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第18回共生進化機構先端セミナーをオンライン開催しました。

微生物による宿主昆虫の生殖操作に関する研究で知られる陰山大輔博士(農業・食品産業技術総合研究機構)にご講演いただきました。

講演要旨:節足動物には様々な細胞内共生微生物がいて卵巣を通じて母系伝播している。母系伝播する因子にとって、宿主の性比をメスに偏らせることは進化的に有利であり、実際にオス殺し、メス化、単為生殖化やそれ以外の方法により、メスに偏った性比異常現象が細胞内共生微生物によって引き起こされている。特にオス殺しは様々な分類群の細菌や微胞子虫において、何度も収斂進化してきたと考えられている。最近、日本国内で、垂直伝播するウイルスによるオス殺しが立て続けに見つかった。これらについて紹介するともに、オス殺し細菌と宿主との間で繰り広げられてきた進化的軍拡競争や、それが与える影響を紐解くための取り組みについても紹介する。