2050年には世界人口の70~75%が都市住民になるとの予測を踏まえれば、人々の住む都市の最適化が非常に重要であり、来年の国連STIフォーラムにおいてもSDGs目標11の「都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする」は焦点とする目標の一つとなっています。
具体的には、未来の人々が集い、生活する「持続可能な都市」は、「安全な水」、「エネルギー」、「食糧の確保」また「防災」等の相互連関(NEXUS)の適切なバランスの上に実現出来るものです。その実現に資する、より複合的な科学技術イノベーションの貢献について、JST STI for SDGsタスクチームが、昨年のサイエンスアゴラから、これまで1年間継続してきた議論や産学官の好事例収集の蓄積を踏まえて、具体的なアクションを軸に据えることで、議論を深化します。
本セッションを通じて、来場者が自分のものとしてSDGsにどう向き合うかのヒントとなるだけでなく、国内に止まらない欧州・南アフリカ・国際機関等の登壇者とのSDGs達成に向けたネットワークの構築や、2017年国連STIフォーラムへのインプットに資するような、個人と機関のレベルそれぞれにおいて、今後のSDGsに関わる活動の活性化につながるような結論に辿り着くことを目指します。
企画提供者 | 科学技術振興機構 STI for SDGs タスクチーム |
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開催日 | 11/24(金)16:45-18:00 |
会場 | 8階 会議室B |
形式 | セッション(会議室) |
URL | https://www.jst.go.jp/sdgs/index.html |
備考 | ●同時通訳あり ●UDトークによるリアルタイム自動字幕(日本語/多言語)あり ※ステージでの字幕投影は日本語、その他の対応言語については各自のスマートフォンに音声認識・機械翻訳による字幕を表示(各自のスマートフォンに字幕を表示させるには、事前にUDトークアプリのダウンロードが必要です) http://udtalk.jp/ |
遠藤愛子(総合地球環境学研究所(RIHN)准教授)
東京国税局国税専門官、海洋政策研究財団研究員を経て、現職。専門は水産経済学と海洋政策学。「アジア環太平洋地域の人間環境安全保障:水・エネルギー食料連環(ネクサス)」プロジェクト代表。水・エネルギー・食料ネクサスシステムの複雑性を解明し、研究の結果解明した科学的根拠と、科学的不確実性の下、3つの資源間のトレードオフの逓減と関係者の争いを解決することで、持続可能な社会のための人間環境安全保障の最大化を目指している。
ロバート=ヤン・スミッツ(欧州委員会研究・イノベーション総局総局長)
研究・イノベーション分野における欧州連合(EU)の政策および各種プログラム(平均年間予算80億ユーロ)の策定と実施を担当。欧州研究領域委員会(ERAC)、欧州研究会議運営委員会(ERCEA)、地球観測に関する政府間会合(GEO)執行委員会、および欧州の主要な国際的パートナーとの科学技術合同委員会等、複数のハイレベル委員会の議長を務める。
フラビア・シュレーゲル(ユネスコ自然科学担当事務局長補)
ユネスコ以前は、米国と中国における国際科学協力の責任者を務めた他、スイス連邦公衆衛生局において様々な職務を歴任。1992年5月にスイス・チューリッヒ大学より医学博士号を取得。2001年7月にオーストリアのクラーゲンフルト大学及びウィーン大学の学際研究・生涯教育研究所より、組織開発の修士号を取得している。
ダーン・ドゥ=トイ(南アフリカ共和国科学技術省副次官)
ダーン・ドゥ=トイは、2014年以来、南アフリカにおける国際的な科学技術・イノベーションの全ての側面を担当。 OECDグローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)や地球観測に関する政府間会合(GEO)の設立を含む国際的な科学技術協力に特化した多国間フォーラムにおいて、南アフリカを代表して中心的役割を果たした。
高原 勇(トヨタ自動車株式会社 BR-未来社会工学室長/筑波大学 未来社会工学開発研究センター長、特命教授)
1988年 トヨタ自動車株式会社入社。クラウン・レクサスGSなど新型車両の設計開発を担当。グローバル開発、設計革新の全社リーダを経て、技術部門BR-VI室長、VA開発部長、技術統括部主査を務めて現職に至る。現在は内閣府エネルギー戦略協議会委員など、これからの自動車と社会をテーマに地域社会の次世代自動車交通基盤を研究。筑波大学未来社会工学研究開発センター長及び特命教授を兼務。博士(社会工学)。
シッパコーン・カイムーク(大阪大学研究生(e-ASIA国費留学生))
電気工学とICTを学び、タイ国立電子コンピューター技術研究センター (NECTEC)において、GNSS(全地球型測位システム)技術のより良いインフラ構築を支援。特にタイ初のバス車両配置及び到着時刻予測に関わるシステムアーキテクチャーの開発という都市交通の「量」と「質」両面を重視した新たな取り組みに創始者チームの一員として従事。プーケット県の廃棄物管理システムの開発を支援し、効率的な時間とエネルギー消費につながるゴミ収集トラックのスケジュール最適化も実現した。e-ASIA(JSTの東アジア地域における科学技術協力推進共同事業)国費留学生として、大阪大学にて土井健司教授の下、博士課程の研究を開始する予定。
大久保勝仁(Japan Youth Platform for Sustainability運営委員会理事 / 国連子どもと若者メジャーグループ, Regional Focal Point on North, East, and South-East Asia (NESEA) for Habitat process)
大学院にて建築学を専攻する傍ら、日本においては、持続可能な社会に向けた日本に住む子どもと若者のための政策提言プラットフォームであるJapan Youth Platform for Sustainabilityの運営委員会理事を務め、国連においては国連子どもと若者メージャーグループのハビタットプロセス担当アジア地域統括を兼任。持続可能な社会のために国内、国外ともに子どもと若者の参画システムの構築を目指している。
倉持隆雄(科学技術振興機構 研究開発戦略センター センター長代理/STI for SDGs タスクチーム リーダー)
科学技術庁、外務省在アメリカ合衆国日本国大使館参事官、理化学研究所理事、文部科学省研究振興局長、内閣府政策統括官(科学技術イノベーション担当)歴任を経て、2015年より現職。
大竹 暁(JST上席フェロー(国際担当)/STI for SDGs タスクチーム 副リーダー)
科学技術庁、宇宙航空研究開発機構総務部長、内閣府参事官、文部科学省大臣官房審議官、科学技術振興機構理事、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官歴任を経て2017年より現職。