[強靱化ハードウェア] 2021年度採択課題

大島 大輝

局所イオン照射法を用いた磁気スキルミオン制御技術の確立

研究者
大島 大輝

名古屋大学
大学院工学研究科
助教

研究概要

磁気スキルミオンは磁性体中で粒子のように振る舞うスピン構造で、メモリやニューロモーフィックコンピューティングへの応用が期待されています。本研究では、イオン照射法により素子内の磁気特性に勾配をつけることにより磁気スキルミオンの挙動を制御し、ニューロモーフィックコンピュータにとって必須となる人工ニューロン素子の動作の実現を目指します。

奥井 学

爆発的に速い集積型燃焼人工筋肉の具現化

研究者
奥井 学

中央大学
研究開発機構
客員研究員(機構准教授)

研究概要

人と機械の安全な協働に向けてソフトロボット技術が注目されていますが、柔らかいがゆえに応答速度や発生力に課題があります。本研究ではジメチルエーテル(DME)の燃焼を利用した集積型燃焼人工筋肉システムの開発を通して、ヒトと同程度のスケールの応答速度、発生力、変位を満たすソフトアクチュエータの具現化に挑戦します。提案手法は燃焼で駆動するため出力制御や連続駆動が困難ですが、集積化によって解決を目指します。

春日 貴章

超高密度センサ網の実現に向けた「土に還る」センサデバイス基盤技術の創成

研究者
春日 貴章

大阪大学
産業科学研究所
助教

研究概要

農業・医療・都市管理・製造業など様々な分野において、センサデバイスの大量設置によるきめ細やかな環境情報の収集及び利活用への取り組みが進められています。しかし一方で、SDGsを始めとする持続可能な社会の実現に向けた取り組みの強化も求められています。本研究では、センサデバイス大量設置と持続可能性を両立可能な「土に還る」センサデバイス基盤技術の創成に、材料開発と実装の両面から取り組みます。

木村 雄亮

超早期感染検査用マイクロデバイスシステムの開発

研究者
木村 雄亮

量子科学技術研究開発機構
量子技術基盤研究部門
博士研究員

研究概要

Withコロナ社会における社会基盤維持には、未発症を含む感染患者の早期発見と隔離、及び迅速な治療移行は極めて重要ですが、未発症段階では検査施設を訪れる患者は少なく、早期発見に繋がりにくい問題があります。そこで本研究は、唾液中ウィルス遺伝子検出による感染検査を、非医療従事者でも各家庭で簡単に行えるポータブルデバイスの開発、及びそれを起点としたリアルタイム感染者データネットワークの構築に取り組みます。

黒川 雄一郎

高度な柔軟性を有するIoTスピンデバイス開発

研究者
黒川 雄一郎

九州大学
大学院システム情報科学研究院
助教

研究概要

磁性多層膜、磁性ナノ粒子を用いてフレキシブルスピンIoTデバイスを作製します。従来法では熱処理が必要な磁性多層膜はフレキシブル基板に直接形成できない為、これを解決する転写法を開発します。また磁性ナノ粒子をインクとして用い、インクジェットプリンタによるフレキシブル基板上デバイスの直接印刷法を開発します。その後、曲げ応力下でのデバイス特性を明らかにし、フレキシブルスピンIoTデバイス実現を目指します。

佐藤 峻

液体金属実装による強靭なストレッチャブル電子デバイスの創製

研究者
佐藤 峻

産業技術総合研究所
センシングシステム研究センター
研究員

研究概要

本研究の目的は、伸縮基板上の配線に電子素子を実装する際に液体金属を用いることで、強靭なストレッチャブル電子デバイスの創製を行うことです。本研究では、液体金属実装によって高伸縮耐性を得ることを考えましたが、液体金属は接触抵抗が高い問題があります。そこで本研究では、接触抵抗要因の解明および低接触抵抗条件の探索に基づき、液体金属実装による高伸縮・高機能なストレッチャブル電子デバイスの創製を行います。

下条 裕

非接触・非侵襲なロボット支援下レーザー手術機の開発

研究者
下条 裕

大阪公立大学
大学院医学研究科
ポスドク研究員

研究概要

ロボット支援下手術により臓器の機能や整容を温存した治療が行われていますが、鉗子や電気メスの操縦に必須な触覚機能の喪失や照射レーザー光の散乱に伴う侵襲性が問題となっています。本研究では、生体信号計測と計算機シミュレーションにて設計したレーザ光を非接触照射することで治療作用を病変に制御する、ロボット支援下レーザー手術機を開発します。これにより、接触性・侵襲性を伴わないテーラーメイドな治療を実現します。

鈴木 大地

人感覚を模倣した多機能ソフトセンサーの開発

研究者
鈴木 大地

産業技術総合研究所
センシングシステム研究センター
主任研究員

研究概要

センサー応用の高度化には、マルチモーダル化による多角的情報処理が重要です。そこで本研究では、人感覚を模倣し、接触点での圧覚・温覚の同時計測に加え、表面形状・材質・深部構造といった情報も計測できる単一素子での多機能ソフトセンサーの開発に挑戦します。触覚・視覚等の多感覚を取得できる装着型マルチモーダル・インタフェースの創出により、リアルで臨場感のあるサイバー空間の実現に繋がることが期待されます。

高橋 亮

ユビキタスな面状センサアレイによるIoTシステム構築

研究者
高橋 亮

東京大学
大学院工学系研究科
特任助教

研究概要

日常空間の至る所にある「面」へ面状センサアレイを実装するためには、センシングの用途・感度に応じて特定のセンサアレイを設計する必要がありました。そこで、同一のセンサアレイパターンと高感度な読み出し回路を壁や床、家具、衣類などの面へ組み込むだけで、感圧・静電容量・誘導センシングの全てを行うことを目指します。これにより、所望のセンシング機能を備えた面状センサアレイを誰でも容易に実装できます。

田中 大器

超微小反応場を応用したバイオ電池材料の創出

研究者
田中 大器

早稲田大学
理工学術院
講師(任期付)

研究概要

本研究では、ナノスケールの超微小反応場を応用することによって次世代のバイオ電池(BFC)の材料合成技術を構築する。従来のBFC材料の合成法では使用する溶媒やpHの影響による酵素の変性、化合物自体の立体障害等の影響で反応速度が遅く高効率なBFC材料の合成は実現されていない。これらの問題を解決するために超微小反応場での化学反応の特異性を利用して全く新しいBFC材料合成技術の構築を目指す。

田中 直樹

ホウ素を基軸としたpn精密パターニング技術の開拓

研究者
田中 直樹

九州大学
大学院工学研究院
助教

研究概要

単層カーボンナノチューブ (SWCNT) は、優れた熱電変換材料として期待されていますが、その性能を最大限発揮するためには、p型とn型の両方のキャリア制御が必要不可欠です。そこで本研究では、電子受容性ホウ素化合物から電子供与性ホウ化合物への極性転換を利用して、単一SWCNT上にp型とn型の制御およびパターニング技術を開拓し、社会実装に向けた革新的熱電発電デバイスの開発を目指します。

張 超

相互干渉回避機能を持つ超高精細LiDARに関する研究

研究者
張 超

島根大学
総合理工学部
助教

研究概要

近年、産業労働人口の不足が指摘され、ロボットによる労働力ギャップの穴埋めが期待されています。ここに3D計測の需要が存在します。本研究では、まず工業製品の外観検査に適用できる高精細LiDARの開発を目指します。次に、LiDARの相互干渉回避機能を開発することで、同一空間において多数LiDARの協調稼働の実現を狙います。さらに、小型ビーム掃引機構を開発することで、省エネと低価格化を射程に入れています。

中澤 謙太

大気圧プラズマジェット加工法が拓く自由曲面デバイス

研究者
中澤 謙太

静岡大学
工学部
助教

研究概要

開発する微細加工システムは、ナノ・マイクロ大気圧プラズマジェットを用いてサブミクロンの加工分解能で自由曲面形状を創成できることに新規性がある。開発するシステムを用いて自由曲面MEMSといった未踏分野に挑戦するため、学術的価値の高い独創性のある研究である。多くのMEMSの分解能や可動範囲などの性能を極限的に向上させことができるため波及効果は大きく、MEMSの付加価値を飛躍的に高めることができる。

萩原 成基

立体配線型メモリ素子による高実装効率なCNNアクセラレータの創出

研究者
萩原 成基

北海道大学
大学院情報科学院
大学院生

研究概要

抵抗変化メモリ素子を用いたアナログニューラルネットワーク演算回路はクロスバー構造を中心に発展してきましたが、この構造では畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のような近傍結合型の深層学習モデルを効率よく実装できません。そこで本研究では過去に開発した導電性ポリマーワイヤーシナプスの2次元配線性能を3次元へと拡張し、これ用いて効率よく実装されたCNNアクセラレータの開発を目指します。

橋本 将明

低消費電力な超長ストローク熱駆動MEMSアクチュエーターの開発

研究者
橋本 将明

慶應義塾大学
理工学部
助教(有期)

研究概要

膨大な熱エネルギーを消費してきた社会がカーボンニュートラル社会へとシフトするためには、高効率に熱エネルギーを機械エネルギー変換するハードウェアが不可欠です。本研究では、相変化ナノ薄膜と熱膨張ナノ薄膜を融合させた低消費電力で超長ストロークな熱駆動MEMSアクチュエーターを開発し、熱エネルギーを超高効率に機械エネルギーに変換する強靭化マイクロマシンの設計・製造基盤技術の創出に挑戦します。

堀江 新

身体表面変形デバイスを用いた自他非分離な間身体性の設計

研究者
堀江 新

慶應義塾大学
大学院メディアデザイン研究科
特任助教

研究概要

身体表面に装着可能なハードウェアを開発し、これを用いて身体表面を変形させることで、身体の視覚的なシルエットの変化および装着者への触覚提示を行う。自他の身体の表面をどのように変形させることが、一体感や共鳴を始めとした自他を含み合う間身体性を生み出すかを調査する。

三河 祐梨

動的視差バリアの分散配置による広域空中像提示

研究者
三河 祐梨

日本電信電話(株)
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
リサーチアソシエイト

研究概要

本研究は、分散配置の動的パララックスバリアを用いて、広域遠方への裸眼空中像ディスプレイを実現することを目的としています。従来手法はシアター等の巨大空間を前提にしていたのに対し、本提案では設置面に自由度があるため、公共交通機関やスポーツスタジアム等の幅広い実用的場面での利用が可能となります。さらに本システムの高速化により、スポーツや運転中等、激しい動きを伴うダイナミックな場面での提示も目指します。

村田 正行

磁場を用いて動作する新原理熱電変換デバイスの開発

研究者
村田 正行

産業技術総合研究所
エネルギー・環境領域
主任研究員

研究概要

カーボンニュートラルの実現には、資源を高い効率で利用するエネルギー変換技術の実現が不可欠です。そこで、本研究提案では高効率な熱と電気の直接変換が理論的に予想される、磁場中の熱電変換の一種である「ネルンスト-エッティングスハウゼン効果」に着目しました。従来型の熱電変換とは異なる原理により動作し、高い量産性を持つ発電・冷却デバイスの最適構造の検討と開発、さらにデバイス評価技術の確立を行います。

森崎 汰雄

パッシブ構造を用いた超音波の放射力増幅に基づく非拘束な力覚提示

研究者
森崎 汰雄

日本電信電話(株)
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
社員

研究概要

体や腕を強く押される感覚や、固い物体を押したときに知覚する反力を力覚と呼びます。力覚の再現/提示は行動誘導やVR空間への没入感向上を実現しますが、その特性上装置が大規模になり、ユーザの動きが拘束される問題も抱えます。本研究では、遠隔提示できる集束超音波の放射力を、その高い力学的パワーに着目し小型の機械構造で増幅することで、ユーザの体を拘束しない力覚提示を目指します。

矢菅 浩規

マイクロ格子構造を用いた自動液体サンプリング

研究者
矢菅 浩規

産業技術総合研究所
センシングシステム研究センター
研究員

研究概要

トイレの排水や下水からヒト由来の分子情報を取得することが可能になれば、地域の感染症のまん延情報の取得や、患者個人の健康状態の非侵襲なモニタリングなど、様々な新システムの創出が期待されます。本研究では、そのような情報取得を可能とする自立型の分子センサの実現を目指し、マイクロ格子構造を用いて、測定対象液体から自動的に一定量の液体をサンプリングする技術の開発を行います。

横式 康史

漏れ電流抑制素子を用いたパルス駆動型低消費電力CPU

研究者
横式 康史

東京工業大学
科学技術創成研究院
助教

研究概要

本研究では、小型太陽電池によって得られたごく僅かな電力で駆動するパルス駆動型CPUの実現に取り組みます。短時間のパルス電圧で駆動させることで、不安定な電力環境でも安定動作可能なCPUを製作します。  更に本研究では漏れ電流抑制素子を用いることでより一層の低消費電力化を狙うとともに、小型太陽電池、必要な周辺回路とCPUを組み合わせた、バッテリーレスセンシングプラットフォームの製作を行います。

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