スマートエネルギーマネジメントシステムの構築
サブ課題C:エネルギー最適利用
研究開発テーマC1:エリアエネルギーマネジメントシステムのプラットフォーム開発と実装
研究開発責任者
岩船 由美子(東京大学 生産技術研究所 教授)
参画機関
大阪大学、一般財団法人電力中央研究所、芝浦工業大学、早稲田大学、慶應義塾大学、統計数理研究所、神戸大学、国立研究開発法人国立環境研究所、株式会社池田理化
概要
都市や街区等の様々なスケールのエリアにおけるEMS実現に貢献するシステム・技術を開発する。まず、自治体単位のEMSのために、自治体の現状把握、将来検討を支援するエネルギー需要データや分析ツールからなるローカルエネルギープラットフォームを開発し、地方自治体と最終消費者のラストワンマイルをつなぎ、最終消費者の行動やニーズを踏まえた、継続性・実効性のある温暖化対策を実現することに貢献する。また、未来都市におけるカーボンニュートラルや居住快適性などの持続可能性を実現するため、建築・交通・人間活動にかかわる各種スマート技術の導入シナリオを構築し、デジタルツイン技術を活用して、スマートエネマネのための新たなシミュレーション基盤を開発する。さらに、街区単位では、既存建築物のオペレーショナルデータを活用した大規模ビル向けEMS、中小規模ビル向けEMS、それらを実装するためのエリアマネージメントシステムの開発および事業化を目指す研究を実施する。
コンセプトイメージ図
サービス提供フィールド
研究開発テーマC2:熱エネルギーマネジメントシステムの基盤技術開発と共通化
研究開発責任者
齋藤 潔(早稲田大学 理工学術院 教授)
参画機関
株式会社NTTファシリティーズ、ダイキン工業株式会社、三菱重工サーマルシステムズ株式会社、三菱電機株式会社、ダイナエアー株式会社、富士電機株式会社、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、株式会社前川製作所、東京電力エナジーパートナー株式会社
概要
熱利用技術では、従来のようなデバイスや個別システムの性能向上の積み上げでは、さらなる大幅な性能向上や脱炭素化には限界がある。そこで、このような限界の突破を可能とするシステム統合化ソフトウェアとしてのEMSに加えて、ハードウェアとしての機器やセンサも含めた異業種、異システムが連携可能なEMSプラットフォームを構築する。このプラットフォームを活用してコロナ感染症をはじめとした急変する社会的要請や今後大幅に利用が増大する再生可能エネルギーの導入にも対応可能ないくつかの統合システムを具現化し、社会実装まで進める。同時に、これまで不明瞭であったEMS導入効果の「見える化」を可能とするデジタルツイン技術によって導入効果の予測や検証まで行えるエコシステムを構築し、柔軟で強靭なエネルギー需給体系を実現した未来社会像の早期実現に貢献する。
コンセプトイメージ図
サービス提供フィールド
研究開発テーマC3:産業用スマートエネルギーマネジメント連携システムの開発と実装
研究開発責任者
天野 嘉春(早稲田大学 理工学術院 教授)
参画機関
オムロン株式会社
概要
事業者の所有する分散した産業用エネルギー生産、貯蔵および利用設備を協調させ、地域の再生可能エネルギーを利活用する最適運用を実現するしくみを開発し、実際の製造現場に適用し、その実用性を検証する。すなわち、工場内・工場外を含めて最適なエネルギーマネジメントを実現するシステムを構築するため、必要な機能の開発とインターフェースや仕組みを定義・実装し、その効果を検証する。本研究で開発した成果を広く活用できるよう早稲田大学にテストベッドを構築し、技術検証環境を整備する。最終的には、開発した仕組み、インターフェース、ルールなどを日本発の産業用エネルギーマネジメントシステムの連携方式として、国際標準に資する基盤技術を構築することで、日本の産業界のエネルギーソリューションビジネスにおける国際競争力を強化する。