林業活性化と熱帯林の保護を目指したフラン樹脂加工木材の開発
2023年08月18日
- 主催:
株式会社フランウッド(旧ニッポニア木材株式会社)
解くべき課題
◆熱帯林における森林資源の保護
・建材としての需要が高い熱帯産の広葉樹(ハードウッド)は成長が遅く、気候変動対策の観点からも保護が必要
◆国内の森林資源の有効活用
・国内に多数存在するスギやヒノキ(ソフトウッド)は建材としての価値が低く、需要が低迷していることから林業の衰退と森林の荒廃が進んでいる
取組のポイント
「STI for SDGs」アワード(2022年度)優秀賞受賞案件
◆保護すべき希少な樹木を原料とする木材の輸入に頼らず、自国の林業の活性化を目指す取り組み
・フラン樹脂加工で、スギやヒノキ材の硬度と耐久性を向上。バイオ素材を原料とするため、環境負荷軽減も実現。
・国産木材の価値を高めることで国内の林業の活性化を図り、同時に熱帯林の保護にもつなげる。
取組内容
◆木材の硬度と耐久性を向上させるフラン樹脂加工技術を開発し、国産木材の価値向上を実現
・農産廃棄物から得られるフルフリルアルコールを木材に浸透させ、耐久性や硬度を向上させる加工技術を、京都府立大学と協力して開発。
・スギやヒノキといった国産木材(ソフトウッド)の硬度と耐久性を向上させ、希少な熱帯広葉樹(ハードウッド)に匹敵する建材を生産。
◆環境負荷軽減への貢献
・加工した木材は鉄やコンクリートに代わる建材としても使用可能なほど耐久性が高く、長期間や屋外の使用に耐えられる。
・加工により建材の中の二酸化炭素の固定量が増え、長期にわたる固定が可能。
・バイオ素材を使用しているため、従来の化石資源由来の樹脂や毒物の使用を回避。廃棄時も焼却が可能。
シナリオの関係者
京都府立大学 森林科学科 森林資源循環学研究室/生物材料物性学研究室