化するアセンブリデバイス」の開発により、大型培養ステーキ肉形成の実現を目指します。

高桑 聖仁

次世代ウェアラブルデバイス構築に向けた脱着可能な超柔軟接合技術

研究者
高桑 聖仁

東京大学
大学院工学系研究科
助教

研究概要

皮膚に貼り付けて使うような次世代ウェアラブルデバイスを実現するには、数ミクロン厚の柔軟なエレクトロニクスの開発と共に、エレクトロニクス柔軟性を阻害しない実装技術の開発が必要である。更に従来のエレクトロニクスデバイスのように任意に接合分離可能な機能的な直接接合技術の開発が必要である。本課題では、水素結合の特性に着目し、ポリマー直接接合技術を開発する事で機能的な脱着可能な接合の確立を目指す。

塚本 脩仁

光波面をアクティブに制御可能な液晶フラットオプティクスの開発

研究者
塚本 脩仁

愛媛大学
大学院理工学研究科
助教(テニュアトラック育成教員)

研究概要

近年、厚みを持たないフラットな光学素子を実現する概念としてメタサーフェスと呼ばれる技術が注目を集めています。しかしながら、一般に半導体微細加工技術を応用したトップダウン方式で作製されるため、大面積製造や可視光の利用が困難でした。そこで本研究では、液晶の自己組織性を利用したボトムアップ方式により大口径な光学素子を実現します。さらに、液晶の外場応答性を最大限活用することで動的な光波面制御を実現します。

平城 裕隆

対面での発声を拡張できるウェアラブルな音声入出力インタフェースの開発

研究者
平城 裕隆

東京大学
大学院学際情報学府
大学院生

研究概要

深層学習の発展によって言語の翻訳や声帯切除者のための音声変換などの技術が発展していますが、オンラインでの利用が想定されており、目の前の話し相手に対して使うにはノイズ環境での綺麗な音声入力と人の発話を模した音声出力が課題となっています。本研究ではコンデンサマイクにおいて振動板を設計することでノイズの多い環境でも入力可能なマイクと、軽量で指向性のあるウェアラブルなスピーカーの設計を行います。

松永 優希

化学修飾増強による高性能フレキシブル物理リザバーデバイス

研究者
松永 優希

名古屋大学
大学院理学研究科
大学院生

研究概要

本研究では、様々な優れた材料特性を有するカーボンナノチューブを用いることで生体情報を高感度で取得するフレキシブル物理リザバーデバイスの実現に挑戦します。高純度半導体カーボンナノチューブ分離精製技術や高温安定化学ドーピング技術によるデバイス性能強化に加え、ランダムな化学ドーピングや高分子ポリマー修飾によるリザバー素子の性能向上と機能付加により、高性能なマルチモーダルセンサ素子の実現に取り組みます。

柳澤 亮人

熱スイッチ駆動ナノ熱電ハーベスタ

研究者
柳澤 亮人

東京大学
生産技術研究所
特任助教

研究概要

本研究は、熱スイッチ機構によって微小な熱流から発電するナノ熱電エナジーハーベスタの実現に挑戦します。表面マイクロマシン技術を用いた熱スイッチ機構と半導体ナノ構造を用いた高性能熱電発電素子を組み合わせた熱電ハーベスタを開発します。本技術により微小な熱源を利用した自立給電型センサー端末を実現し、分散性に富んだ強靭なIoTに貢献します。

山下 尚人

スピン流を用いた磁壁カイラリティの電気的検出

研究者
山下 尚人

九州大学
大学院システム情報科学研究院
助教

研究概要

本研究は、磁壁のカイラリティの電気的検出技術を開発することを目指します。磁壁とは、磁性体の磁区の界面です。近年、ナノスケールの磁区構造の研究が進んだことを背景として、そのカイラリティを用いた様々な計算ハードウェアが提案されています。一方で、計算結果の読み出し方法も重要な技術課題です。伝導電子のスピン角運動量の流れであるスピン流を用いることで、磁壁を用いた計算ハードウェアの共通基盤技術開発します。

吉田 貴寿

建材埋込型光ファイバ網による人間を触知する生活空間の実現

研究者
吉田 貴寿

慶應義塾大学
大学院メディアデザイン研究科
特任助教

研究概要

本研究では、住宅やオフィスなどの生活空間をまるごとセンサ化するアプローチ によって、心身両面に低負荷な行動計測システムを実現します。特に、建材や家 具に光ファイバ網を埋め込む一体型のデバイス設計によって、生活空間に遍在する接触力計測を実現し、生活者のさまざまな日常行動の計測解析基盤を実現します。建築技術と光計測技術の融合によるリアル空間の強靭化を通じて、あらゆる 空間の価値を向上させます。

李 恒

検査員視覚と調和する透明光熱電撮像ゴーグルの創製

研究者
李 恒

中央大学
理工学部
助教

研究概要

本研究では高透明かつ高感度・広帯域なミリ波~赤外線撮像素子を創出し,ヒトの視覚と協調する非破壊検査ゴーグルへ展開します.全国で公共設備の老朽化が進む中,それらを支えてきた熟練検査技師の経験を誰しもが継承可能な形に咀嚼し直す必要があります.本研究ではナノ材料の観点から熟練技師の眼とも言えるヒューマンインタフェース型の非破壊撮像素子を設計し,検査員視覚との相互補完によりリアル空間の強靭化を実現します.

李 玲穎

ヒューマンマシンインターフェースの実用に向けたストレッチャブルセンサデバイス基盤技術の創成

研究者
李 玲穎

物質・材料研究機構
若手国際研究センター
ICYSリサーチフェロー

研究概要

申請者の独自の技術である機能性ナノ材料の自己組織化技術を基盤として伸縮性センサデバイスを形成し、動的な表面からもリアルタイムでデータの収集/伝達が可能なストレッチャブル「歪み」センサデバイスを作製し、実際にヒューマンマシンインターフェースへと適用するデモンストレーションまでを実現する。

プログラム

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