プログラムの目的
S-イノベ(戦略的イノベーション創出推進プログラム)は、科学技術の発展や新産業の創出につながる革新的な新技術の創出を目指したJSTの基礎研究事業等の成果を基にテーマを設定し、そのテーマのもとで実用化に向けて、長期一貫してシームレスに研究開発を推進することで、産業創出の礎となりうる技術を確立し、イノベーションの創出を図ります。
プログラムのしくみ
JSTは基礎研究事業等の成果を基に産業創出の礎となる「研究開発テーマ」を設定し、当該研究開発テーマの下で産学連携の複数の研究開発チームによる長期一貫(最長10年度)した研究開発を支援します。その際、研究開発チーム間の情報共有等を通じて、コンソーシアム形式による研究開発の相乗効果を最大限引き出すようプログラム運営を行います。
JSTは、本プログラム運営の責任者であるプログラムディレクター(PD)及び研究開発テーマ運営の責任者であるプログラムオフィサー(PO)を配置し、円滑かつ効率的なプログラム運営の推進に努めます。
図1に本プログラムのしくみを示します。
図1に示した①~⑧の各項目について説明します
①研究開発テーマの設定(図2参照)
- JSTは基礎研究事業等の成果を基に研究開発テーマ候補を抽出し、研究開発テーマ候補ごとに公開ワークショップを開催します。
- ワークショップにおける議論(テーマの有望性、本プログラムで取り上げる意義等)の結果等を踏まえ、戦略的イノベーション創出推進委員会は、研究開発テーマの設定及び当該研究開発テーマの取りまとめ役であるプログラムオフィサー(PO)の選出について討議します。
- 上記の結果に基づき、JSTは研究開発テーマを設定し、プログラムオフィサー(PO)を指定します。
②課題の公募(図2参照)
- JSTは、研究開発テーマの下、プログラムオフィサー(PO)による研究開発テーマの公募指針を示し、提案課題を公募・採択します。
図2.研究開発テーマ設定から研究開発開始までのプロセス
③課題の提案
- 応募者には、プログラムオフィサー(PO)が提示する研究開発テーマの設定趣旨に基づき、基礎研究の成果から実用化に向けた研究開発課題を提案していただきます。
- 本プログラムにおける研究開発は、企業と大学等(※)からなる研究開発チームで実施していただきます。企業側の責任者を「開発リーダー」、大学等側の責任者を「研究リーダー」と称し、いずれかのリーダーを研究開発チームの全責任者「プロジェクトマネージャー(PM)」として提案時に選出していただきます。
※ 大学等とは、国公私立大学、高等専門学校、国立試験研究機関、公立試験研究機関、研究開発を行っている特殊法人、独立行政法人、公益法人等をいいます。 - 研究開発チームに、複数の企業が含まれる場合は、そのうちの1企業を「代表企業」として定めて提案していただきます。同様に複数の大学等の研究機関が含まれる場合には、そのうちの1研究機関を「代表研究機関」として定めてください。開発リーダー、研究リーダーは、それぞれ代表企業、代表研究機関に所属している必要があります。
④委託研究開発契約
- JSTは、本プログラムに採択された提案課題の研究開発チームに参加する企業・大学等と、機関別に「委託研究開発契約」を締結します。その際、研究開発チーム内の機関間で共同研究開発契約が締結されることが前提になります。
⑤研究開発費
- JSTは、1課題(1研究開発チーム)あたり年間7千万円程度(間接経費を含む)の研究開発費を支出します。
⑥研究開発の実施
- プロジェクトマネージャー(PM)を中心とした産学連携による研究開発チームには、3つのステージ(表1参照)から構成される最長10年度の研究開発を実施していただきます。
- 研究開発チームには、プログラムオフィサー(PO)の取りまとめの下、他の研究開発チームと連携し、情報共有等を実施することで効率的な研究開発を推進し、「産業創出の礎となる技術」を確立していただきます。
- 研究開発期間終了後、確立された産業創出の礎となる技術を基に実用化に向けた研究開発が継続され、その技術の普及によって新産業が創出されることをJSTは期待します。その際にはJSTの諸事業又は、JST以外の事業・制度等を活用することが可能です。
表1.各ステージの概要(想定)
ステージI 応用基礎研究及び 要素技術の研究開発 |
ステージII 要素技術の研究開発 |
ステージIII アプリケーションの開発 |
|
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研究開発期間(目安) | 2~3年度 | 3~4年度 | 2~3年度 |
研究開発費 支援 |
1課題(1研究開発チーム)あたり年間7千万円程度(間接経費含む)。 | ||
全額委託 | 全額委託 | マッチングファンド形式 | |
主な研究開発内容(※) | 要素技術の確立に向けた基礎・基盤的研究開発 ・メカニズムの解明 ・要素技術の研究開発等 |
・要素技術の研究開発 ・要素技術の組合せ等 |
製品化を目指した実証試験 ・試作品作製等 |
※ 詳細な研究開発内容は、各研究開発テーマの設定趣旨に従います。
図3.研究開発テーマの推進イメージ
⑦実施報告、経理管理報告
- 研究開発チームには、委託研究開発契約に基づく各種報告書を適宜JSTに提出していただきます。なお、本プログラムにおける研究開発期間終了時に完了報告書をJSTに提出していただきます。
⑧プログラム全体の管理・運営
- JSTは、プログラムディレクター(PD)及び戦略的イノベーション創出推進委員会を核とした推進組織を構築し、本プログラムの実施・運営、研究開発テーマ設定等について検討し、プログラムを効率的に推進します。
- JSTは、プログラムオフィサー(PO)を核とした評価・支援組織を配置し、課題の審査、中間評価(※1)、事後評価(※2)を行います。さらに、研究開発課題の所期の目的が達成されるよう、プログラムオフィサー(PO)による研究開発の進捗状況等に関する調査(現地調査を含む)等を通し、研究開発実施者に対し、研究開発実施上必要な協力・支援、及びプログラム終了後のフォローアップ等を行います。
※1 ステージII、ステージIIIへの移行前、及びプログラムオフィサー(PO)の求めに応じて、研究開発課題の中間評価を実施します。
※2 研究開発期間終了後には、事後評価を実施します。