[疾患代謝産物] 疾患における代謝産物の解析および代謝制御に基づく革新的医療基盤技術の創出(AMEDへ移管)

当該領域における継続課題は、平成27年4月1日をもって国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)へ移管されました

戦略目標

「疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出

研究総括

清水 孝雄(国立国際医療研究センター 研究所 研究所長)

 

概要

 本研究領域は創薬・診断・予防といった医療応用を見据え、生体内化合物の動態解析を出発点とした、疾患を反映する代謝産物等の探索およびその情報に基づく疾患制御標的分子の分析を加速する技術の創出を目的とします。
具体的には、メタボロミクスをはじめとするオミクス解析等による疾患関連因子のプロファイリングとその分析・同定に資する技術を開発します。また、見出された因子に関係するタンパク質等の分子を同定する技術を構築します。さらに、これらを基盤としてヒトの疾患制御の概念実証を行うことにより成果の医療応用を目指します。
本研究領域では、複数の研究課題が共通の技術目標のもとで推進されるべく、その技術の構築に向けて一体的に運営します。さらに、対応するさきがけ研究領域とも緊密に連携し、相互の技術の向上を図ります。なお、成果の迅速な臨床応用に向けて、必要に応じて他の創薬関連プログラム等との連携を実施します。

 

 本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「疾患実態を反映する生体内化合物を基軸とした創薬基盤技術の創出」のもとに、平成25年度に発足しました。

 

平成26年度の募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針

 本研究領域は、創薬や診断技術開発に関する国の技術基盤の構築を目的としたものです。このため、プロジェクト終了後にそれらの技術が広く共有され、当該分野の底上げが図られるとともに、成果は企業等を通じて国民に還元される必要があります。このような理念のもと、初年度(平成25年度)には、脂溶性・水溶性の物質双方をカバーするために必要な解析技術ハブ拠点としての機能が期待できる課題、そして創薬標的分子の同定や診断開発に資する技術開発課題が採択され、研究を開始しています(領域webページ:

http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah25-4.htmlおよび次図参照)。


本年度(平成26年度)は、これらのすでに開始している研究課題で形成される”バーチャル・ネットワーク型研究所”のリソースを十二分に活用し、疾患制御の概念実証を目的として出口を強く意識した提案を歓迎します。また、平成25年度で採用出来なかった「新たな基盤技術課題」に取り組む提案も引き続き募集の対象とします。
以下に、具体的に研究提案に期待する点についてお示しします。1. 患者由来の試料と臨床情報
本研究領域の目的を達成するためには、早い段階から臨床サンプルを用いた研究を行うことが鍵を握ると考えています。そのため、患者由来試料の入手が可能であるという点を重視します。さらに、十分な臨床情報を保有している、既にコホートが形成されている、健常者由来試料との比較が可能である、同一患者からの試料で時間経過を追うことが可能である、倫理的な問題が確実にクリア出来ている等の条件を満たした提案を歓迎します。
2. 産業界との連携
本研究領域の目的を達成するためには、産業界との連携を図ることも重要だと考えています。企業に提示できるレベルのバリデーションされた疾患制御概念の提唱や、研究開発の早い段階から企業(創薬、機器開発など)の参画を計画した提案も歓迎します。
3. 対象とする代謝産物
ヒトの中心的な代謝経路(すなわち糖、脂質、アミノ酸-ペプチド、核酸、二次代謝産物等の代謝経路)を研究開発対象と考えています。これらに加え、近年疾患との関連の報告がなされている生体内化合物の非酵素的な酸化物や重合体に着目した研究も募集します。
4. 対象とする疾患分野
疾患分野は平成25年度と同様に、がん、糖尿病、免疫・炎症性疾患、感染症、精神・神経疾患などにフォーカスを合わせます。これらはいずれも代謝酵素や代謝産物との相関の報告があるものです。
これらのうち、がんは、肺がん、膵がん、肝がんなどのアンメットニーズが高いものや大腸がん、胃がんなどの日本人の罹患率が高い疾患に関する課題を対象とします。本研究領域では、新しい診断技術や疾患制御技術の確立を目指します。
また、糖尿病についてはその合併症を中心に据えます。糖尿病の合併症は罹患者のQOLや生命予後の著しい低下を招きますが、現状では根本的な治療法はありません。本研究領域では、生体内の関連因子の側面から、合併症の早期診断と制御を実現する技術開発に挑戦します。
免疫疾患は抗体医薬の登場で、治療成績は向上しましたが、治療のコストや効果の点で課題があり、必ずしも全ての患者さんが満足した治療を受けられているわけではありません。よって、今後も低分子化合物を含めた画期的な新薬の開発が期待されている疾患分野です。また、感染症に関しても二次代謝産物の解析等による早期診断や病態解析を期待します。
精神・神経疾患の患者数の増加はわが国が抱える喫緊の課題の一つです。本研究領域では早期診断や新たな治療法の開発に向けた基盤技術の構築を目指します。なお、本研究領域では研究費総額の上限を3億円として提案を募集します。
また、本研究領域における研究課題の募集は本年度で最後となります。

 

領域アドバイザー

阿部 啓子 東京大学大学院農学生命科学研究科 特任教授/
神奈川科学技術アカデミー健康・アンチエイジングプロジェクト
プロジェクトリーダー
上村 大輔 神奈川大学理学部化学科 教授
佐藤 孝明 (株)島津製作所 フェロー/同 基盤技術研究所ライフサイエンス研究所 所長
鈴木 蘭美 エーザイ(株) 事業開発部部長/同 上席執行役員
高井 義美 神戸大学大学院医学研究科 特命教授
高木 利久 東京大学大学院理学系研究科 教授/
(独)科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター センター長
長野 哲雄 (独)医薬品医療機器総合機構 理事/東京大学 名誉教授・客員教授
成宮 周 京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンター長/同 特任教授
西島 正弘 昭和薬科大学 学長
別役 智子 慶應義塾大学医学部 教授
松澤 佑次 (一財)住友病院 院長

平成25年度採択分

疾患関連リゾリン脂質の同定と医療応用

研究代表者(所属)

青木 淳賢 (東北大学 大学院薬学研究科 教授)

生体膜リン脂質を基軸とした医療基盤技術の開発

研究代表者(所属)

新井 洋由 (東京大学 大学院薬学系研究科 教授)

代謝産物解析拠点の創成とがんの代謝に立脚した医療基盤技術開発

研究代表者(所属)

曽我 朋義 (慶應義塾大学 先端生命科学研究所 教授)

生理活性代謝物と標的タンパク質同定のための基盤技術の創出

研究代表者(所属)

袖岡 幹子 (理化学研究所 袖岡有機合成化学研究室 主任研究員)

医歯工連携によるユーザーフレンドリーなメタボロミクス技術の開発ならびに生活習慣病研究への応用

研究代表者(所属)

福崎 英一郎 (大阪大学 大学院工学研究科 教授)

PLA2メタボロームによる疾患脂質代謝マップの創成とその医療展開に向けての基盤構築

研究代表者(所属)

村上 誠 (東京都医学総合研究所 生体分子先端研究分野 参事研究員)

平成26年度採択分

ケミカルバイオロジーによる脂質内因性分子の新機能研究

研究代表者(所属)

上杉 志成 (京都大学 物質-細胞統合システム拠点 教授)

臨床検体を用いた疾患部位特異的な代謝活性のライブイメージング探索技法の確立と創薬への応用

研究代表者(所属)

浦野 泰照 (東京大学 大学院薬学系研究科 教授)

オミクス解析に基づくアレルギー発症機構の理解と制御基盤の構築

研究代表者(所属)

大野 博司 ((独)理化学研究所 統合生命医科学研究センター グループディレクター)

代謝システム制御分子の系統的探索による治療戦略創出と創薬展開

研究代表者(所属)

末松 誠 (慶應義塾大学 医学部 教授)

パーキンソン病の代謝産物バイオマーカー創出およびその分子標的機構に基づく創薬シーズ同定

研究代表者(所属)

服部 信孝 (順天堂大学 医学部 教授)

腸内細菌叢制御による代謝・免疫・脳異常惹起メカニズムの解明と治療応用

研究代表者(所属)

ファガラサン・シドニア ((独)理化学研究所 統合生命医科学研究センター チームリーダー)

包括的メタボロミクス・ターゲットプロテオミクスによるがん診断・薬効診断マーカー探索と革新的統合臨床診断ネットワーク構築

研究代表者(所属)

吉田 優 (神戸大学 大学院医学研究科内科系講座病因病態解析学分野 准教授)

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