内閣府 革新的研究開発推進プログラム ImPACT プログラムマネージャー

藤田 玲子 理学博士藤田 玲子 理学博士

文部科学省の革新的原子力システム公募で6件が採択されるなど、乾式再処理技術開発の第一人者。東京工業大学原子炉研究所、電力中央研究所などとの共同研究を推進。

メッセージ

「高レベル放射性廃棄物に含まれる半減期の長い核分裂生成物を放射能のない安定な物質に変えることは非常に困難です。しかし、誰かがこのような困難な研究課題に正面から取り組まないと高レベル放射性廃棄物を減らせる可能性は生まれず、高レベル廃棄物の処分は決まらないという問題は解決しません。今までにない新しい核変換の道筋を見つけ、実験で確認することにより原子力の根本的な問題に果敢に挑戦します。」

世界初の核反応データを取得し、核変換の
プロセスを提案。新しい核反応制御法を確立

原子力発電所の使用済み燃料を再処理した際に発生する高レベル放射性廃棄物はガラス固化し、地層深くに埋めて処分する(地層処分)必要があります。
しかしながら、この廃棄物には半減期の長い核分裂生成物(LLFP)が含まれ、長期保管にする不安が払拭されていません。
また、処分場がなかなか決まらないことも社会的な問題となっています。
そこで、本プログラムでは、地層処分が唯一の選択肢であったLLFPを安定核種または短寿命核種に変換する新しい核反応経路(パス)を探し、合理的な核変換法を確立することを目指します。
具体的には、理科学研究所にあるRIビームファクトリーなどの世界最先端の加速器を使って、核変換データを取得し、新しい核反応経路を示す研究開発を進めます。