令和6年度採択
ソリューション創出フェーズ
研究代表者:北原 秀治
(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 特任准教授)
協働実施者:宿野部 武志
(一般社団法人ピーペック 代表理事)
- 報告書:研究開発実施報告書
提案の概要
【解決すべき社会課題・ボトルネック】
「ピアサポート」とは、同じ立場の人同士が支え合うことを指し、それによって1人で抱えていた不安や悩みが軽減され、安心して治療に向き合えるようになる。しかし、ピアサポートの認知不足や社会的な偏見があり、地域支援ネットワークの未整備、そしてその価値が十分に理解されておらず、いまだ多くの疾患当事者が孤立している現状がある。
【活用する技術シーズと解決するための手法】
テクノロジーを活用してピアサポートを強化し、その価値を地域住民や関係者に広めることで、疾患当事者の社会参加を促進する。具体的には、当事者団体のエンパワーメントを目的とした教育プログラムやイベントを提供し、ピアサポートの効果を定量的・定性的に評価することで、社会的孤立の解消や医療費削減、教育機会の平等化、雇用促進、メンタルヘルス改善を目指す。メタバースやAI技術を活用してピアサポートをオンライン化し、地理的制約を克服して遠方の患者や移動が困難な患者も参加できる環境を整える。また、AIを用いてピアサポートの効果を可視化し、そのデータに基づいた教育プログラムや支援体制を構築し、患者と医療者の間のギャップを解消することを目指す。
【多地域への展開想定】※1
ピアサポートプログラムをパッケージ化し、マニュアルの作成、トレーニングプログラムの充実、人材育成、標準化作業などを行いながら他当事者団体、他地域へ横展開し、実装(自律)するところまで伴走し、個人から組織へ、そして社会から国へとピアサポートを普及させる。特に、疾患により身体機能に障害を抱えている方々を対象として進め、年に2つの当事者団体との協働、ピアサポート関連イベントに巻き込み(当事者参加者50名/年)、自律的にコーディネートする担当者2名/年の育成を目指す。
※1 ソリューション創出フェーズでは、実証試験地以外の地域に取り組みを展開・普及させるための準備として、取り組みの導入に必要な適用条件や環境設定を提示する。
研究開発への参画・協力機関
- 東京女子医科大学
- 一般社団法人ピーペック
- 慶應義塾大学
- 東京大学
- 星槎大学
- 東京医療保健大学
- 目白大学
- 国立精神・神経医療研究センター
- 名古屋大学
- 岡山大学
- 国際医療福祉大学
- 滋慶学園グループ
- NPO法人みんなのポラリス
- NPO法人学びあい
- 一般社団法人日本脳損傷者ケアリングコミュニティ学会
- カディンチェ株式会社
- 株式会社秀和ウェイブシステム
- Microsoft Project Users Forum(MPUF)
特に優先するゴール※2
※2 特に優先するゴール、ターゲットを示しているが、SDGsの17ゴールは統合的で相互に関連しており、トレードオフにならないように留意しつつ研究開発を推進する。