[強靱化ハードウェア] 2022年度採択課題

阿部 博弥

生体接着する生物模倣バイオセンサー

研究者
阿部 博弥

東北大学
学際科学フロンティア研究所
准教授

研究概要

バイオセンサーは生体情報を読み取るツールの一つとして開発されています。本研究では、生物の水中接着能から着想を得ることで、生体の柔軟でウェットな環境下であっても接着するバイオセンサーの開発を目指します。測定部にはマイクロニードル型電気化学センサーを用いることで、間質液中の情報をリアルタイムに読み取ります。

易 利

Compact and low cost ultra-wide band photonics-based 3D imaging system at millimeter/terahertz band

研究者
易 利

茨城大学
学術研究院
准教授

研究概要

本研究はミリ波/テラヘルツ波領域で周波数掃引の線形性を示すレーザー光源、およびシリコンフォトニクス技術を用いたレーダモジュールを開発するよって、超広帯域集積型三次元フォトニクスイメージングシステムの実現を目指す。応用のニーズによってあらゆる帯域の信号が発生可能である事が本システムの長所で、センチ分解能を持つ~40GHzおよびミリ分解能を持つ~300GHzシステム両方をドローン搭載でデモする。

石井 綾郁

電気分解を利用した3Dプリンティング手法の研究

研究者
石井 綾郁

日本電信電話(株)
コミュニケーション科学基礎研究所
研究員

研究概要

発泡素材は軽量性や断熱性に優れる素材として着目されており、FDM方式の3Dプリンタを用いた造形手法も存在します。しかし、加熱により発泡する物質が含まれる特殊なフィラメントが必要となり、発泡箇所の局所制御が困難です。そこで、3Dプリンタの溶解フィラメントに対してコンピュータ制御された電気分解を起こす技術を開発します。気泡を動的に生成しながら造形することで、多様な発泡造形の実現を目指します。

宇佐美 雄生

化学ダイナミクスを計算資源とした低消費電力マテリアルリザバーの開拓

研究者
宇佐美 雄生

九州工業大学
大学院生命体工学研究科
助教

研究概要

現在、様々な分野でIoTの導入とそれに伴うAIシステムの開発が大きく発展している一方で、消費電力量の増大が危惧されています。本研究ではマテリアルに内在する化学ダイナミクスを計算資源として、時間情報が計算処理に組みこまれた低消費電力マテリアルリザバーデバイスを開発します。さらに周辺回路との接続により分類機能のハードウェア化を行い、マテリアルリザバーを用いたエッジデバイスの創成に挑戦します。

大澤 啓介

遠隔・在宅での利用を目指した手指リハビリ支援デバイス

研究者
大澤 啓介

九州大学
大学院工学研究院
特任助教

研究概要

感染症拡大により、従来のようにスタッフが患者に接して行うリハビリ介入が困難である。これまでに提案されたデバイスは手指の屈曲・伸展のみ可能であるため、把持とタッピングの運動回復の支援に限られ、手指の細かな動作の回復には不十分である。本研究では、手指の屈曲・伸展、内転・外転を能動的に支援するデバイスの開発に取り組むことにより、これまで難しかった手指の高度な遠隔・在宅リハビリテーションの実現を目指す。

齋藤 真

マイクロ渦による藻類の応答特性評価に基づく高出力光合成電池の創出

研究者
齋藤 真

九州大学
大学院工学府
大学院生

研究概要

当研究ではマイクロ渦の流体輸送現象を用いたサブミリ秒の高速浸透圧刺激制御システムを構築することで、微細藻類の外部ストレスに対する膜輸送体の応答特性を計測する。本計測により、藻類を用いた光合成電池において電子伝達物質の輸送を担う膜輸送体の輸送量、応答速度、繰り返し性を調査し、これら応答特性と電力の関係を調べることで、膜輸送体の観点から電子伝達に優れた個体を選抜し、光合成電池の高出力化を目指す。

澁谷 達則

半導体ハードウェアセキュリティを強化するナノX線源の開発

研究者
澁谷 達則

産業技術総合研究所
計量標準総合センター
主任研究員

研究概要

半導体デバイスを狙ったサイバー攻撃が全世界的に増加しています。しかし、半導体の持つナノ構造を非破壊的に計測することは難しく、サイバー攻撃パラメータと半導体ナノ構造パラメータの紐付けはできていません。そこで本研究では、ナノレベルの非破壊測定を実現するために、レーザー誘導ナノ化技術を応用した新しいナノX線源の実現を目指します。

島田 啓太郎

世界最高速の3次元カメラの開発

研究者
島田 啓太郎

東京大学
大学院工学系研究科
大学院生

研究概要

超高速イメージングは、レーザアブレーションや水中放電など、多様な超高速現象の解析を可能とするため、加工・医療を始め多分野の技術開発に重要です。しかし、現状では取得可能な空間が2次元に制限され、現象の3次元挙動は取得できません。本研究では、独自提案の光技術に基づき、ナノ秒以下の分解能かつシングルショットで3D動画像を取得する超高速3Dカメラを開発し、超高速現象の3次元ダイナミクス可視化を目指します。

庄司 観

自己発電型昆虫サイボーグによるセンサネットワークの創製

研究者
庄司 観

長岡技術科学大学
技学研究院
准教授

研究概要

本研究では、イオン不透過性および分子選択透過性を有する人工細胞膜を保護膜として使用した「人工細胞型バイオ燃料電池」および、ドローンによる「昆虫サイボーグの集団行動制御システム」を開発することで、災害現場での人命探査・環境モニタリングに応用可能な「自己発電型昆虫サイボーグによるセンサネットワーク」の構築を目指します。

田中 峻

あらゆる加工機に精緻な感覚を持たせる大規模センサアレイの開発

研究者
田中 峻

東京大学
大学院工学系研究科
大学院生

研究概要

近年、成形自由度の向上および大型部品の一体成型のため、加工機は多軸化・ダイナミック化の傾向にあります。しかし、それに伴い精度・剛性が低下するため、質の高いセンサ情報による補正技術が必要不可欠です。本研究では、加工機の構成や加工プロセスによらない一元的な誤差補正システムの構築を目的とします。温度・振動を数百点で計測可能な「感覚器官」を開発・搭載し、あらゆる加工機本来の性能を超えた精緻化を実現します。

田村 和輝

光学式硬さ顕微鏡実現のためのホログラフ照明法の開発

研究者
田村 和輝

浜松医科大学
光尖端医学教育研究センター
助教

研究概要

本研究は開発中の光学式硬さ顕微鏡のうち,光音響波を使った加振に用いるパルスレーザ光の像形成に関する研究です.現状の光音響波は平面光を対物レンズに入射することで焦点領域に強いエネルギを与えています.本研究では光の位相分布を制御する装置を導入して焦点領域のエネルギ分布を制御することで,効率的なパルス音波を発生させることを目指します.細胞サイズの機械物性を光学分解能で取得することを目指します.

野邑 寿仁亜

平面導波路増幅器を用いた高出力かつ低雑音なモード同期レーザの開発

研究者
野邑 寿仁亜

日本大学
生産工学部
助教

研究概要

本研究の目標は、超短パルスかつ高繰り返し周波数特性を有する、モード同期レーザの産業分野への活用の加速です。モード同期レーザの産業適用に向けて、トレードオフの関係にある出力パワー向上と特性劣化軽減との両立は大きな課題です。そこで本研究では、光周波数制御技術と高出力増幅器開発技術を組み合わせた、高出力かつ低雑音特性を有する1.5um帯モード同期レーザの開発を行い、様々な応用研究の実用化へ貢献します。

橋本 健

把持型力提示装置による身体図式と身体的自己の設計

研究者
橋本 健

東京大学
大学院情報理工学系研究科
特任助教

研究概要

ヒトが身体を動かした際に生じる感覚は運動感覚と呼ばれ、この身体に根ざした感覚は我々の身体を規定する感覚でもあります。本研究ではヒトに力を提示する把持型の装置の開発と、提示された力を自らの身体へ帰属させるための力提示の手法を構築し、現実の身体とは異なる身体図式や身体的自己の運動感覚を通じた獲得を目指します。

畑山 祥吾

低環境負荷と高耐熱性を兼ね備えたセレクタデバイスの創製

研究者
畑山 祥吾

産業技術総合研究所
先端半導体研究センター
研究員

研究概要

本研究では、第一原理計算による理論的な物性予測と実験の融合により、低環境負荷かつ高耐熱性のセレクタデバイス開発を行います。材料の評価からデバイス実証に至る一連の研究を通じて、リアル空間の強靭化に必要な不揮発性メモリやエッジコンピューティングデバイスの発展に寄与するデバイス技術の創製に取り組む計画です。

福井 慧賀

水素陰イオンを用いた新規蓄電デバイスの創出

研究者
福井 慧賀

山梨大学
大学院総合研究部
助教

研究概要

電力に依存する現代社会において、蓄電デバイスはスマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスから電気自動車に至るまで、あらゆる製品の電源として必要不可欠な要素です。本研究では高い反応性を有する水素の陰イオン「ヒドリドイオン」を利用した新方式の蓄電デバイスを構築します。ヒドリドイオンの特徴を活用することで、大容量でありながら長寿命かつ安全性の高い蓄電デバイスの実現を目指します。

本間 浩章

グラニュールMEMS振動発電

研究者
本間 浩章

神戸大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究は、人に載せても気付かないくらい小型のセンサ端末を駆動する砂粒サイズ(3ミリメートル角以下)のエレクトレットMEMS振動発電チップの実現に挑戦します。特に、従来は平面に並べられた振動-電気変換機構を3次元高密度化することで、チップ体積を従来比1/50以下に縮小する技術を開発します。本技術で駆動する小型無線端末により、個々人へ最適な生活環境を提供するIoTを実現します。

前田 拓也

強誘電体/窒化物系半導体ヘテロ接合による革新的トランジスタの創成

研究者
前田 拓也

東京大学
大学院工学系研究科
講師

研究概要

近年の情報通信社会の高度発達化による情報処理量や消費電力の急増が深刻な課題となっております。本研究では、情報担体となる半導体デバイスの高性能化に向けて、近年圧電性や強誘電性を示す材料として注目を集めているScAlNをGaN高電子移動度トランジスタに組み合わせることを提案します。ScAlN薄膜やScAlN/GaNヘテロ接合の物性解明、ScAlN/GaN HEMTの実証と動作原理の解明に取り組みます。

森田 崇文

流体応用による自律駆動型生態模倣インターフェースの構築

研究者
森田 崇文

東京大学
大学院情報学環
助教

研究概要

流体インタフェースは、軽量で体積を自由に変化させて様々な形状が作れるため、やわらかな動きの駆動源として多岐に利用されてきました。しかし、流体を扱うには大型外部装置が必要で、自律駆動が困難です。さらにこれらは駆動音が大きく、やわらかな動きを阻害してしまいます。そこで、低消費電力かつ持続可能に流体を発生・制御できる自律駆動型流体システムを構築し、さらに流体独自の特性を用いたセンシング技術を提案します。

森田 智博

新生血管の誘導構築を可能とするバイオ3Dプリンタ

研究者
森田 智博

東京大学
大学院情報理工学系研究科
大学院生

研究概要

内皮細胞は血管の最内壁に存在する細胞であり、血管壁を守るだけでなく新しい血管を新生させて周囲に酸素を供給させる役割も持っています。従来の研究で、複数の内皮細胞がコラーゲンゲル内で近接域にいることで互いが血管を新生し血管網を形成することが分かっています。本研究では、コラーゲンゲルを纏った内皮細胞を組織の中に精密に配置させる3Dプリンタを開発し、組織内に血管網の構築範囲を拡大させることを目指します。

吉本 将隆

光を当てるだけで充電可能な光蓄電池の創成

研究者
吉本 将隆

東京工業大学
科学技術創成研究院
研究員

研究概要

従来の光蓄電池は、電極/電解液界面で発生する光腐食等の副反応が原因で、光電気化学特性が悪く、反応原理も明らかではありません。本研究では、電解液に替えて、電気化学的安定性が高い固体電解質を用いて、副反応が抑制された固体/固体界面を構築します。この界面にバンドエンジニアリングを応用し、光励起キャリアの拡散やキャリア寿命等を制御することで、自発的かつ可逆的な光充電が進行する光蓄電池の創成を目指します。

梁 逸偉

固体ナノポアを用いた塩分濃度差発電技術の開拓

研究者
梁 逸偉

九州大学
大学院工学研究院
助教

研究概要

現在の逆電気透析発電技術は、産業の要求水準を満たしておらず、イオン交換膜出力密度の改善が重要な課題となっている。これは、従来の多孔質膜はイオンの輸送経路が不確定であるため、膜抵抗が増大するためである。本研究では、ナノポア(ナノサイズの細孔)によるイオン輸送特性を駆使し、配列されたナノポアのイオン輸送現象を網羅的に解析することで、ナノ流体を用いた革新的な塩分濃度差発電技術を開拓する。

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