我が国では皆保険制度の下、公衆衛生の充実と共に長寿社会が具現化されてきた。しかし、依然としてがんは長期に亘って死因の第一位を占めており、がんは国民最大の問題である。そもそも莫大化しているがん治療費を考えなくとも、がんを未然に防ぐこと自体は皆が望んでいることである。だが、制度上の問題から、がんの予防薬は<存在>しておらず、その結果、遺伝情報解析やITの技術発展によりがんのリスクがかなり正確に予想されるようになっても、我々は検診頻度を増やす以外の積極的な予防策をとれないでいる。がん予防臨床試験の施行により予防の具体的施策が掌中に入りつつある今こそ、病になってから治療を行う社会から、病にならない社会への変革を、市民が一丸となって考えるべき時宜であることを宣言したい。
本セッションでは、実社会におけるがん予防制度を目指した社会システム改革と、逆に社会に必要とされる科学の存在意義を討議すべく、がん予防を題材として関連する多様なステークホルダーが集う場にしたいと、サイエンスアゴラの理想に則り考えている。そして、科学的証拠に基づいたがん予防/先制医療の現状を理解し、マイナンバー制度などを含めた情報技術との融合を計ることでどのような社会を作り出すべきなのか、を考えてみたい。
企画提供者 | がん予防の未来を考える会 |
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開催日 | 11/3(木・祝)10:30-12:00 |
会場 | F会場(東京国際交流館)3階 国際交流会議場 |
形式 | シンポジウム |
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備考 | 協賛企業:株式会社ヤクルト本社、NPO法人こどもたちのこどもたちのこどもたちのために他 |
石川 秀樹(日本がん予防学会 次期理事長 京都府立医科大学 分子標的癌予防医学 特任教授)
横倉 義武(日本医師会 会長)
川上 善之(日本製薬工業協会 産学官連携部会長)
高橋 宏和(厚生労働省健康局 がん•疾病対策課 がん検診対策専門官)
高橋 真理子(朝日新聞社 科学コーディネーター)
東京大学 医学部医学科 学生(山本雄士ゼミ:大沢樹輝/吉田智哉)
栃木県 樹徳高校 生徒