多様なステークホルダーの共創と連携による包摂的な眼科医療の社会実装

令和6年度採択 
ソリューション創出フェーズ

研究代表者:中山 慎太郎
(株式会社OUI 最高執行責任者)

協働実施者:清水 映輔
(慶應義塾大学 医学部 特任講師)

提案の概要

【解決すべき社会課題・ボトルネック】

日本には眼科医が13,000人程度いるが、都市部に集中しており、郊外や農村部・山間部などでは眼科医療へのアクセスが難しい患者が数多く存在している。また都市部であっても、寝たきりのお年寄りなど、眼科疾患を抱えながら眼科医療にアクセスが難しい患者が数多くいる。さらに「発症し、深刻化するまで受診しない」方が多いため、早期発見・早期治療に結び付いていない。

【活用する技術シーズと解決するための手法】

眼科の遠隔診療が可能となるツールである、Smart Eye Cameraを活用し、非眼科医・コメディカル(診療を支援する部門のスタッフ)と遠隔地にいる眼科医の連携により、医療へき地におけるドクターtoドクター(DtoD)の眼科コンサルテーションの有用性を検証する。オンライン診療と組み合わせ、これまで眼科医療が十分に届いていなかった患者に遠隔診療を提供する。また、これまでさまざまな要因で眼科を受診してこなかった患者やそのご家族、患者の予備軍となる住民に、眼科疾患の知識や対策を伝え、眼科疾患に対する意識啓発や医療との連携を図る。併せて、実証実験結果について疫学スタディおよび社会インパクト評価を実施し、対外的に発信して認知度を高め、社会実装につなげる。

【多地域への展開想定】※1

本事業においては、医療へき地と都市部の双方を対象にして、それぞれの地域への社会実装を推進するとともに、並行して都道府県・市区町村などの自治体や地域の医師会などとも継続的な意見交換を行う。また、本事業の成果についての論文や学会発表なども積極的に行う。これらを通じて本事業で実現する遠隔診療モデルの認知を高め、賛同する地域・医療機関を増やしながら、多地域展開を進める。具体的には、日本全国の14,120の離島や、高齢者独居率が全国で最も高い東京都の中でも、本事業が既に一定程度現地医療機関と関係性のある多摩地区を初期ターゲットとして念頭に置き、面的展開を目指す。

※1 ソリューション創出フェーズでは、実証試験地以外の地域に取り組みを展開・普及させるための準備として、取り組みの導入に必要な適用条件や環境設定を提示する。

研究開発への参画・協力機関

  • 株式会社OUI
  • 慶應義塾大学 医学部眼科学教室
  • 猿払村国民健康保険病院
  • 奄美市住用国民健康保険診療所
  • 横浜けいあい眼科

中山プロジェクト概要図

特に優先するゴール※2

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。

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