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アクセス ACCESS

No.5-4Ma1211月5日(土) 12:30~14:00

ステージ企画

研究DXで日本の科学技術は立ち直れるか
Can Japanese science and technology recover with digital transformation in research?

高エネルギー加速器研究機構
High Energy Accelerator Research Organization

場所:テレコムセンタービル 4Fミニステージ

企画概要

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 日本の研究力低下が懸念されており、国の第6期科学技術・イノベーション基本計画は、既存分野にビッグデータやAIの活用などを組み合わせる研究のデジタルトランスフォーメーション(DX)で、より付加価値の高い研究成果を創出し、日本の存在感が増すことを目指しています。

 クラウドサービスの活用で創薬につながるタンパク質構造解析の効率化を進める取り組みや、全国の研究機関のデータを収集・共用することで材料研究の加速をめざす取り組みも示しつつ、「囲い込みと自前主義的」を超えたオープンな環境が科学技術をどう進化させるのかを議論します。

There is widespread concern that Japan's research capabilities are declining. Japanese government's Sixth Science, Technology, and Innovation Basic Plan aims to create higher value-added research results and increase Japan's presence in the field through digital transformation (DX) of research that combines the use of big data, AI, and other technologies in existing fields.

登壇者プロフィール

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山地 一禎 YAMAJI Kazutsuna

情報・システム研究機構 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系教授。2000年、豊橋技術科学大学大学院工学研究科電子・情報工学専攻修了。博士(工学)。理化学研究所脳科学総合研究センター研究員などを経て、現職。高等教育機関におけるICT基盤整備に関する研究開発に従事。文部科学省平成30年度文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)受賞。

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出村 雅彦 DEMURA Masahiko

物質・材料研究機構(NIMS)統合型材料開発・情報基盤部門長。1995年東京大学大学院修士課程修了後、科学技術庁金属材料技術研究所(現NIMS)に入所。2003年博士(工学)(東大)。2015-17年、東大先端科学技術研究センター特任教授。17年、NIMSに新設の統合型材料開発・情報基盤部門の副部門長、20年より現職。構造材料を長年研究し、最近はデータ駆動型材料開発の基盤となるシステム開発に従事。

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千田 俊哉 SENDA Toshiya

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所教授(構造生物学研究センター長)。1995年、長岡技術科学大学博士後期課程修了(博士(工学))。長岡科学技術大学、産業技術総合研究所を経て現職。現在は「生体のエネルギー通貨」と呼ばれるATPとよく似た細胞のエネルギー分子、GTPの代謝を主に構造面から研究している。タンパク質の立体構造解析の経験も長く、クラウド利用を通じ研究DXにも深く関わっている。

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田代 皓嗣 TASHIRO Koji

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社

パブリックセクター 教育事業本部 アカウントエグゼクティブ

主に大学・研究機関向けの営業に従事。日系SIerを経て、2019年11月より現職。

AWS公式ブログの執筆やウェビナーでの講演活動も行っている。

https://resources.awscloud.com/public-sector-jp

プログラム

研究DXの実例などを紹介する三つのプレゼンテーション(それぞれ20分)のあと、日本の科学技術の将来を考える自由討論(30分)を行います。

出展レポート

企画概要の補足

企画の内容自体は変わらないが、今年のサイエンスアゴラのテーマに合わせて「科学技術にITをまぜて、現状をこえて、新たな価値をつくりだせるか」を議論のテーマとして強調した

話し合った未来像

退潮している日本の科学技術が、研究DX(研究データ活用)で巻き返す未来

セッションでの意見、論点

  • 科学は経験科学、理論科学、コンピューター利用科学から、データを生かした科学へと変わってきている
  • 欧州は研究データ活用の重要性に早くから着目し大規模な投資をしているが、日本は追う立場
  • 国立情報学研究所(NII)は、広い研究分野で研究データの活用が進むよう基盤整備をしている。オープンサイエンスの時代に合わせ、論文や研究者情報などに加えデータセットの検索もできるようになった
  • 物質・材料研究機構(NIMS)は、材料探索の効率化のためもともとデータ取得や活用を重視してきたが、成功事例も出てきて有用性に気づく研究者が増えてきた
  • 高エネルギー加速器研究機構(KEK)でも行っている生命科学分野では、公的データベースが充実しており、誰でも利用できるようになっている
  • アマゾン ウェブ サービスは、計算量が極めて多いクライオ電子顕微鏡によるタンパク質構造解析などで研究DXをサポートしている

そして研究DXで日本の科学技術が立ち直る条件とは…

  • 研究機関トップを含みデータ重視の意識改革
  • データを扱うエンジニアの育成と研究者を同じ立場にすること
  • 研究者にとって「余計な作業」を「研究の一部」に転換する工夫
  • →そしてデータをたっぷりためて、世界と戦っていく!

セッションで出たキーワード

データ管理、リテラシー、研究データ基盤、オープンサイエンス、オープン・クローズト戦略、知の定量化、知の再利用、データの価値を保ちつつ共有、「つくる・ためる・つかう」、ボトルネック、クラウド、公的データベース、価値創造

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