事業成果

公正な研究活動の推進

研究倫理教育の高度化支援2026年度更新

相次ぐ研究活動における不正に対し、科学技術振興機構(JST)は、研究資金の配分機関として、不正防止対策および責任ある研究活動の推進に取り組んでいる。

新たな研究倫理教育映像教材を公開

新たに、研究倫理教育映像教材 「倫理の空白Ⅳ 研究活動のグレーゾーン2」を2025年5月にWeb公開した。

シリーズ4作目となる本作では、疑わしい研究行為(QRP: Questionable Research Practice)のさまざまな類型のうち、データ解析を主なテーマとし、データ管理なども取り上げた。また、幅広い分野の研究者が当事者意識を持つことができるよう、人文・社会科学編と自然科学編の2編を制作した。

幅広い研究者を教育対象として想定するが、研究室主宰者(PI)など、研究を指導する立場にある研究者が視聴する場合には、マネジメントする側として自身の研究行為や指導を振り返り、研究者としてのあるべき姿を考えることができる。また、研究現場で起こり得る、リアリティーのあるケースを疑似体験することで、視聴者が主体的に考え、責任ある研究活動を行うための判断力を養うことを目的としている。公開後には、多くの視聴を得つつ大学・研究機関等での研究倫理教育において実際に活用されている。

また、第5シリーズとして「倫理の空白Ⅴ 責任ある研究活動(データ管理編・共同研究編)」を制作し、2026年5月に公開した。今回の映像教材では、データ管理および共同研究をテーマに、責任ある研究活動に向けた検討が可能なストーリーとした。

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映像教材の活用に向けた手引書の公開、研究公正推進にかかるイベントの開催

研究倫理教育映像教材「倫理の空白」シリーズの活用にあたり、講義・講習などの進め方をまとめた手引書を制作し公開した。本手引書では、研究倫理教育担当者が、研究倫理教育を実践するためのモデルケースを示し、具体的な方法や検討事項の解説、演習問題のサンプルも提供した。

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大学等の研究機関における研究倫理教育担当者を対象に、映像教材について解説する『研究公正セミナー』、グループディスカッションなどを通じて参加者自らが公正な研究活動向けた研究倫理教育について考える『研究公正ワークショップ』を開催している。2025年度は、計3回開催した(参加者:セミナー644名・オンライン開催 WSのべ70名・ハイブリッド(オンライン/対面)開催)。

研究公正の情報や映像教材をポータルサイトにて発信

研究不正を防⽌し、公正な研究活動を推進するために、研究機関の研究倫理教育担当者や研究者にとって有益な情報を収集し、「研究公正ポータル」から発信している。

2025年度には、デザインをリニューアルし、視認性等を向上させるとともに、トップページ右側にユーザー別のおすすめコンテンツ等を追加した。

主なコンテンツとして、各省庁のガイドライン・指針、調査・研究、研究倫理教材、⼤学や研究機関の研究公正サイトへのリンク集、学協会の行動規範・投稿規定、研究倫理イベント情報・レポート等を掲載している。

また、我が国の研究公正に係る取組を諸外国に発信するため、2020年度より英語版も公開している。

研究公正ポータルトップ

また、研究公正ポータルでは、⽶国の保健福祉省の研究公正局(ORI: Office of Research Integrity)が制作した研究倫理教育映像教材「THE LAB」をJSTが⽇本での版権を取得し、⽇本語字幕を付してウェブサイトで公開している。

⾃分が研究不正の場におかれたら、どのような意思決定を⾏うかを疑似体験し、研究者として備えるべき「価値・態度」について学ぶことができる。