創発POメッセージ(後藤パネル)

創発PO: 後藤 真孝(産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門 首席研究員)


【専門分野】 情報学

早稲田大学にて1998年に博士(工学)取得後、電子技術総合研究所(現・産業技術総合研究所)入所。2013年から産業技術総合研究所 首席研究員。
基礎研究として、ビート、メロディ、サビ等のポピュラー音楽の主要な要素の推定に世界に先駆けて成功して「音楽の自動理解」という新領域を開拓しただけでなく、その応用研究として、世界初の音楽インタフェース・サービス群を実現した実績等が高く評価され、日本学士院学術奨励賞、日本学術振興会賞、市村学術賞、FIT船井業績賞等、64件受賞。
2009~2017年にIPA未踏IT人材発掘・育成事業PM、2016~2022年にJST ACT-I「情報と未来」研究総括を兼務して、若手育成も積極的に推進。

POメッセージ

 本パネルでは、情報学を中心とした幅広い研究課題の応募を期待しています。せっかく原則7年間という長期間、持続的に自らの発想で研究に取り組めるチャンスなので、若手研究者の皆さまには、研究者として一番やり遂げたいことを提案してほしいと願っています。奇をてらった提案にすると後で辛くなるので、研究者人生をかけて信念を持って取り組みたい大きな挑戦を、ストレートに提案するのがお勧めです。皆さまの研究課題が、どう面白くてワクワクするのか、どう挑戦的なのか、その研究を通じてどういう未来を切り拓きたいのかを、情熱的に伝えてもらえると嬉しいです。
 採択されると、持続的な研究費のありがたさもありますが、それ以上に、お互いの研究を議論する「創発の場」等を通じた若手研究者同士の交流が刺激的で楽しく、また、創発アドバイザーの皆さまからのアドバイスが嬉しくなると思います。私は2016~2022年にJST ACT-I「情報と未来」研究総括として、若手研究者を応援していたのですが、そこでも採択者の皆さまがそうした人的交流を楽しんでいました。プログラムは違いますが、その活発な交流を促す工夫等を紹介した私の挨拶 https://youtu.be/PiRK_RJCMsA が、採択後の本パネルの雰囲気の参考になります。
 情報学は未来社会を創造する中核を担う学術分野であり、基礎から応用まで幅広い研究開発が重要です。また、科学的に明らかにする研究や、工学的に実現する研究など、学術的なアプローチも多様です。そのすべてをカバーできる人はいないので、皆さまの研究課題の魅力・独創性・挑戦性が、専門外の研究者にも的確に伝わるように工夫しながら、是非提案・交流してみてください。
 若手研究者の皆さまにとって、自由な発想で挑戦できる創発的研究支援事業は、応募せずにはいられない気持ちになるような素晴らしいプログラムです。このチャンスに興味を持ったら、ためらわずに応募してみませんか。