企画タイトル | 変わりつつある日本の雪と雪崩災害 |
Title | Changing Snow Conditions in Japan and Avalanche Disasters |
企画概要 |
私たちの住む日本は国土面積の半分以上が豪雪地帯として指定されており,利雪産業やアウトドアなど多様な「Snow Life」があります.
しかし一方で,地球温暖化に伴う異常気象の増加も懸念されています.
最近の研究成果によると,以前は稀だったような大雪(極端降雪)が,今後は山岳域を中心により頻繁に起こる可能性が指摘されており,それによる災害の発生も懸念されます.
本出展では最近の日本の気候と雪崩に焦点をあて,雪に対する正しい知識を深め,より良い「Snow Life」のための防災・減災について考えます.
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出展者名 | 日本雪氷学会 関東・中部・以西支部 |
Exhibitor | The Japanese Society of Snow and Ice, Kanto-Chubu-Kansai Branch |
企画番号 | 2212 |
配信日時 | 11月22日(日)15:00-16:30 |
登壇者プロフィール |
川瀬 宏明 気象庁気象研究所 主任研究官 専門は気象学、雪氷学。著書に「地球温暖化で雪は減るのか増えるのか問題」(2019)など。 現在、地球温暖化に伴う日本の将来気候予測研究を行なっており、特に降雪・積雪の変化に着目している。 (WEBサイト: http://rivhiro-weather.com/sky-weather) 出川 あずさ NPO法人日本雪崩ネットワーク 理事 専門組織を立ち上げ20年に渡りアウトドアの雪崩安全対策に取り組む。多数の雪崩事故の調査を行うと同時に白馬など人気山域にて国際標準の雪崩情報の発表も行う。 著書に『雪崩リスク軽減の手引』『雪崩事故事例集』など。日本山岳ガイド協会ICAR委員や日本雪崩捜索救助協議会の理事も務める。 (WEBサイト: https://www.nadare.jp) 司会 永井 裕人 早稲田大学教育学部 講師 専門は衛星地球観測学。現在、陸域観測技術衛星「だいち2号」を使った積雪深マップの作成に挑戦している。 そのほか氷河・氷河湖変動把握、大規模洪水解析など、地球規模の環境・防災課題にも幅広く取り組む。宇宙技術の教育利用にも力を入れている。 (WEBサイト: http://nagy-lab.skr.jp)
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プログラム |
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特に温暖化時の降水量の変化,またそれに伴う災害に関する質問があった.
例えば,関東地方では2014年にみられた雪氷災害はなるなくのか,また温暖化にともなって雪崩は起きやすくなるのかなど.
また雪崩発生の予報・技術に関する質問があった.降水量の変化は場所によって異なり,降水量が減る地域もあれば増える地域も予想されているということであった.
また,関東地方の雪氷災害については急になくなることはなく,山間部ではこれまで同様に注意が必要であるとのことである.
雪崩に関しては,ドカ雪が増える箇所は積雪が不安定になることから,雪崩が増えることが予想されると回答があった.
雪崩発生の予報に関しては,現在気象庁で山岳域の積雪量を計算で求める取り組みを進めており,昨年からその結果をHPで公開を始めたということであったが,
雪崩は非常に狭い範囲の自然災害であるため,雪崩予報はまだ難しいのではないか,という回答であった.
温暖化に伴う降水量(降雨・降雪量含む)の変化,またそれに伴う雪崩予測・雪崩事故の予防に関する質問・コメントが多く,これからの日本の気候変化と雪氷災害への興味・関心が高いことがわかった.
今後は山岳域の雪崩予報ができるよう研究を進めるとともに,今後のより良いSnow lifeのための雪氷災害対策・適応策を一般市民にむけて幅広く情報共有できる取り組みを進めていきたいと思う.
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