プロジェクト 2
【核反応データ取得&核変換実証試験の実施】
RIビームファクトリー(RIBF)のほか、J-PARCを用いて、世界で初めて核反応データを取得する。取得した核反応データを確認する実証試験を行う。また、公募により、RIビーム、中性子ビーム、ミュオンビーム、軟X線ビームを用いて、中性子ノックアウト反応や高速中性子核破砕反応、負ミュオン捕獲反応、光子誘起反応、中性子捕獲反応等による新しい核反応制御のフィージビリィ研究を実施し、有望な方法を選定する。

プロジェクトリーダー
下浦 享
東京大学大学院理学系研究科 附属原子核科学研究センター 教授
専門分野:実験原子核物理学
核反応データ取得&核変換実証試験の実施
目的:核データの精度向上と、効率的で社会実装可能な核変換プロセスの提示


研究成果の紹介
J-PARC/MLF/ANNRIにおける中性子捕獲反応断面積測定
目的
J-PARC MLFにて、Cs-135,137の中性子捕獲断面積測定を行う。また、原子炉で熱中性子捕獲断面積データを取得する。
研究項目
- Cs-135,137密封化線源(200、950MBq)整備
- 試料の高精度質量分析(京大)
- J-PRAC BL#04で、飛行時間(Time-of-Flight)法にてCs-135,137密封化線源の照射試験
- 将来のSe-79測定のためにSe安定同位体の測定
- 原子炉(KUR)によるCs-135,137の放射化実験


核変換実証実験
目的
107Pdに加速器で得られた重陽子を照射し、核変換により安定同位体Pdが得られることを実証する。
概要
- 核変換を精度よく検知するためには107Pdが100%に濃縮された試料が必要である。
- 実LLFP由来の15%濃縮107Pd試料を調達し、インプランテーション装置により100%に濃縮後、重陽子を照射した。
- 照射後の試料からPdを回収後、TIMSにより同位体比を測定する。
- 現在照射中、2018年4月1日まで実施予定
