2019 MRS Fall Meeting & Exhibitへ出展しました。
JST保有のマテリアル・デバイスに関する厳選技術を紹介しました。
知的財産マネジメント推進部は、ライセンスによる技術移転を見据えて2019年12月3日(火)~5日(木)にアメリカ・ボストンで開催された「2019 MRS Fall Meeting & Exhibit」に出展しました。JSTが保有する特許等の中から、マテリアルに関連する厳選した技術を紹介しました。
MRS(Material Research Society)は1973年に創設された、世界最大の材料学会です。年に2回、約1週間にわたる学会と、3日間の展示会が開催されています。90以上の国・地域から会員が集まり、その分野は化学、物理学、工学等多岐にわたります。
■ 2019 MRS Fall Meeting & Exhibit 出展概要
- 【会期】
- 2019年12月3日(火) 11:00~17:30
2018年12月4日(水) 11:00~17:30
2018年12月5日(木) 10:00~13:30
- 【会場】
- Hynes Convention Center, Level2
900 Boylston Street, Boston, Massachusetts 02115, USA
617.954.2000
- 【公式WEBサイト】
- 【来場者登録】
■ 出展技術のご紹介
No. | 技術の名称 | 代表発明者・所属 | 技術の概要 | 国際公開番号/ 登録番号(日本) (各種公報) |
関連資料 |
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1 | 発泡アルミ製造方法 Ultralightweight Al Foam |
半谷禎彦 (群馬大学) |
発泡金属は、軽量で衝撃吸収特性・防音特性に優れ、自動車・航空宇宙・建築など様々な分野で注目されている。しかし、従来の発泡金属はコストが高いことが欠点であった。 本研究では、摩擦攪拌接合と光加熱を利用して、低価格・省エネで発泡金属を作製する技術である。 |
WO2019/013026/ 特許第7023532号 |
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WO2011/046152/ 特許第5754569号 | |||||
WO2010/029864/ 特許第5482658号 | |||||
WO2010/106883/ 特許第5641248号 | |||||
2 | 水溶性ポリイミド Water-soluble Polyimides |
金子達雄 (北陸先端大学) |
水溶性のポリイミドを合成することに成功した。このポリイミドはバイオ由来原料から製造可能で、従来のポリイミドと同等の耐熱性と強度と透明性を有する。またゲルやスポンジにも変換可能である。 | WO2019/026795/ 特許第7125721号 |
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WO2013/073519/ 特許第6022475号 | |||||
3 | 窒素含有グラフェン Nitrogen-Doped Graphene |
齋藤永宏 (名古屋大学) |
グラフェンに窒素をドープする研究は以前から行われていたが、ドープ量が増えるにしたがって平坦性を損なうことが課題であった。 本研究では、ドープする窒素の量が増えてもグラフェンシートの平坦性を維持でき、透明で結晶の高い窒素含有グラフェンを実現できた。 |
WO2019/066013/ 特許7036448第号 |
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4 | 酸化物/IV族半導体トンネルFET | 加藤公彦 (東京大学) |
トンネル電界効果トランジスタ(TFET)は極低消費電力用途で注目されている。しかし、従来のTFETは、(1)ゲート電圧が閾値以下の時にドレイン電流を1桁増加させるのに必要なゲート電圧(Sファクタ)を小さく、かつ(2)導通時電流(Ion)を大きく、かつ(3)遮断時電流(Ioff)に対するIonの比(on/off比)を大きくすることができなかった。 本研究は、IV属半導体/酸化物半導体ヘテロ接合を利用し、(1)-(3)を満足させる技術である。 |
WO2019/107411/ 特許7164204第号 |
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5 | 2次元材料製造法 Graphene Films on SiO2 |
野田優 (早稲田大学) |
グラフェンフィルムの製造方法はCVD法が一般的であったが、金属板上で製造し基板に載せる従来の方法では精度を保てないという課題があった。また、SiO2基板上にCVD法を用いて製造する方法では滑らかなフィルムの製造が難しい。 発明者らは、SiO2基板上に直接滑らかなグラフェンフィルムを製造することに成功した。厚さをコントロールすることで、透明度の制御も可能である。自動車部材等への応用が期待される。 |
WO2012/118023/ 特許第5152945号 |
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6 | 2次元材料製造法 Multilayer Hexagonal Boron Nitride (h-BN) |
吾郷浩樹 (九州大学) |
h-BNは剥離法やCVD法で製造することが一般的であったが、前者は構造が壊れてしまう、後者は大面積の薄膜が製造できないという欠点があった。また、厚さを均一にすることが困難だった。 発明者らは、大きい面積の均一な多層h-BNを製造することに成功した。二次元デバイスの絶縁体としての利用、UV発光体やトンネルバリア、ガスバリアへの応用を見込んでいる。 |
WO2018/128193/ 特許第7136453号 |
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7 | スピントロニクスデバイス Nano-Spin Motor |
廣畑貴文 (ヨーク大学) |
現在のナノロボティクスにおいて、高効率で微細化された駆動系の組み込みの解決が課題となっている。 発明者は、永久磁石の電気的制御によりGHzオーダーの回転数を持つナノサイズのスピンモーターを作製した。発振器やスピンメモリへの応用を見込んでいる。 |
WO2014/024697/ 特許第5534493号 |
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8 | 流線構造のトポロジー表現 Encording Flow Technology |
坂上貴之 (京都大学) |
従来、気流や水流などの流れ場における最適な構造物の設計のため、大規模な数値計算による流体シュミレーションが用いられている。しかし、繰り返し行われる大規模計算は計算時間と設計コストの増大を招くため探索範囲を限定せざるを得ず、導き出した最適な構造物が局所最適なものである可能性を排除できないという問題点を有する。 本発明は、構造物周囲の流体の複雑な流線をトポロジー的に分析し少数の時変パターンに帰着できることを解明した。これにより望ましい流線を発生させる構造物形状の設計が可能となる。 |
WO2016/072515/ 特許第6401288号 |
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WO2015/068784/ 特許第6440629号 | |||||
WO2014/041917/ 特許第5899323号 | |||||
9 | 結晶スポンジを使ったX線結晶構造解析 Molecular Structure Identification |
藤田誠 (東京大学) |
X線結晶構造解析はX線の回折を利用し分子構造を決定する手法であるが、「試料を結晶化して単結晶を用意しなければならない」という制約があり、液状化合物や単結晶化できないほどの微量の試料には適用できない。 発明者らは、細孔性錯体結晶にゲスト分子を周期的に配列させる「結晶スポンジ法」を発明した。これにより、常温で液体の化合物や微量の試料でもX線結晶構造解析によって分子構造の決定が可能になった。 |
WO2014/038220/ 特許第5969616号 |
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WO2016/017770/ 特許第6534668号 |
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