《サイエンスアゴラオンライン》
1020日(木)~22日(土)

《前夜祭》
111日(火)

《サイエンスアゴラ実地開催》
114日(金)~6日(日)

アクセス ACCESS

No.22A1910月22日(土) 19:00~20:30

オンライン企画

分子で世界を変える!みんなで作る未来の研究テーマ
Changing the world with molecules! Let's create future research themes for everyone

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)
Institute of Transformative Bio-Molecules (WPI-ITbM), Nagoya University

場所:オンライン

企画概要

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2050年、世界はどのように変わっているでしょうか?

分子はとても小さく普段感じることはありませんが、ペニシリン(抗生物質)、緑色蛍光タンパク質(GFP)のように、研究だけでなく私たちの生活や文化に大きな影響を与えてきました。ITbMでは、人々の生活や文化を劇的に変える“トランスフォーマティブ分子”を生み出すべく研究を進めています。

本企画では、来場者とITbMの研究者が関心のある課題をまぜ、垣根をこえて議論することで、気候変動・エネルギー・食糧・健康の問題などを解決する未来の研究テーマを創出します。30年後の暮らしを思い描きながら、未来を変える分子について一緒に考えてみませんか。

How will the world change in 2050?

Molecules are so small that we can’t usually perceive them, but they, such as penicillin (one of the representative antibiotics) and green fluorescent protein (GFP), have had a profound impact on not only scientific research but also our lives and culture. In ITbM, we have been working to elucidate their various properties to create “Transformative Bio-Molecules” that can change our daily lives and culture.

In this event, participants and researchers working in ITbM will mix topics of interest and discuss freely beyond boundaries. Then, we will collaboratively create future research themes to solve problems involving climate change, energy, food, and health. Let’s imagine the molecules that will change the 30 years future.

登壇者プロフィール

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佐藤 綾人 Sato Ayato

<登壇者>

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)特任准教授

専門:有機合成化学、ケミカルバイオロジー

名古屋大学にて理学博士を取得後、京都大学医学部、京都大学物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)、理化学研究所で博士研究員として分子で生命を制御するケミカルバイオロジー研究を進める。

知的探究とその実践がモットー。

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松本 昇子 Matsumoto Shoko

<登壇者>

名古屋大学大学院 生命農学研究科 博士後期課程3年

専門 : システムバイオロジー

岐阜大学で修士号取得後、名古屋大学の博士後期課程に進学。

小さな働き者である微生物に惹かれ、腸内細菌を研究中。

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相原 悠介 Aihara Yusukeo

<登壇者>

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)特任講師・JSTさきがけ研究者(10月から)

専門: 植物生理学、ケミカルバイオロジー

京都大学にて理学博士を取得。基礎生物学研究所、名古屋大学で研究員として、植物や微細藻類の光に対する応答メカニズムを研究してきた。名古屋大学で植物と分子との関わりの面白さに目覚める。予想外の自然の仕組みに出会うのがモチベーション。

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三宅 恵子 Miyake Keiko

<モデレーター>

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)特任講師

専門:植物生態学・サイエンスコミュニケーション

名古屋大学の本研究所で広報・アウトリーチを担当。教育学部出身で修士(教育学:理科教育分野)、その後、植物生態学にはまり博士(理学)を取得。自身の経験を活かして、研究成果や研究所の魅力をわかりやすく伝えるよう奮闘中。

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髙橋 一誠 Takahashi Issey

<デザイン>

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)特任講師

名古屋大学ITbMのサイエンスデザイナー。博士(芸術工学,生体医工学)を取得後、名古屋大学で自動車安全システムの開発研究、筑波大学で複合現実空間での学習システムのデザイン研究に従事。現在は、自身のデザイン経験を活かして、サイエンスを視覚的にわかりやすく魅力的に伝えるよう奮闘中。

プログラム

19:00

開催挨拶・登壇者からの話題提供

19:15

事前アンケートから研究テーマを決定。(★事前アンケートでみなさんからの意見を募集します。参加申し込み&事前アンケートの特設URLはこちら。10/1公開予定 https://www.itbm.nagoya-u.ac.jp/sa2022

19:20

チャットやSlidoなどを用いて来場者のみなさんと登壇者とのコミュニケーションと議論

19:50

登壇者からコメント・まとめ

20:00

研究テーマの実現可能性についてさらに議論を深める

★感想やユニークな意見(ポジティブな意見もネガティブな意見も)をお待ちしています!

出展レポート

企画概要の補足

今年のサイエンスアゴラのテーマ「まぜて、こえて、つくりだす」に取り組むため、参加者への事前アンケートによる意見交換(まぜて)、当日のセッションでの参加者と研究者の意見交換(こえて)、投票による合意形成を行なう(つくりだす)のプロセスを取り入れる。

話し合った未来像

参加者に事前アンケート実施し、「関心事、未来の研究テーマ、あったらいいなこんな分子」の3点を聞いた。それらをジャンル分けして提示し、投票によりセッションで取り上げる4つのジャンル「エネルギー、健康、農作物、気候・自然環境」を選んだ。事前アンケートで寄せられた4つのジャンルの研究テーマについて、研究者が実現の可能性や課題などを解説した。その解説をもとに、最後に「今後期待できそうなジャンル」を投票により選び、「健康」に関するテーマを未来の研究テーマとしてつくりだした。

時間制限もあり、全ての研究テーマを扱うことができなかった。どれも未来の研究テーマとして重要なものであったため、今後、何らかの形で企画に生かしていきたい。

対話のツールとしてチャット機能を設定したが、前半では情報提供が主になり来場者からの投稿は少なかった。後半では質問が寄せられたが、投稿者が限られてしまった。今後の企画では、より多くの人が質問や意見を投稿しやすい仕組みを改めて考えたい。

    <セッションで話し合った未来像>

  • エネルギーでは、塗るだけで発電ができる分子が開発されれば、自宅で手軽に電気を作り出すような未来になるのではないか。
  • 健康では、腸内細菌の働きをよくし栄養の吸収を高める分子の開発や既存薬の新たな機能を見つける研究方法を活用することで、もっと元気に生きられる未来がくるのではないか。
  • 農作物では、植物の反応を観察して植物のもつ能力を引き出す分子が開発されれば、気候変動への対応のみならず消費者のニーズに応える作物がつくれるのではないか。
  • 気候・自然環境では、山の管理が行き届かず大雨で土砂が川に流入し生態系が荒れている現状にたいし、根をはる植物を活用して食い止められないか。

セッションでの意見、論点

    セッションのまとめでは、どのジャンルでも複雑で大きな現象を考えるには要素を段階的に整理し、小さなスケールの具体的な課題にまで落とし込むことが重要であることを確認した。

    研究者が研究を進める上での課題の捉え方や解決策の導き方を示すことで、参加者に未来の社会を考える上でのヒントを与えることができた。

    研究者にとっては、参加者から思いもよらない研究テーマが寄せられ、研究を進める上で社会のニーズを知ることや社会との対話が重要であることを体感する機会になった。

    分子のように目に見えない小さなものや現象をわかりやすく伝える方法について、改めて考える機会となった。

セッションで出たキーワード

分子、植物の感情、腸内細菌、エネルギー問題、健康問題、農作物の今後、食料の安定供給、気候・自然環境 など

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