《サイエンスアゴラオンライン》
1020日(木)~22日(土)

《前夜祭》
111日(火)

《サイエンスアゴラ実地開催》
114日(金)~6日(日)

アクセス ACCESS

No.22B1010月22日(土) 10:00~11:30

オンライン企画

魅力ある科学ミュオグラフィをアートで描く!
Let's transform the fascinating science behind Muography into art!

駐日ハンガリー大使館、角谷賢二、中島裕司
Embassy of Hungary, Dr. Kenji Sumiya, Dr. Hiroshi Nakajima

場所:オンライン

企画概要

img22-b10_00

最先端科学技術(ミュオグラフィ、AR・VR・CGなど)と芸術(アート)を融合させた新たな分野である『ミュオグラフィアート』を紹介します。ミュオグラフィアートをきっかけとして、老若男女を問わず多くの人に最先端科学に興味を持っていただき、それが科学への理解や感動へとつながることを目標としています。特に若い世代には、科学やアートをより身近に感じ、将来の選択肢を広げるきっかけになればと思い、活動しています。

Introducing a new field, "Muography Art", a fusion between the cutting-edge scientific technology (muography, AR, VR, CG, etc.) and art. By approaching Muography through arts, our goal is to make people regardless of age or gender interested and help them understand the high technology of Muography, which can amuse them. Especially for the younger generations, we hope that they can feel familiar with science and the arts in order to make their future possibilities richer and richer.

登壇者プロフィール

img01-a21_01

角谷 賢二 Sumiya Kenji

理学博士・高分子学会フェロー。以前日立マクセル(株)取締役 CTO時代、磁気テープ、光ディスク、電池の研究開発を統括した。退任後、関西大学に移り学長室シニアURAおよび客員教授として研究企画のアドバイスや講義を行った。現在、国際美術研究所所長/国際ミュオグラフィ研究所所員として活動している。

img01-a21_02

中島 裕司 Nakajima Hiroshi

博士(芸術制作)・画家(油彩画・テンペラ画)として多くの油絵、テンペラ画をを制作してきた。これらは、大学や病院のロビーにも展示されている。現在、日本美術家連盟会員・国際美術家連盟会員・国際美術研究所客員研究員・大阪芸術大学非常勤講師(油彩画)さらには絵画の多くの審査委員を務めている。東京大学・関西大学合同のミュオグラフィアートプロジェクトに2017年の設立当初より関わる。

プログラム

10:00

宇宙線ミュオンを使って巨大物体が透視できる”ミュオグラフィ”を学ぼう。

ミュオグラフィを使えば、火山、古墳、ピラミッドなどの普通見れない内部構造を見ることができます。

このセッションでは、ミュオグラフィの科学的説明からアートへの展開をやさしく解説します。

1.開会挨拶後、日本とハンガリーとの科学分野での橋梁体制の説明 (ホッスー)

2.ミュオグラフィのやさしい科学的説明(角谷)

3.コンピューターグラフィックスを含むビデオの紹介(角谷)

4.ミュオグラフィアートの説明(中島)

5.3名の対話質問

6.オンライン参加者との対話(質問含む)

出展レポート

企画概要の補足

若い世代の科学離れが進み、さらにアートを単なる趣味と捉えるような風潮がずっと続いてきたことは、今後の日本にとってすごく憂慮すべきことである。この状況が続けば日本はあらゆる分野で世界をリードするどころか、遅れを取ることになる。アートと科学はイマジネーションを根幹とするという意味でも、根が同じであり、両者が相まって成長することは非常に重要なことである。

話し合った未来像

ミュオグラフィの認知度を上げる必要性。

ミュオグラフィをアートにより、多くの一般人に知らしめることは重要である。同時にアーティストが持つ非凡な発想、アイデアがミュオグラフィ研究を含めた多くの科学者にユニークな発想力を想起させることにより限界を超えた科学の発展が期待できる。

閉塞感に満ちている今の日本の社会が、大きくパラダイムシフトが起こり、科学、アートが発展的方向に進むような社会を目指す。

セッションでの意見、論点

    ミュオグラフィで、火山、古墳、原子力発電所、ピラミッド等巨大物体の内部透視が可能なことが分かってきた。昨年には、ミュオグラフィ分野での第一人者である東京大学国際ミュオグラフィ研究機構の田中宏幸教授が海底にミュオグラフィ探知機器を設置して位置決めができるμPSの研究や東京湾アクアライントンネル内にミュオグラフィ装置を設置して潮位測定ができる海のミュオグラフィ研究が進められている。また、ごく最近(2022年10月)ミュオグラフィにより台風の温暖核を捉えることにも成功している。風水害大国、地震大国、火山大国の日本の未来の安全には非常に重要な研究である。

    日本とハンガリーはミュオグラフィ研究で世界をリードしてきているので、今後共同研究を通して人類に平和や安全のために科学のさらなる発展に挑戦することを期待している。アートの力も偉大であり、科学とアートの癒合によって両者は大きく進歩するであろう。

    数年前から提唱されているSTEAM教育に関する質問も出て、やはりミュオグラフィアートもその一端を担い人材育成にも必要性を感じる。

セッションで出たキーワード

ミュオン、ミュオグラフィ、基礎科学、文理融合、STEAM教育、アートの著作権問題。科学の限界を超えた研究、アートの力。

page top