《サイエンスアゴラオンライン》
1020日(木)~22日(土)

《前夜祭》
111日(火)

《サイエンスアゴラ実地開催》
114日(金)~6日(日)

アクセス ACCESS

No.20A1410月20日(木) 14:30~16:00

オンライン企画

対話の「場」を科学するー参加型「対話ガイドライン」
The Science of Dialogue: Participatory "Dialogue Guidelines

日本科学振興協会・社会連携ワーキンググループ
Japanese Association for the Advancement of Science (JAAS)Social Collaboration Working Group

場所:オンライン

企画概要

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「対話」についてはすでに多くの実践がある(ディスカッション、ディベート、ファシリテーション、フリートークなど)。しかし、目的や参加者によって対話のあり方はさまざまであり、対話方法の選択もまた多様である。本企画では、どのような場面でどのような対話方法が望ましいのかを再検討する。ファシリテーション、ディベート、環境カフェ、哲学対話を比較対象として、①活動(対話)の目的②活動の形態(議論、討論、対話、会話)、③対話のテーマは?④どんな仕掛け・工夫があるか?⑤参加者はどのように対話に参加しているか?⑥その活動に参加して、参加者はどのように変わったか?という観点から対話のあり方を検討する。

There are already many practices of "dialogue" (discussion, debate, facilitation, free talk, etc.). However, there are various ways of dialogue depending on the purpose and participants, and the choice of dialogue methods is also diverse. In this project, we will review which dialogue methods are desirable in which situations. Facilitation, debate, environmental cafes, and philosophical dialogues will be compared in terms of (1) the purpose of the activity (dialogue), (2) the form of the activity (discussion, debate, dialogue, conversation), (3) what is the theme of the dialogue? (4) What kind of tricks and devices are used? (5) How do the participants participate in the dialogue? (6) How have the participants changed after participating in the activity? (6) How have the participants changed as a result of participating in the activities?

登壇者プロフィール

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大賀 哲 Oga Toru

大賀哲(Ph.D.)。日本科学振興協会(JAAS)理事、社会連携WG教育・社会共創ユニットリーダー/九州大学大学院法学研究院准教授/全国教室ディベート連盟理事/World Scolar's Cup Kyushu アドバイザー 開発教育、ディベート、World Scholar's Cupなどの事業を通じて、対話型ワークショップを実践。主権者教育などの社会連携活動も行っている。

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嶋田 一義 シマダ カズヨシ

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)国際部 ワシントン事務所長 科学者や多様なステイクホルダとの協働を通じた文脈、戦略、コミュニティ作りに従事してきた経験を生かし、ワシントン事務所では、JST事業の日米連携の促進、重要な科学技術情報の収集、科学技術外交への貢献に取り組んでいる。

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中川 智皓 ナカガワ チヒロ

中川智皓(博士(工学))。大阪公立大学工学研究科機械工学分野・准教授/JSTさきがけ研究者/カリフォルニア大学バークレー校客員研究員/一般社団法人パーラメンタリーディベート人財育成協会(PDA)代表理事 学校教育をはじめとした即興型英語ディベートの推進活動を行っている。

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多田 満 タダ ミツル

環境研究者、科学(日本生態学会、日本陸水学会、日本環境毒性学会、環境科学会ほか)、文学(文学・環境学会)、芸術(環境芸術学会)、教育(日本境教育学会)の各分野で研究活動をおこなっている。2015年より新たな対話手法「環境カフェ」を国内外で開催、ならびに科学論文をもとに作成する「論文詩」を考案し、科学コミュニケーションツールとして開発している。日本科学振興協会会員、環境芸術学会生命芸術研究部会長。

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安本 志帆 ヤスモト シホ

私立幼稚園教諭/みんなのてつがくCLAFA代表。社会活動:日本科学振興協会(JAAS)理事/未来の体育を構想するプロジェクト理事/こども哲学おとな哲学アーダコーダ/カフェフィロ。哲学対話、ディベート、当事者研究、などの対話実践を通し、教育活動(主権者教育・人権教育)と、社会的少数派の人達との対話の場のデザインをしている。

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河野 哲也 コウノ テツヤ

河野哲也(博士(哲学))。立教大学文学部・教授/日本哲学会理事/NPOこども哲学おとな哲学 アーダコーダ副代表理事。専門は哲学・倫理学。哲学カフェ、地域創生の対話、対話を通して教育する「子どもの哲学」を全国で実践している。

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宇野 毅明 ウノ タケアキ

1998年東京工業大学システム科学専攻博士(理学)を取得.同年同経営工学専攻助手着任,2001年国立情報学研究所助教授着任.現在は教授.専門はアルゴリズム理論とその応用,特に離散・列挙・組合せ最適化、データマイニング・データ解析での大規模高速計算.近年は、他分野の研究者が集うラボを運営し、文理融合の実践の知見をまとめあげるとともに、業務以外でも。研究やビジネスに関する議論の力を備える道場。

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グラフィックレコーディング(PDF:700KB)
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出展レポート

企画概要の補足

  • 対話と一口に言っても目的によってさまざまであり、異なった性質のものが「対話」という言葉で一緒くたにされている。まずは対話の交通整理が必要。
  • 対話の前に関係性構築・雰囲気づくりが必要な場面がある。十分な関係性がない状態で対話に入り、その結果興味を無くしてしまう、関係性が壊れてしまうということは多い。逆に、すでにある関係性が対話の可能性を閉ざしてしまう場合もあるので、対話のための関係性と対話の目的・中身のバランスが大切(深い話をするためにはコンテクストを共有していることが重要だが、コンテクストを共有している間では話せないような話題もある)
  • 継続的な対話を生み出していくためには、そうした場を提供するコミュニティが必要。そうしたコミュニティを作っていくためにも本企画のような「対話についての対話」機会は重要。

話し合った未来像

  • 対話の継続ということが重要。そのためには「対話のためのコミュニティ」をどのように作り、維持していくか。この点は従来(軽視されてるわけではないが)それほど議論されてこなかった。 

セッションでの意見、論点

  • 結局、対話をすることによって何が変わったか?
  • 複数の対話の方法論をどのように組み合わせていくか?
  • 興味・関心をどのように育てていくか。興味のない人へのアプローチ方法
  • 議論における「安心感」「安全性」とは?
  • 年齢・性別・職業などによる意見の違い、専門知識の有無による意見の違いはあるか?
  • 参加の敷居を下げていく方法。
  • 簡潔に話すためにはどんな方法論、訓練があるか?
  • 対話の場では共感していくのが理想だが、違和感があった場合の対処法。
  • 対話における他者への想像力は重要か?(逆に想像力が強すぎるとそれが先入観のようになってしまうか?)
  • 俗人的な人間関係が多い日本では忖度が多い。そもそも対話が成り立つ空間というのが難しいのではないか。対話空間を広げるためには何が必要か。

セッションで出たキーワード

鍛錬の場、対話空間、コミュニティ、参加の敷居、学校教育、オンライン、興味、論点の組み立て、コミュニケーション技術

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