《サイエンスアゴラオンライン》
1020日(木)~22日(土)

《前夜祭》
111日(火)

《サイエンスアゴラ実地開催》
114日(金)~6日(日)

アクセス ACCESS

No.20A1610月20日(木) 16:00~17:30

オンライン企画

化学が拓くもしかする未来
Chemistry Opens the Door to a Possible Future

東京大学生産技術研究所
Institute of Industrial Science, the University of Tokyo

場所:オンライン

企画概要

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安全・安心な暮らしを脅かす課題の解決法なんて、専門家に任せるしかない――本当にそうでしょうか?

化石資源や貴金属資源の枯渇、病気による健康不安の問題など、長期にわたる安全安心な暮らしを脅かす課題は、1つの分野の専門知だけでは到底対応できません。本イベントでは、資源・材料・エネルギー・生命など、それぞれの分野のフロンティアを切り開いてきた研究者が、既存の枠組みを大きく超えて歩みより、課題を解決する新発想の「未来技術のタネ」を提案します!

新しい化学のものづくりという普段とは少し違う視点で、参加者みんなで、望む未来社会像やそれを実現するための具体的な過程を思い描いてみませんか?

Challenges that threaten our safe and secure way of life can only be left to experts - is that really the case?

Issues that threaten our long-term safe and secure living, such as the depletion of chemical and rare metal resources, cannot be solved by expertise in one field alone. In this event, researchers who have been pushing the frontiers of their respective fields, such as resources, environment, energy, and life, will go far beyond existing frameworks to propose "seeds of future technologies" with new ideas to solve these issues!

From the unusual perspective of chemistry, why don't all participants envision a desirable future society and the concrete process to realize it?

登壇者プロフィール

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北條 博彦 HOUJOU Hirohiko

結晶の美しさに魅せられ、自然が作り出す秩序に驚嘆する日々です。それでも時々向きを間違える分子や、ひとつの向きに定まらない分子もあり、そうした分子の動きを利用した新しい材料が作れないかと研究しています。博士(工学)

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砂田 祐輔 SUNADA Yusuke

金属原子を狙い通りに並べて触媒開発をしています。独自の触媒技術を駆使して、新しい素材の開発や、省資源・省エネルギーな材料合成法を開発することで、持続可能な未来の社会に貢献できるものづくりができるよう日々研究を行っています。博士(理学)。

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杉原 加織 SUGIHARA Kaori

ダイエットの大敵、脂質。その脂質を活用してバイオセンサや抗菌薬などのバイオテクノロジーを作っています。最近ではその知識を活かしてマスクに関するコロナ研究も行っています。博士

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松山 桃世 MATSUYAMA Momoyo

生物系研究者として10年過ごした後、日本科学未来館の科学コミュニケーターに。東日本大震災を経験し、研究者に人々の意見やアイデアを伝える場づくりに興味を持つ。 現在、最先端技術で課題を解決するアイデアを競うカードゲームを開発中。博士(理学)。

プログラム

16:00

【趣旨説明】

【アイスブレイク】今解決すべき社会課題とは?

16:05

【未来技術のタネ1】熱を溜める技術―夏の暑さを冬まで“貯金”するには?

16:20

【未来技術のタネ2】貴金属資源に頼らずにものづくり・エネルギー活用はできるのか?

16:35

【未来技術のタネ3】脂質からつくるバイオテクノロジーで健康な社会へ

16:50

【質疑応答】

17:00

【対話】未来のタネが育ったら?

出展レポート

話し合った未来像

  • 局所的に熱環境を制御できる未来
  • 貴金属資源に頼らずものづくりできる未来
  • 耐性菌による未来のパンデミックを抑える治療法のある未来

セッションでの意見、論点

    個々人の温度の最適化と、ヒートポンプの利用のような全体の温度の最適化等をどのように決めて行けば良いのか。→ 技術の具体を詰めながら、それによる影響を具体化し、判断プロセス・基準などを並行して議論し続けていくことが大切。

    新しい触媒を作るアプローチを決める要素として、コストが大きく影響するのではないか。コストが高い貴金属は使用されないのではないか。→ 鉄など他の金属や、有機化合物で代替する技術開発も重要な一方で、貴金属のリサイクル効率を高めるアプローチも重要。

    特定の種類の細菌にだけ抗菌ペプチドが効くようにできないか。特異性の高さを活かした方が、環境への悪影響も少なくなり、パンデミックも防ぎやすいのではないか。→ なかなか難しい。今後、善玉菌・悪玉菌のようなさまざまな細菌特有の脂質組成が解明されれば、可能性は十分ある。一方、世界のために、処方された抗生物質を飲み切り、耐性菌の発生を防ぐ必要性を社会に浸透させる必要がある。

セッションで出たキーワード

熱と温度、過冷却、結晶化、蓄熱、放熱、触媒、貴金属、資源、性能の最大化、減量、代替、リサイクル、脂質、細胞膜、構造、メカノクロミック素材、耐性菌、抗菌ペプチド

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