染色排水の無害化を切り拓く最先端の草木染め
2020年02月07日
- 主催:
北陸先端科学技術大学院大学、山梨県立大学
解くべき課題
◆化学染料の染色排水による水質汚染
◆染色工程の所要時間や耐光性など、天然染料の実用上の障壁
◆地域産業の活性化(伝統文化や農業、繊維業の共創)
取組のポイント
「STI for SDGs」アワード(第1回)「文部科学大臣賞」受賞案件
◆全く異なる研究分野(半導体)の国家プロジェクト(JST-ERATO)の研究成果を伝統文化(草木染め)に展開
◆研究者、技術者、デザイナー、アーティスト、40組織100名超のメンバーが対話し協力できる組織/場所の作成
取組内容
150年続く化学染料に基づく染色文化・産業を、水質汚染の問題から解放することを目指す。100名超の協力者と共に「化学染料」から「天然染料」への社会的な潮流作りに挑む。
◆科学×技術
半導体に関する国家プロジェクト(JST-ERATO)で生まれた研究成果(カシミール・リフシッツ力の知見)を天然染料の設計技術へと昇華。
・科学技術1. 高機能な天然染料の設計技術。従来80℃・30分を必要とした染色を、25℃・15秒へと簡易化、更に高耐光性を実現。廃液の無害化へ。
・科学技術2. インクジェット草木染め技術。従来の草木染めが持つデザインの制約・コスト・生産性の壁を突破し、かつ廃液ゼロを実現。
・科学技術3. 合成繊維の草木染め技術。合繊表面にシルクをコーティングし草木染めを可能に。SDGsに相応しい繊維業の発展性を提案。
◆科学×伝統
化学染料産業の1つ「加賀友禅」、その染料をすべて総天然染料化し、150年前に失われた「草木染め友禅」を復活。SDGs社会に即した伝統産業の形を示す。
◆科学×地域
地元農家の廃棄農作物から高機能な天然染料を作成。地域性・ストーリー性を持つ染料の導入により、伝統産業や繊維業の競争力強化/新たな発展軸の提案。また農家や加賀友禅作家などが協力する新たなビジネスモデルを提案。
◆多様性×多様性
分野の壁を越えて集まった人が対話する場所として、オープンフォーラム(Cross ArtTech Conference)を開催。40組織100名超の協力者、3500名超の来場者と共にビジョンを共有。更に草木染めファッションショーを通したビジョンの発信。地域共創の枠組みを作製。
シナリオの関係者
北陸先端科学技術大学院大学
お問い合わせ先
北陸先端科学技術大学院大学、山梨県立大学
- mtakashi@jaist.ac.jp